(手で磨かなくても30秒くわえるだけで歯磨きと同じ効果があるという(早稲田大学早大理工学術院))
① ""歯磨き革命!「くわえるだけ」30秒で完了 次世代型全自動歯ブラシ 早大が開発""
2019年01月15日 14時46分
手が不自由な人や高齢者など、自分で歯磨きできない人に向けて、口にくわえるだけで歯ブラシと同じ効果が得られる全自動歯ブラシを早稲田大学などのグループが開発した。
日本人の8割近くが発症している歯周病は、今や国民病のひとつとも言われる。自分の歯で食品を噛めなくなることは、体全体の健康にも影響を及ぼすことが明らかになった現在、多くの人が食事のたびに歯磨きをする習慣が広まってきた。
早大理工学術院の石井裕之准教授と、同大学院卒業生が起業したベンチャー会社「Genics」の共同グループは、手でブラシが持てなくても、口にくわえるだけで、マウスピースに植え付けられたブラシがモーターで上下左右に動いて歯垢を除去する全自動歯ブラシの開発に成功した。
マウスピースには歯の並びの形状に沿って、ブラシが歯の表と裏の両面に当たるように設計されていて、複数の歯をわずか30秒ほどで同時に磨くことができる構造。
② 忙しい介護現場の負担軽減にも…
(マウスピースは簡単に交換できる設計。数カ月に1度交換する(早大))
介護現場では、介護サービス提供者が多くの仕事に追われて、介護を受ける人に対して歯磨きをする時間が十分に取れないことがこれまで課題になっていたが、この全自動歯ブラシによって、介護者の負担軽減と、被介護者の健康増進の両方を同時に叶えることができるという。
石井准教授らは「高齢者や障がい者だけでなく、すべての人を歯磨きの煩わしさや不完全な歯磨きへの不安から開放してくれます。朝の忙しい時間に、歯磨きしながら髪型を整えたり、服を着替えることも可能になります」と話している。
8日には、米ラスベガスで開催された展示会「CES2019」で発表されたこの歯ブラシ、今後は介護現場での実証実験を通じて、ユーザーの意見を取り入れながら実用化に向けて改良を重ね、2019年度中には試験販売をスタートさせたいという。
(消費者向けに新技術を紹介する国際展示会「CES2019」。今月8日から11日までラスベガスで開催。左は早大の石井准教授、右は歯ブラシをくわえるGenicsの栄田源社長(早大) )