戦後の日本で漫画家10人を選ぶとしたら漫画フリークは誰を選ぶだろうか。
それも手塚治虫とかではなく、実力があるのに普段は余り話題にされない
という条件を付けたらどうなるか、自分の設問ですが、なかなか面白いと思います。
さて、自分の場合でしたら白土三平になると考えます。また、その略歴は、
次のようになります。
① 白土 三平(しらと さんぺい、1932年2月15日 - )は、日本の漫画家。
東京府出身。男性。本名は岡本 登(おかもと のぼる)。A型。『忍者武芸帳 影丸伝』 『サスケ』『カムイ伝』など忍者を扱った劇画作品で人気を博した。
父親はプロレタリア画家の岡本唐貴。妹は絵本作家の岡本颯子。弟の岡本鉄二は「赤目プ ロ」で作画を担当、岡本真は「赤目プロ」マネージャー。
② 作風と影響
『忍者武芸帳』『カムイ伝』などに代表される作品の読み方の一つとして、マルクス主義 や唯物史観があるとされ(ただし白土自身は、それらを意識したり作品で主張したことは無 いと言う)、この観点から当時の学生や知識人に読まれたことなどが後に漫画評論を生む一 因となった。
白土の忍者漫画は、実現が可能であるかどうかはともかく、登場する忍術に科学的・合理的 な説明と図解が付くのが特徴であり、荒唐無稽な技や術が多かったそれまでの漫画とは一線 を画するものである。
手塚治虫によると、白土が登場してから子供漫画には重厚なドラマ、リアリティ、イデオロ ギーが要求されるようになったそうである。
③ アシスタント
小島剛夕(1964年から1968年まで)
小山春夫
岡本鉄二(未詳)
楠勝平
いけうち誠一
兎に角、彼にも「サスケ」など子供向けの軽い作品もあるが、
"カムイ伝"には今までの見て楽しい、軽やかという漫画感を完全に
破壊された。
同じ時代劇でも支配者たるサムライ階級、それに搾取される農民、
最下層のがぶつかり合うエネルギー、そして美大出かと思うほどの
デッサン力には驚かされた。
当時の自分にとっては、重過ぎてあまり読みたくないが、かと
言って無視する訳にもいかないという特異な存在でした。
日本漫画界の多様性と深さを知るには、欠かせない漫画家です。
(文中敬称略)