自分が読んでいる月刊誌・「選択」の記事ですが、なかなかの情報収集力と分析力が
あると思っています。
① 買収価格決定までの経過
『スタートラインは一株当たり44ポンドだった。』その後、シャイアー側は、
わが社の成長余力と新薬パイプラインを著しく過小評価している。」と撥ね付け、
武田の提案をことごとく拒否。その後、交渉の紆余曲折があり、最終的には
約49ポンドで決定。
約7兆円で買収することが決まった。5月8日にも基本合意する見通しとのこと。
☟
この時を分水嶺として、武田は「事実上の銀行管理会社になり果てた。」
(金融筋)と言っても過言ではなかろう。
② 資金の手当
現金対価の大半はメーンバンクの三井住友をはじめとした金融機関からの
借入金で賄う。
自分としては、安定した高配当株として所有していたが、今はゼロになっている。
ある商社で経営企画の仕事をしていた自分としての"疑問点"は、次のとおり。
① 第一三共のインド・ランバクシーの失敗からの教訓はないのか?
② 中に入った投資仲介会社OR投資銀行は信頼できるのか?
高額な手数料だけ取られて終わりというケースもある。
この様な大型案件なら、武田内部での対応はほぼムリ。
③ シャイアー買収後の利益計画に甘さはないのか?
簡単に言えば、この新薬は画期的で、大きな売り上げが
期待できるとかの甘さ。
④ お偉いさんの考えで始まったことなので、今更、おかしいと思っても
止められない。
☟
これら課題がキッチリしていれば、上記の厳しい見解など問題に
することはない。
☟
それが、完全でないといつか、どこかで見たシーンが再現される
ことになる。
☟
『私らが悪いんであって社員は悪くありませんから。どうか社員の皆さんを応援して やってください。お願いします。
1人でも2人でも皆さんが力を貸していただいて再就職できるように、この場を借り て私からもお願いします。』
☟
いずれにしても、もう賽は投げられた。武田の一年後、二年後を見るしかない。