https://news.infoseek.co.jp/article/07reutersJAPAN_KBN17907C/
[モスクワ 7日 ロイター] - ロシア大統領府によると、プーチン大統領は米国のシリア空軍基地に対する巡航ミサイル攻撃は国際法違反で、米ロ関係に深刻な悪影響を与えるとの認識を示した。
複数の通信社が7日、ペスコフ報道官の発言を報じた。
プーチン大統領は、米国の行動は「主権国家に対する侵略行為」で「作り上げられた口実」の下に実施され、イラクでの一般市民の死から世界の関心をそらそうとするものと批判した。
また同報道官は、ロシアはシリアが化学兵器を保有しているとは思わず、プーチン大統領は今回の攻撃はテロリズムへの戦いに向けた国際的連携にとって深刻な障害と認識していると述べた。
米軍は7日未明、シリアの空軍基地に対して59発の「トマホーク」ミサイルを撃ち込んだ。シリアで今週、化学兵器を使用した攻撃が同基地から行われたと断定した。
ロシア通信(RIA)によると、ロシア上院のオゼロフ国防委員長は、米軍による攻撃について討議する国連安全保障理事会の緊急会合開催を要求すると述べた。
別の議員によると、攻撃によるロシアの民間人の被害は出ていない。
また、コサチェフ上院国際問題委員長はソーシャルメディア上で「ロシアの巡航ミサイルは引き続きテロリストを攻撃し、米国のミサイルはテロリストとの戦いに向かう政府軍を攻撃する」と指摘。
「こうしたアプローチが、シリアで期待された米ロの反テロリズム連合を生まれる前から葬り去ることを懸念する」と述べた。
米、シリア政権に軍事攻撃=巡航ミサイル59発―トランプ氏「虐殺終わらせる」
https://news.infoseek.co.jp/article/170407jijiX947/
【ワシントン時事】米軍は米東部時間6日午後8時40分(日本時間7日午前9時40分)ごろ、シリアの空軍飛行場に対し、巡航ミサイル59発を発射した。シリアのアサド政権に対する軍事攻撃は初めて。トランプ米大統領は、アサド政権が化学兵器を使用して攻撃を行ったと断定し、「致死性の神経ガスを使って、アサドは無力な男性、女性、子供の息の根を止めた」と強調。対抗措置として化学兵器攻撃の拠点となった飛行場への攻撃を命じたと明らかにした。
米中首脳会談のためフロリダ州に滞在中のトランプ大統領は声明で「シリアでの虐殺と流血を終わらせることを目指すため、全ての文明国に参加を呼び掛ける」と国際社会に協力を訴えた。さらに「化学兵器の拡散と使用を抑止することは、米国にとって死活的利益だ」と指摘。「アサド政権に振る舞いを改めるよう求める国際社会の試みは失敗した」と断じた。
米国はこれまでシリア内戦で、過激派組織「イスラム国」(IS)などテロ組織の掃討作戦を進める一方、アサド政権の後ろ盾であるロシアの反対で、アサド政権への攻撃は避けてきた。2011年に始まったシリア内戦は、米国の軍事攻撃により新局面を迎えた。
米国防総省によると、地中海東部に展開した米駆逐艦「ポーター」と「ロス」から、巡航ミサイル「トマホーク」59発を発射。中部ホムス県の飛行場を狙い、航空機のほか燃料庫、弾薬庫、防空システム、レーダーなどに攻撃を加えた。標的の飛行場は、化学兵器の保管に用いられていたとされる。ロイター通信は国防当局者の話として、攻撃は1回限りのものだと報じた。
【シリア情勢】米、対シリア姿勢転換も 単独行動を示唆「一線越した」
https://news.infoseek.co.jp/article/sankein_wor1704060070/
【ワシントン=加納宏幸、ニューヨーク=上塚真由】シリア北部で猛毒サリンが使われたとみられる化学兵器による空爆を受け、アサド政権に融和的な姿勢をとってきた米国が政策を転換させる可能性が浮上している。トランプ米大統領は4日、「レッドライン(越えてはならない一線)を越えた」とアサド大統領を非難。ヘイリー米国連大使も5日「国連がまとまって行動する義務を怠ったとき、われわれは自分たちで行動せざるを得ない」と述べ、米国が単独行動に踏み切る可能性を警告した。
トランプ氏は、ホワイトハウスで行われたヨルダンのアブドラ国王との共同記者会見で、「シリアとアサド氏に対する私の考え方は変わった」とし、オバマ前政権と同様にアサド政権に厳しく対処すると宣言。子供たちに対する化学兵器攻撃が、自らの考え方に大きな影響を与えたと説明した。
トランプ氏は、オバマ氏がシリアに対して「レッドライン」を引きながら、2013年に化学兵器使用が疑われた際、軍事行動に踏み切らなかったことが事態悪化につながったと重ねて指摘。「今は私に責任がある」と語った。
また、シリアや北朝鮮をめぐる混乱は前政権から引き継がれたものだとの認識を示し、「私たちで解決する」と述べた。シリアに対する具体的な行動については言及を控えた。
一方、ティラーソン米国務長官は5日、「ロシアはアサド政権に対して続けてきた支援を慎重に考える必要がある」と語り、ロシアに対し、シリアでの化学兵器使用に関して影響力を行使するよう求めた。
ヘイリー氏も、シリアをめぐる国連安全保障理事会の緊急会合でロシアへの批判を展開。これに対しサフロンコフ露国連次席大使は、化学兵器を保有しているのは反体制派側だと主張し、米英仏が主導する非難決議案は「現段階では必要ではない」と述べた。
決議案はシリアでの化学兵器使用を非難した上で、アサド政権に対し飛行日誌の提出を義務づけるなど調査への協力を求めている。