彼女と僕の関係
もし、コーヒー・ショップにいる
今の僕らを、君が見たならば
間違いなく、恋人同士に見えるだろう。
しかし、僕らの関係は、
とてもフラットな関係であり、
会った時の居心地の良さを
僕らは気に入っている。
2人の間には
男女の、俗に言う、恋愛感情は存在しない。
もっと深い、
そしてシンプルな、お互いへの愛情が
そこには存在している。
と、そんなふうに、僕には思える。
だから、彼女といる時間は楽しい。
心を開ききった二人に
隠し事は一切、無い。
あるのは
信頼関係があるからこそ成り立つ
そんな話ばかり。
この関係を知り合いに話したことがある。
彼の反応はこうだ。
「男女で親友になるって、俺には難しいよ。」
でも、性別なんて、ほとんど関係ない。
僕らはお互い
「好きだ」
と言い合える関係だけれど
本当の意味で
「大人の関係」
なんだと思う。
僕はコーヒーを飲みながら、
彼女を見つめる。
そこには
人生を前向きに生きている
彼女の美しさがある。
風に吹かれる。
そして、長い髪が乱れる。
でも、僕の心が取り乱されることは無い。
僕は彼女に
「寒くないかい?」
と訊ね
「大丈夫」
と彼女は答える。
そして、僕らはまた
底知れぬ、深い会話へと戻っていく。
彼女の唇が
コーヒー・カップを離れ
そして、ストーリーを紡ぎ出す。
万華鏡のような彼女の表情を
僕は僕で
実に様々な角度から楽しみ、
そして時おり、悲しそうな彼女の目を見つめる。
その目は
「違う世界」を
的確に捕らえて離さない。
そんな彼女と僕の関係
それこそが
僕が理想とする
「大人の関係」
に他ならない。
と、僕は感じている。
< MASH>
2012年2月7日 筆