読者諸賢、ご機嫌よう。
只今クリーントーン研究期間真っ只中のハウリンメガネであります。
普段のライブではクリーントーンオンリーで通しているせいか、独りで家にいるとついつい歪んだ音で遊びがちな私。
歪んだエレクトリックサウンドというのはやはりエレキギターの華と言ってよろしいが、ひとしきり遊び尽くした後にふと我に返りクリーントーンでエレキをつま弾くと、やはりギターの本質はクリーントーンなんだよなぁ、と独りごちる私であります。
一口にクリーントーンと言っても各々のギタリストが思い浮かべる音は十人十色千差万別。
ジェームス・バートンのようにカキーンとしたトゥワンギーな音も、ジム・ホールのようにファットでトーンを絞ったジャズトーンも、はたまたナイル・ロジャースのように歯切れのいいファンキーな音も、ヒューバート・サムリン御大がウルフ師匠のバックで鳴らしていた、あのアンプのスピーカーが悲鳴を上げたようなスクリーミンな音もみ~んな「クリーン」と呼んで差し支えないのがクリーントーンという言葉の難しいところ。
人とクリーントーンについて話している時も、
「ギブソンギターのクリーン」なのか「フェンダーギターのクリーン」なのか。
「ジャズコのクリーン」なのか「黒パネフェンダーのクリーン」なのかはたまた「銀パネフェンダーのクリーン」なのか。
小口径スピーカーなのか大口径スピーカーなのか。
と、「俺は今こういうクリーンについて話している」という諸々を補完しながら話さないと意思疎通がうまくいかないのですねぇ(まあ、これは歪みの話をする時も同じたけど)。
そんな私はどんなクリーンを好むのか。
……どれも好きだなぁ。ジャジーなファットサウンド……いや、ファンクはやっぱり軽やかな方が……でもトゥワンギーなクリーントーンも捨てがたい……う〜ん、悩ましい。
歪んだ状態のアンプに対し、ギターのボリュームを下げてクリーンを作るのか、クリーンなアンプに直接ギターを挿すのかでもニュアンスは変わるし、ギターやアンプが変われば当然全てがガラッと変わる。
こんなんはどうだ、あんなんはどうだ、と手を変え品を変えこんなクリーンもあるぞ、あんなクリーンもあるぞ、とやっているのはもう読者諸賢にはお馴染みの光景でありましょう(やれどもやれども悩みは尽きませんな)。
ただ、一点だけ、コレだけは間違いなくいいクリーンを作るポイントであろう、と現時点での試行錯誤の結果確信したポイントをお伝えしたい。
それはアンプのボリュームであります。
爆音である必要はないが(私が音量を上げがちなのは棚に上げておく)、スピーカーがきっちりドライブする(鳴る)レベルまで音量を出してやると、それがどんな類のクリーンであっても「オッ!やるやないかオレ!」となるクリーンが出るのです。
エレキギターの最終アウトプットはスピーカー。
つまりスピーカーがきちんと鳴っていなければエレキギターという楽器のポテンシャルは発揮されていないと言ってよい。
クリーントーンというのはスピーカーが鳴っているか否かがよく分かる、音の良し悪しがバレやすい音であり、それ故にスピーカーがきっちり振動するボリュームまで上げてやれば自ずとグッドな音が導き出せるわけです。
日本という国は住宅事情的にどうしても音量を上げることが難しい。故に皆さま小音量でいい音を出すのに腐心していると思うし、私もその罠にハマりがちなのだけれど、時には思い切ってアンプのボリュームノブをぐっ、と回してみると意外とすんなり答えが出ることもあるのです。
無論、試す時はご近所さんに怒鳴り込まれないよう細心のご注意と創意工夫を!と注意喚起したところで今回はここまで!
また次回!
<ハウリンメガネ筆>
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