「Jerry's Mash」のアナログ人で悪いか! ~夕刊 ハード・パンチBLUES~

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ハウリンメガネが縦横無尽に吠える「メガネの遠吠え!」(第45回) 相変わらず『エフェクター研究をする』私の冬生活

2025-02-15 13:17:27 | 『ハウリンメガネ』コラム集

再びの寒波近づく土曜日にごきげんよう!ハウリンメガネである。

ライブのため、えっちらおっちら阪急電車を乗り継ぎ、京都四条大宮へ向かう途中、車窓から見える雪景色に「おう、見ているだけで寒い寒い」と凍えていたのは先週の土曜日のこと。

またあれが来るのかと思うと少々気が萎えるが、こういう愛らしいモノに出会えることもある。

へんにょりと溶けかけている姿がキュートで思わず撮ってしまったこちらは、先日のライブ会場であるKs四条大宮店の脇路地で見つけたちび雪だるま(溶けかけの雪だるまというのも風情があってよろしいですな)

こういう点景も寒い冬の楽しみというわけで、プルプル震えつつ、来週も寒さに耐えていく所存。

ま、それはさておき……踏んでる?ブースター

(なに?急に話題を変えすぎ?まあまあ、お気になさらず)

最近も相変わらず、年明けから話題に出しているメイビス製ストラトをよく手に取っている私なのだけど、モダン&ファットな特性も相まって、ついついジェフ・ベックのようなプレイを試みる日々(勿論ジェフの様には弾けないが、弾いているとなんとなくそれっぽく聴こえる瞬間もあり、やり込んでしまう)

そこでふと気になったのが「そういやジェフの音ってなんであんなに抜けてくるんだ?」という点。

ジェフのプレイ、特にライブの音を聴くと、音質や歪み方は大きく変わらないのに、必要なタイミングで音の『抜け方』がちゃんと変わるのである。

最初は手元のコントロールだけでやっているのかとも思ったのだが、よく見てみると要所要所で足元のペダルを踏んでいる姿が見える。

(ああ、この人ペダルの使い方も上手いんだなぁ)と、改めて感心していたのだけれど、正直にいってこの「ギターソロ、ないしリードフレーズを弾く時にブースターを踏む」というのが長年ピンとこなかったのが私。

というのも、私がオーバードライブやディストーションの類をブースターとして踏む時というのは、全面的に音圧をガンッ!と上げたい時、つまり、カート・コバーン(ニルヴァーナ)がやっていたようにペダルをオンした瞬間にガツン!全体的に歪みや音圧を持ち上げたいときに踏むもの、として使ってきたのである。

この状態だと既にアンプは飽和しており、そこからさらに別途ブースターを踏んだとて、歪みこそ濃くなれど、音量はさして上がらず、これならばわざわざソロ向けにブースターを置かずとも手元で上げ下げすれば……という発想でこれまで生きてきた訳である(そもそも私のサウンドメイクが下手という問題点は脇に置け)

実際、昔気質のギタリストだと、手元ボリュームの上げ下げとピッキングコントロールでバッキングからリードまで弾くのが普通であり、それを好むプレイヤーも多いが、そういう人の足元にも大概一つ二つオーバードライブやブースターが転がっており(先述のジェフ・ベックもそうだ)、彼らのプレイを観察してみると、ブースターを踏んだ時、音圧や歪みは大きく変わらないのに何故かギターの音が前に出てきている。

何故あの人達の音は抜けてくるのか?

この疑問を解消すべく、ここ何日か手持ちのペダルをとっかえひっかえ試していたのだが、ようやく分かってきた。

彼らは歪みペダルをブースターではなく、イコライザーとして使っているのである。

一口に歪みペダルと言ってもそのサウンドはハイが強いもの、ボトムが締まるもの、ミッドにフォーカスされるものなど、千差万別。

この帯域の変化が実は重要なポイント

以前、ストラトのボリュームを8から10に上げたとき、音量や歪み感はさほど変わらないが、トレブルが抜けてくるから音抜けがよくなる、と書いた記憶があるが、この理屈と同じで、歪みペダルを歪みを得るもの、アンプをブーストするものとして捉えるのではなく、アンプへ入力する音の帯域を整理し、耳に届きやすくする、音の質感を変化させる、それが彼らがブースターを使う理由なのであろう、というのが今回の私の結論。

何を今更当たり前のことを、と思われる方も多かろうが、こうして改めて考えて試してみないと実感として理解できないのだから私もつくづく阿呆である。

よくよく考えてみればスティーヴィー・レイ・ヴォーンチューブスクリーマーを噛まして音をミドルに寄せていたり、ヌーノ・ベッテンコート「RATを歪ませずに通したボトムエンドが大好きなんだ」と発言していたり、もっといえば歪み以外でもエディ(・ヴァン・ヘイレン)フェイザーを噛ましていたのだってフレーズによって音抜けを変化させる為だったと考えれば腑に落ちるのである(まあ、前者二人は常時オンで使ってるからちょっと話が別な気もするが。さらにいえば、それこそファズフェイスを踏んで手元のボリュームをフルにした時のあのムー!ムー!とした暑苦しくトゥーファットなファズトーンもハイ上がりなマーシャルでファットにリードを弾く為のイコライザー(それも手元で細かく調整までできる!)と考えるとジミヘンがストラト+マーシャルというトレブリーになりがちなコンビネーションのブースターとしてファズフェイスをチョイスした理由もなんとなく頷けるのである)

そもそもイコライジングは音作りの基本中の基本なのだが、ペダル自体が持っている帯域変化、という点に着目すると、あれもEQ的に使える、これもEQ的に使える、と選択肢が拡がり、逆に「これのEQ感を活かせばこっちのペダルは外せるな」と、よりシンプルな方向にも考えられるのだから面白い。

ギタリスト諸兄諸姉の皆様、お手元のペダル、見直してみると新たな発見があるかもしれませんぞ?

以上、「ああいう音かっけーなあ〜、あのペダル買っちゃおっかなぁ〜」となりがちな己を反省するハウリンメガネでありました。お粗末!

<ハウリンメガネ筆>

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