夏原 想の少数異見 ーすべてを疑えー

混迷する世界で「真実はこの一点にあるとまでは断定できないが、おぼろげながらこの辺にありそうだ」を自分自身の言葉で追求する

「軍事費を増額しながら、核軍縮を叫ぶ馬鹿馬鹿しさ」

2022-08-26 08:41:23 | 社会
 NPT核不拡散条約再検討会議が開催されている。NPTとは、核兵器保有国の増ぎ、 核兵器保有国に対しては、核軍縮のための交渉を義務付けているものである。それを定期的に検討する必要があるため、5年毎にNPT再検討会議が開かれている。 2020年に開催予定だったが、コロナ危機のため延期され、今年なって開催されているのである。
 今年は、ロシアの軍事侵攻に伴う核戦争の危機が否応なく高まり、これまでの再検討会議での確認事項、「自国核兵器の完全廃絶を達成するという全核保有国の明確な約束」(2000年)、および「核兵器のない世界を実現、維持する上で必要な枠組みを確立すべく、全ての加盟国が特別な努力を払うことの必要性」(2010年)を再確認し、具体化、実行することが喫緊の課題である。

 岸田文雄演説の馬鹿馬鹿しさ
 日本の首相の岸田文雄は、8月2日に再検討会議で演説し、「核兵器を国際社会が協力して現実的になくしていかなくてはいけない」と述べて、曖昧な言いまわしで、核兵器はない方がいい、と言ったに過ぎない。勿論、「核兵器禁止条約」の批准や、核保有国へNPT第6条の履行を迫ることなどなかったのは言うまでもない。

NPT第6条とは「各締約国は、核軍備競争の早期の停止及び核軍備の縮小に関する効果的な措置につき、並びに厳重かつ効果的な国際管理の下における全面的かつ完全な軍備縮小に関する条約について、誠実に交渉を行うことを約束する」。現核保有国手国は、この約束など、顧みることはない。
 
 しかし問題は、それだけではない。岸田は「核兵器を国際社会が協力して現実的になくしていかなくてはいけない」と言いながら、軍事力の拡大を目指しているのである。これは、核兵器は良くないが、通常兵器はいくら増やしてもいい、ということである。核で人を殺すのは良くないが、通常兵器の人殺しはかまわない、と言っているのと同じなのである。広島・長崎の原爆で人が殺されたのは悲惨だが、東京大空襲で一晩に10万人が殺されたのは、大したことではない、と言っているようなものなのである。

 核兵器は、通常兵器の延長線にある
 そもそも、核兵器は、通常兵器の延長線にあるのである。上のグラフで、軍事費上位10か国のうち、7か国は核保有国である。7か国は、強力な通常兵器を持ちながら、核も保有しているのである。2022年6月時点で、核弾頭保有数は、ロシア5975個、アメリカ5425個、中国350個(「ながさきの平和」による)の順であり、これらの国の通常兵器の軍事力が、その他の国よりとてつもなく強大であることを疑う者はいないだろう。
 
 なぜこのようなことになるかと言えば、核保有は、相手国からの核攻撃を抑止できるという核抑止論も、通常兵器の抑止論も同じ構造だからである。相手国の脅威があり、その攻撃を思いとどまらせようとして、通常兵器の軍事力を強化する抑止も、相手国も核保有国であれば、自国の核兵器で核攻撃を思いとどまらせようとする核抑止論も、あるいは、通常兵器の攻撃に核兵器の使用も辞さないとする「核先制使用を宣言しない」ことも、自らの強力な軍事力で、相手国の攻撃を抑止するという同じ論理だからである。核兵器を使用しようとした場合,自国も相手国から核兵器による破滅的な被害を覚悟しなければならず,そのため最終的には核兵器の使用を思いとどまるという論理は、通常兵器の攻撃した場合でも、強力な通常兵器を持てば、相手国もかなりの被害を覚悟しなければならず、攻撃を思いとどまるという論理と同じものなのである。

 日本の場合で言えば、中国・北朝鮮が攻撃してくるかもしれず、それを思いとどまらせる強力な軍事力が必要だというものである。日本の平和を守るために、強力な軍事力が必要だという理屈である。しかし、この強力な軍事力には、いつでも軍事力を使用できる体制をつくるということと、軍事力を使用するという意思を示すことも含まれる。だから、常に軍事演習と相手国への警戒を緩めないことが欠かせないのである。無論、この理屈と相手国も同じで、軍事的対応は同様の措置をとることになる。当然のことながら、武力衝突の危険性は高まることになる。
 さらに、特にロシアによる軍事侵攻以後は、相手国の侵攻を思いとどまらせることは極めて困難で、ほぼ確実に侵攻してくると想定し、その攻撃力を無力化する軍事力が必要だ、というところまで進んでいる。アメリカ主導のNATOが軍事侵攻に瞬時に対処する即応部隊に力を入れているのは、その理由による。
 日本の場合には、「台湾有事論」がそれである。「台湾有事論」は、中国は「ほぼ確実に」台湾に軍事侵攻するとみなし、台湾防衛のためにアメリカが軍事介入せざるを得ない。その場合、米軍は⽇本の基地から部隊を出動させるだろうし、 台湾周辺海域には日本の領海・領土があり、中国の軍事行動には、安保条約第5条から日米は共同軍事行動をとることになる。いずれにして、日本も参戦せざるを得ない、というものである。そして、今までの「専守防衛」の縛りをかなぐり捨て、中国の攻撃力を無力化するためには、「敵地攻撃能力」も必須だという論理に結びつく。当然のことながら、それは、際限のない軍事費の増大・軍事力の強化を伴い、それを岸田政権は実行しているのである。
 そのイデオロギー的支柱となっているのが、自分たちは、絶対的正義であり、すべてロシア・中国が悪い、というロシア・中国「悪玉論」である。それは、ロシアの軍事侵攻選択の理由を、NATOの東方拡大やウクライナ右派政権による少数派のロシア系住民弾圧などは、一切議論からはずし、すべてロシア自身の、あるいはプーチン個人の問題であり、ロシアを「絶対的悪」と決めつけている。そこからは、外交交渉などは意味のないものとされ、軍事的対応以外の手段は封印される。「絶対的悪」と交渉など不可能だからである。バイデンが、ウクライナの戦闘に関しロシアとの交渉を議論の外に置いているのもそのためである。それは勿論、西側が「自由・民主主義」とは相容れないとみなす中国にも援用される。

平和共存」は遠い昔
 かつての冷戦期には、核兵器を中心に多くの軍縮条約が成立した。主要なものでも以下のとおりである。
1968年 核不拡散条約(NPT)
1971年 海底核兵器禁止条約、生物兵器禁止条約
1972年 米ソ、SALTⅠ諸条約
1978年 第1回国連軍縮特別総会
1979年 米ソ、SALTⅡ条約
1985年 南太平洋非核地帯条約
1987年 米ソ、中距離核戦力全廃(INF)条約
1991年 米ソ、STARTⅠ条約
1993年 米露、STARTⅡ条約
 これには、1956年にソ連のフルシチョフが唱え、西側も概ね同意した「平和共存」という思考があった。それは、米ソという超大国間の戦争は、核戦争を引き起こしかねず、共倒れどころか、人類の生存をも脅かす危険性があるという認識からである。それが今は、共倒れと人類への危険性をそのまま残しながら、「平和共存」は忘れ去られている。確かに、現実に「平和共存」を破ったのはロシア側であるし、西側から見れば、中国の軍事力増強は脅威と映る。
 しかし、2018年にINFから離脱したのは、トランプであり、アメリカ側である。そこには、外交問題の解決法を、交渉より武力行使に見出すポンペオ国務長官やボルトン補佐官らのネオコン流の思考があった。それは今でも、対話による外交交渉を軽視し、武力行使もやむを得ないと考えがちなアメリカや日本の世論に多大な影響を与えている。
 
常に、通常兵器による戦争が核戦争に繋がる
 アメリカは広島・長崎に原爆を投下し、35万人の生命を奪ったが、何の戦闘もなく、突然、核攻撃を行ったわけではない。それ以前に、日本軍との通常兵器による血みどろの死闘があったのだ。プーチンは、「核の脅し」をしたが、その前にウクライナには通常兵器による軍事侵攻をしているのだ。通常兵器による攻撃なしで、突然核兵器を使用することなどあり得ない。常に、通常兵器による戦争があり、その延長に核兵器が使用される危険性が生まれるのである。核軍縮は、通常兵器の軍縮が同時に行われなければ、何ら実効性を持たないのは明らかだ。
 
 西側と中・ロによる軍拡競争があり、その軍事力重視の状況で、それと無関係に、核軍縮などあり得ない。日本政府も軍事力を重視しながら、岸田文雄は核軍縮を叫んでいるのである。それは、馬鹿馬鹿しいだけでなく、極めて空虚なものと言うしかない。
  
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日本の『言論の自由』が聞いて呆れる「旧統一教会問題を黙殺してきた主要メディア」

2022-08-19 11:33:41 | 社会

 8月18日、朝日新聞の読者の「声」、最初の投稿欄に
「旧統一教会との関係 説明を望む」
とある。岸田首相に、コロナ対応などと合わせ、自民党と旧統一教会の関係の説明を望む、というものである。確かに、首相に説明は望みたい。しかし、旧統一教会の問題で、説明が必要なのは、首相だけではない。この投稿を掲載すしている朝日新聞も、説明すべきことがある。それは、旧統一教会の問題を、安倍殺害後、旧統一教会が自ら記者会見するまで、この団体について、一切報道しなかった、その報道姿勢である。新聞・テレビは、それまで旧統一教会の名前すら出さなかったのである。一体、それは何故なのか。朝日新聞は首相に説明が必要だたという前に、自分たちの報道姿勢について、先に説明すべきだろう。
 
 安倍晋三殺害後、犯人による供述で、旧統一教会の家庭を破壊させるほどの多額の「献金」がクローズアップされた。それは、「献金」というより、マインドコントロールによる収奪である。そして、安倍晋三がこの団体と繋がりがあることから、自民党を中心に、この団体との「濃厚接触」とも言える癒着ぶりが明らかになった。その結果、今では、(新聞より)テレビがこの問題を連日報道するようになったのである。しかし、もし安倍晋三殺害がなければ、この問題を主要メディアは取り上げることはなかっただろう。何しろ、かつてさかんに報道されていた「霊感商法」などの極めて悪質な行為を、この30年間、新聞もテレビもまったく触れることがなかったのである。安倍殺害後も、旧統一教会自ら記者会見するまでは、報道管制が敷かれているかのように、すべての新聞・テレビが「特定の宗教団体」という言葉を使い、分かっていながらその名前すら出さなかったのである。恐らくは、新聞・テレビは、旧統一教会が自ら記者会見しなければ、「特定の宗教団体」という言葉で、その後も押し通しただろう。

 自分たちに都合の悪いことは、一切言及しない大手メディア
 この新聞・テレビが旧統一教会問題を報道しなかった事実については、新聞・テレビ自体は、まったく言及していない。自分たちに都合の悪いことは、一切言及しない姿勢を貫いている。
 しかし、旧統一教会問題を報道しなかった事実を、片岡亮、郷原信郎等のフリージャーナリスト、大手メディアを辞め、フリーになった元週刊朝日編集長山口一臣、鎮目博道等、多くのジャーナリストたちは、その事実を公にしている。
 例えば、山口一臣と郷原信郎は、テレビ・新聞は安倍殺害当初から、この事件を「民主主義の危機とミスリード」し、安倍と「特定の宗教団体」との繋がりは、あたかも「犯人の思い込み」に過ぎないかのような報道をしたが、旧統一教会と自民党との密接な繋がりは、以前からメディア関係者の周知の事実であったと述べている(You Tube「日本の権力を斬る」)。つまり、意図的に、旧統一教会と自民党との密接な繋がりを、できれば隠そうとした疑いがあるということである。
 また、片岡亮は、テレビ報道番組出演前に「内容に気をつけてほしいと渡されたリストに」「統一教会の名があった」、別の番組でも「統一教会の話を持ちだした途端、その話をするなら縁を切りますと絶縁され た、実話系雑誌からの依頼時にも編集者から「(統一)教会関係はいろいろ面倒なしがらみがあるので、そこは触れないでおきましょう」と言われたなど、「まさに(統一)教会のメディアへの圧力を体感した 」と書いている(「現代ビジネス」Yahooニュースに転載)。まさに、「長い間、統一教会の4文字はメディアの中でも不文律のタブーになってきた事実」があったと明かしている。

主要メディアで「不文律」ができた理由
 この主要メディアで「不文律」ができた理由を、テレビプロデューサー・ライターの鎮目博道は、記者クラブ制に「根深い問題があった」という。権力に不都合な記事を書いて「記者クラブ出入り禁止などにされて、取材機会を失う危険性があるので、当局の意向に面と向かっては背きにくい側面 」があり、「忖度」が働いたというのである(「マネー現代」)。
 上記の片岡亮は、「政府や警察、報道などにも信者が入り込んでいて、大きな資金を持つ巨大な力ともなっているので、怖いというより味方につけると得なのだろう」(同上)とメディア側は考えたのだという。
 また、ルポルタージュ作成者の青沼 陽一郎は、統一教会はメディアに広告を載せており、一例として「テレ朝」サイト、Googleが請け負っていると記している(JBpress)。広告主にとって、都合の悪いことは報道を避ける、ということである。
 いずれにして、旧統一教会と底なし沼のように「ズブズブ」な関係を築いていた権力を掌握している自民党にとっての都合の悪いことは、「触らぬ神に祟りなし」なので、主要メディアは完全に黙殺していた、ということである。

メディアが問題にしていれば、安倍元首相も殺害されなかった
 旧統一教会の問題を主要メディアが報道していれば、さすがに、自民党も密接な関係を持つのを遠慮しただろう。安倍晋三も旧統一教会を支援するビデオを送るのを躊躇しただろう。安倍晋三の旧統一教会との「密接な関係」が出なければ、犯人は安倍晋三の殺害には至らなかっただろう。皮肉にも、安倍晋三にとっては、主要メディアの「忖度」が最悪な形で跳ね返ってきたのである。

「言論の自由」が聞いて呆れる
 新聞・テレビは、中国の香港への言論弾圧には、香港の「言論の自由」を守れ、と連日連夜、報道した。特に、反中国報道が凄まじい朝日新聞は、さかんに中国非難を書き立てた。その朝日新聞も旧統一教会の悪質な行為を30年間記事にはしなかった。主要メディアには、事実上、旧統一教会の問題を公にする自由は、なかったのである。そして、その反省も未だまったくないのである。香港には「言論の自由」を! 日本には「言論の不自由」を! というのが主要メディアの姿勢なのである。
 ここまでメディアに「忖度」される政権は、存在しない。(中国・ロシア等は、政権が強制しているので「忖度」ではない。)この政権に「忖度」するメディアが、自民党永久政権化の最大の貢献者である、と言っても過言ではない。

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アフガニスタン「タリバン掌握から1年。深刻な危機はタリバンだけのせいではない」

2022-08-17 11:22:20 | 社会

タリバンの広報官、ザビフラ・ムジャヒド(BBC)
 
 深刻な危機
 8月15日、アフガニスタンでタリバンがカブールを掌握してから1年になる。多くの西側メディアは、この1年の変化を記事にしている。
ニューヨーク・タイムズ「Afghanistan, One Year After the Fall」
CNN「She fled Afghanistan with her law degree sewn into her dress. Many of her colleagues were left behind」
BBC「Afghanistan: What's changed a year after Taliban return」
等である。
 これらの記事で、共通して強調されているのが、第一に、タリバンによる女性の人権抑圧、第二に、アフガニスタン国民の困窮である。
 第一については、女子は、未だに初等教育は許可されているが、中等教育以上は許可されていないこと、女性の労働参加率が2021年に、22%から15%に低下したこと(世界銀行による調査)など、第二ついては、食糧不足は増大し、人口の約半数にあたる1970万人が深刻な飢餓に直面している (国連WFP)ということなどが象徴している。
 要するに、米軍を中心とする外国軍の撤退後、タリバンによる統治は、うまくいっておらず、危機はより増しているという主旨の記事を主要メディアは載せているのである。
 
 タリバンだけの責任ではない
 確かに、危機はより増しているというのは、本当のことだろう。しかし、それをすべてタリバンの責任だとするのは、適切ではない。アフガニスタンほど、大国の介入を受けた国はないからだ。古くから「文明の十字路」と言われるほど諸民族が興亡し、18世紀に独立したが、英国・ロシアの勢力争いに挟まれ、19世紀には英国の保護領にもなっている。20世紀になって独立し、ソ連の影響から共産主義政権が発足するとイスラム勢力と衝突し、ソ連軍が介入した。ソ連攻撃のためアメリカが、イスラム勢力を支援し、それが肥大化、過激化すると、今度はイスラム勢力とアメリカの闘いに替わっていったのである。そこで伸長したのが、タリバンであり、その政権を攻撃し破壊したのがアメリカである。アメリカは親米政権をつくったが、結局アメリカはタリバンに勝てず、西側リベラル政策を実行しながらも、腐敗にまみれていた親米政権が崩壊したのである。
 ソ連が軍事介入しなければ、イスラム勢力は肥大化することはなかっただろうし、アメリカが介入しなければ、親米政権はあり得ず、イスラム勢力が反米一色に染まり、タリバンに結集することもなかっただろう。アフガニスタン人がソ連軍に殺されれば、ソ連を憎み、アメリカ軍に殺されれば、アメリカを憎むのは、自然だからである。特に、アメリカに対する憎悪は、アメリカ的なるのもの反対であるイスラム復古主義・原理主義を助長するのであり、女性に対するイスラム原理主義的な扱いを拭うことを難しくしている。
 
 経済問題では、親米政権の時代も、アフガニスタンは西側の援助なしでは、経済は成り立たなかった。それが、タリバン政権後は、その援助が凍結されているのである。産業がないに等しいアフガニスタンでは、経済的自立は極めて困難であるのは、誰の目にも明らかだろう。
 例を挙げれば、アフガニスタンはアメリカ、ドイツ、UAE,スイスなどに、90億ドルの外貨準備高があった(AP通信)が、アメリカはそれを凍結し、それによって銀行システムは稼働できなくなった。当然、食料や燃料の価格は高騰し、経済は破綻状態になったのである。
 
 内戦の終結による希望 
 アフガニスタン人だけが、アフガニスタンのことを決める
 しかしそれでも、内戦は終結し、復興への道筋は見えてきている。何にもまして、反タリバンイスラム系勢力は壊滅していないが、戦争による死傷者は劇的に減ったのである。

 年別別民間人死傷者数。2021年8月以降の死傷者の大半は、IS-Kイスラム国ホラサングループによる犯行(BBC UN Assistance Mission in Afghanistanより)
 
 また、国連WFP、多くのNPOなどの支援が続々と開始されている。

 アフガニスタンは、ようやく外国の介入から脱し、タリバンであれ何であれ、今が最悪だとして、アフガニスタン人自らが、この国がどうなるかを決める時代がやっと訪れたのである。
 
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終わらない戦争「人命より『正義』と西側政府は鼓舞するが、人びとの厭戦気分は増大する」

2022-08-12 07:40:34 | 政治
 
ロシア軍に攻撃された学校跡 ドネツク州クラマトルスク  BBC
 
 8月12日の朝日新聞に、早稲田大学教授の豊中郁子が「ウクライナ 戦争と人権」という寄稿文を載せている。豊中は「犠牲を問わぬ地上戦 国際秩序のため容認 正義はそこにあるのか」という副題で、ウクライナでの現実の地上戦での人々の犠牲を心の底から嘆いている。
 豊中はこの中で、ヨーロッパのシンクタンク、欧州外交評議会が 行ったヨーロッパ諸国10か国のウクライナの戦争に関する、極めて興味深い世論調査を引用している。
 それは、6月15日に公表されたもので、日本のメディアではNHKが報じている。NHKによれば、ロシア・ウクライナ戦争に関し、
「和平派」=「できるだけ早期に戦闘を停止し交渉を始めるべきで、戦争終了のためにはウクライナ側が多少の譲歩をするのもやむを得ない」と
「正義派」=「ロシアに侵略の代償を払わせ、ウクライナは国土を取り戻すべきで、戦闘の長期化や負傷者の増加もやむを得ない」
に分け、どちらに近いかを調査したものである。

 これで分かることは、ヨーロッパ10か国全体の世論は、「和平派」が35%と「正義派」22%を上回っていることであり、多くの国民は、「早期に戦闘を停止し交渉を始めるべき」だ望んでいることである。「正義派」が「和平派」を上回るのは、指導者レフ・ヴァウェンサ(ワレサ)で知られる「連帯」によって、旧ソ連体制に激しく抵抗し、ロシア嫌いが徹底しているポーランドだけである。

 人命より「正義」の西側政府
 ここで重要なのは、「正義派」は、上記の豊中の言葉を借りれば「犠牲を問わぬ地上戦」を「国際秩序のため容認」するというものであり、ゼレンスキーの徹底抗戦を支援し、大量の武器供給を行っている西側政府の方針を表していることである。その武器供給量は、その国の以前からのロシアとの抗争の大きさに比例し、アメリカが最大であり、その次が英国である。そしてそれは、少なくともヨーロッパ諸国においては、世論とは完全に異なっているということである。
 侵略者を撃退するために侵略された側に大量の武器を供給し、ウクライナを助けるのは、道義的に正しく、「正義」である。しかし、現実には、ロシア軍をウクライナ領土から完全に放逐するためには、ウクライナ人の膨大な数の人命(同様に膨大なロシア兵の人命も)が失われることになる。西側政府と主要メディアは、ウクライナ軍と米英軍事当局の「大本営発表」を鵜呑みにして流すが、その情報が真実だとしても、戦闘は一進一退を繰り返しており、ロシア軍がウクライナ領土から撤退する気配はまったくない。それを撃退するまで戦うとは、犠牲者は無限に増え続けるだけである。
 
「正義派」とリベラルの結びつき
 日本で、和田春樹などのロシア・東欧研究者が、「即時停戦の呼びかけ」を提唱した時に、それがロシア寄りとして「ロシアの撤退が先」という反発が一斉に上がった。その声は、概ね、右派からではなく、いわゆるリベラル派からである。リベラル派とは、厳密な定義などないが、重視する立場(自由は往々にして平等と対立する概念であるので、その対立がある時に、平等を優先するのが左派である。例を挙げれば、大資本、大金持ちの自由を規制し、平等なシステムを作れ、と左派は言う。)と言っていい。香港の北京政府による言論弾圧を非難するのも、このリベラルの立場からである。「ロシアの撤退が先」というのは、とりもなおさず、ロシアの侵攻が自由、民主主義、人権を破壊している、という思いからだと思われるが、「ロシアの撤退が先」とは、「撤退しないロシアを撃退すべきで、安易に停戦すべきではない」という論理になり、当然、ウクライナへの軍事支援強化を生む出す。
 この「正義派」とリベラルの結びつきは、日本だけではない。概ねリベラルな中道右派と中道左派のヨーロッパ各国政府が、反ロシアで一致しているのに対し、ハンガリーの反リベラルのオルバン右派政権が、対ロシアには融和的であるのは、その象徴的なものと言える。アメリカでも、常に武力行使を厭わないタカ派色の濃い共和党はもとより、バイデンの民主党主流派も停戦など眼中になく、ウクライナへの強力な武器供給を推し進めている。
 そしてこの「正義派」と結びつくリベラルな論理が、各国の軍事力増強を容認することに繋がっている。ロシア撃退のためのウクライナへの軍事支援は、それだけに止まらない。ウクライナへの軍事支援をしながら、自国の軍事力を強化しないことは、矛盾するからである。リベラルな国際秩序を破壊するロシアや中国の「悪い国」から自国の平和を守るための軍事力強化に反対できないのである。戦争に反対だと言いながらも、「悪い国」からの自国に対する侵略を抑止するための軍事力強化を黙認せざるを得ないのである。
 
 このリベラルと結びついた「正義派」の論理は、西側主要メディアの論調を支配している。それがNATOの強化、日本では米軍と一体化した軍事力のさらなる拡大を後押ししているのである。日本のメディアもこの論理で貫かれており、核軍縮は進めるべきとしながらも、通常兵器の軍拡はやむを得ないものとみなしている。
 実際、ウクライナへの軍事支援強化への対応は左派内部でも意見が割れており、ドイツSPDや英国労働党のように、中道左派は強化容認、元労働党首のジェルミー・コービンのような明白な左派は反対と、対応は様々となっている。

 終わらない戦争に、一般庶民の厭戦気分は増大する
 西側の経済制裁は、ロシアの侵略を辞めさせる効果は、今のところまったくない。確かに、ロシア国民を困窮させる効果はあるが、それが却ってロシア国民の対西側への憎悪を生み、結束させるという逆効果になっている。むしろ制裁は、それをしている側の生活困窮の方が大きくなっているのである。ヨーロッパ諸国の、燃料費を始め、著しい物価上昇は、庶民階層を激しく痛めつけている。上記の世論調査は、それを反映している。
 リベラルなどの思想的基盤が強くない一般庶民にとっては、終わらない戦争による自分たちの生活困窮や、現実にウクライナ・ロシア双方の多くの人びとの死の方が身近に感じられるからである。それが、世論調査に反映しているのである。そしてこの「できるだけ早期に戦闘を停止し交渉を始めるべきで、戦争終了のためにはウクライナ側が多少の譲歩をするのもやむを得ない」という厭戦気分は、ますます増大していくだろう。
 いずれにして、侵攻が始まって半年になる終わらない戦争への西側各国政府の対応は、増大する庶民の厭戦気分を無視できないものとなる。生活が困窮する傍ら、ウクライナへの軍事支援には、莫大な税金が投入されていることなども批判されるだろう。戦争さえ収まれば、それも済むのである。ロシア軍を撃退するまで戦争は継続すべき、という西側政府の方針は、遅くない時期に、方針転換を迫られるのは間違いない。
 
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ペロシの台湾訪問とバイデン政権の「専制主義との闘い」に隠された狙い

2022-08-10 10:40:42 | 社会

「アメリカは出ていけ」ペロシの訪問に反対する抗議者(台北、台湾8月2日AP通信)台湾では、「歓迎」が多数派だが、反対する人たちもいる。

緊張を高めるペロシの訪台
 8月2日夜、アメリカのナンシー・ペロシ下院議長が台湾を訪問した。中国の習近平が「火遊び」と表現したように、中国側からの再三にわたる警告があったにもかかわらずである。この行為に、東大東洋文化研究所佐藤亮准教授は「ペロシ氏の訪台で、米中関係は明らかに悪い方向に向かう。地域の安定を米国が壊しかねない」(朝日新聞8月4日)と評した。当然のことだが、アメリカ第3位の高官の訪台は、中国との緊張を高めるからである。
 アメリカの下院議長の訪台は、1997年にもニュート・ギングリッジが強行している。ギングリッチは共和党のタカ派政治家だったが、表敬訪問を受けた当時の国民党李登輝総統は「中華民国は主権が独立した民主国家だ。我々には独立を宣言する必要はない。我々は両岸が関係の安定を維持し、対話を再開し、平和的な方法で両岸問題を処理するよう希望している 」(台湾総統府のニュースリリース )と、緊張を緩和する姿勢を見せ、中国側もギングリッチが訪台前に北京を訪問していることから、公に大きく反発することはしなかった。
 今回の訪台と25年前との違いは、中国が台湾を「武力を用いても統一する」と言っていることは変わらないが、第一に、台湾の政権が独立志向の強い民進党であること、第二に、中国が今では世界第二の飛躍的な経済力と軍事力を有していることである。中国としては、台湾内独立派を鼓舞する行為は許し難いし、回避するのが最善だが、万が一米軍と衝突しても、アメリカ側にも多大な損害を与えることができ、少なくとも圧倒的な敗北を喫することはない、という見通しがある。このようなことから、25年前とは比べ物にならない危険性を伴う行為なのは明白である。
 この訪台には、アメリカ国内でも反対意見が多く、バイデンも「米軍は、良いアイディアではないと考えている」(報道複数)と述べ、 自身も賛成しない意向を明かしているほどだ。
 それでもペロシが訪台した理由を、共同通信客員論説委員の岡田充は、「個人の『歴史的評価』を追求した」と記した(8月4日)が、それは適切な見方と言える。かねてから、ナンシー・ペロシは、中国の人権状況を強く批判し、「自由民主主義」の台湾へのアメリアの支援を強化すべきと主張する中心人物であり、秋には下院議長の引退が予想されるからである。ペロシ個人の強固な意志の現れということである。
 そしてそこには、アメリカ民主党主流派全体の「自由民主主義を世界に広げるべき」という価値観が明らかに存在する。だから「自由民主主義」の台湾を「一党独裁」の中国から守り、支援するという主張が強く出されるのである。
 バイデン自身も「民主主義対専制主義」と世界を二分し、「専制主義」と戦う姿勢を明らかにしている。念頭に置いているのは、ロシア・中国の「専制主義」との闘いである。
 
ペロシの裏の目的
 しかし、この「専制主義との闘い」には、裏の目的が隠されている。それが分かる記事が毎日新聞に掲載されている。それには「米ペロシ下院議長『訪台に込めたもう一つの目的』とは」(8月6日)と題され、ペロシの「発言や行動を精査すると、『米国の半導体産業強化』というもう一つの目的が浮かび上がる」と記されている。「米下院は、(訪台直前に)半導体の製造や研究に527億ドルの補助金を投入する法案を可決 した」が、その戦略として半導体生産でトップクラスの台湾を取り込むというものである。手始めに、半導体受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)と密接な関係を築こうとしているということである。そして、「ペロシ氏の訪台はTSMCを取り込んで米国を中心とする半導体サプライチェーンを強化する狙いが込められていた」と文章を結んでいる。
 要するに、ペロシの目的は、台湾の「自由民主主義」を守るということとアメリカの経済的利益がセットになっているということである。そして、この掲げられた「自由民主主義」と経済的利益がセットになっているのは、ペロシの訪台だけではなく、アメリカの外交方針すべてにわたっているのである。
 
アメリカの弱体化を止めるためには
 近年、中国の台頭とともに、相対的にアメリカの弱体化は著しい。冷戦体制終焉後のアメリカは、市場を世界に開放しつつ,同時に金融や通商における規制緩和と自由化,そしてアメリカ的世界を世界に構築しようとした。 しかし、そのツケはアメリカの経常収支赤字の返済不可能なまでの膨張であり, 製造業は世界的競争力を失い、ますますドル基軸の資金循環と軍事力・金融・サービスに依存せざるを得なくなっている。
 この弱体化を止め、強いアメリカを取り戻すという目標は、トランプだけのものではなく、民主党のバイデンの課題でもあるのは明らかだ。そこで、トランプとは異なる方法として持ち出したのが、「専制主義との闘い」なのである。
 バイデンの「専制主義との闘い」は、「民主主義対専制主義」と世界を二分し、アメリカ一国だけでなく、その同盟国を巻き込んで、専制主義国、つまり中・ロと戦おうというものである。その戦いとは、戦争をできれば避けたいが、相手も強大な軍事力を持っている以上、戦争も辞さないという姿勢で臨むことである。そして仮に戦争になれば、アメリカは直接中・ロと衝突せずに、同盟国の代理戦争で済ませるということである。まさしくそれに、対ロシアでは、ウクライナ侵攻は、願ってもない好機となったのである。アメリカ兵の命を危険さにさらすことなく、ロシアの弱体化は長期にわたるだろうし、NATOは強化され、トランプがヨーロッパ諸国にしつこく要請していたの軍事費の増加、アメリカの軍事・ガス・穀物産業の輸出増による利益というそれまでの念願が、棚ぼたのように叶ったのである。それ以上に何にもまして重要な「利益」は、アメリカを筆頭とする西側は「正義」で、対抗するロシアは「絶対悪」と宣伝することができたことだろう。西側のマスメディアは、「正義」の西側の情報はすべて正しく、「絶対悪」のロシアの情報はすべてプロパガンダだと報道するようになっているのである。当然、バイデンは戦争の早期終結を望むはずはなく、フランスのマクロンやトルコのエルドアンとは正反対に、停戦交渉の仲介などは眼中になく、ひたすらウクライナへの軍事支援を増大させるだけである。ウクライナの穀物の貨物船輸送が再開されたが、アメリカは世界的食糧不足をロシアのせいと非難するだけで、輸送再開に外交努力した形跡がまったくないのも、その証左である。
 冷戦期の宿敵ロシアの弱体化は成功しつつあり、その次は、強大な競争相手の中国である。バイデンは、対ロシアと同様に、甚大な被害が予想される中国軍とアメリカ軍の直接衝突は避けたい。ペロシの訪台に賛成しなかったのも、その理由からだろう。しかし中国は弱体化させなければならない。それに最も適しているのが、「民主主義対専制主義」と世界を二分し、同盟国を巻き込むことである。
 それは第一に、インド太平洋経済枠組みのように、「民主主義」のブロックを構築し、中国の資本・物・サービスに加え、中国式経済システムの輸出を阻むことであるが、当然そこには、政治的経済的利益が衝突し、軍事衝突のリスクを孕む。アメリカが今でも世界最強の軍事力を持つのもそのリスクがあるからである。しかしその軍事衝突が、ロシア対ウクライナのように、できればアメリカの同盟国と中国の間で行われれば、アメリカ兵は無傷で済み、一石二鳥で中国を弱体化できる。今回のペロシの訪台にバイデンが賛成しなかった理由も、中国と直接衝突は避けたいという意向が働いていると考えられる。

中国脅威論
 日本でも、中国脅威論と台湾有事が切迫しているとの論調が拡散・浸透し続けている。それには、中国は「専制主義」だから危険だとする考えがあり、バイデンの「民主主義対専制主義」の枠組みを強調する目論見は、成功していると言える。
 もともと「一つの中国」論は、アメリカも公には認めていることであり、武力統一も否定しないのは、今に始まったことではない。今起きているのは、「一つの中国」論を否定するアメリカ側の近年の変化である。武力統一を否定しないのは、中国共産党の中国統一の歴史的方針であり、一種の建前であり、中国共産党指導者はそれを否定することはできない。2019年1月2日、習近平は「平和統一を目指すのが基本だ」とし、武力行使は避けたいが、「外部の干渉や台湾独立勢力に対して武力行使を放棄することはしない。必要な選択肢は留保する」と言明している。武力行使は、中国・台湾双方に甚大な損害を与え、台湾側の抵抗を想定すれば、とてつもなく大規模な部隊を台湾に派遣しなければ、占領・支配の維持は不可能なのは、実利を重視する、習近平も他の6人の中国共産党政治局常務委員も理解しないはずはない。それは、台湾一島のために、中国共産党の中国全土の支配を揺るがせかねず、中国共産党にとっての自殺行為に等しい。
 また、中国の政策決定システムは、プーチン個人独裁であり、政党政治が事実上行われていないロシアとは大きく異なり、重要な決定は、習近平を含む中国共産党の7人の政治局常務委員の一定の賛同を得なけれならず、さらに他の25人の政治局員も説得し、政治局員も約200人の中央委員から選出されることから、約200人の中央委員の意向も完全に無視することはできない。習近平が総書記に留まる見通しがあるとはいえ、この党のシステムは、毛沢東の個人独裁と政治局書記長に絶大な権力を与えていたソ連共産党の壊滅から学んだものであり、習近平一人が容易に覆せるものではない。このような状況で、台湾有事の切迫を煽るのは、「民主主義対専制主義」と対立を強調するアメリカ主導の目論見が強く影響しているのである。
 
 中国軍との衝突が避けられなければ、アメリカにとっては、アメリ自身ではなく、同盟国が衝突するのが望ましい。当然、その第一候補は日本である。日本の軍事力は、既に世界第5位の実力を持ち、東アジアでは、中国に次ぐ。さらに自公政権は軍事力の拡大を続けている。今回のペロシ訪台後、韓国尹錫悦大統領は、中国との関係を考慮してペロシとの直接会談を避けたが、日本の岸田文雄は円満の笑みで直接会談に臨んだ。このことが象徴しているように、日本政府は、外交では、言わば「アメリカファースト」であり、アメリカとの友好がすべてに優先するのである。これらのことから、バイデンにとっては、日本が中国弱体化の一つの駒であるのは間違いない。
 
 アメリカの「力による現状変更」と批判するが、中国にとっての「現状」は、ますます「増大しつつある国力」なのである。確かに、中国の軍事力増大は著しく、インドと領土問題で小規模とはいえ軍事衝突を度々おこしているように、危険性がないとは言えない。しかし、今のままで国力は充分増大するのであり、全面戦争へ繋がるほどの無謀な武力行使を選択するのは自滅を意味する。むしろ、今のままで衰退しつつあるのは、アメリカの方なのである。この衰退を食い止めるために、全面戦争へのリスクを伴うとしても「無謀な行為」を選択せざるを得ないのは、アメリカの方なのである。
 
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