夏原 想の少数異見 ーすべてを疑えー

混迷する世界で「真実はこの一点にあるとまでは断定できないが、おぼろげながらこの辺にありそうだ」を自分自身の言葉で追求する

ロシアの進攻から2年 欧米は永久戦争への陣太鼓を打ち鳴らす

2024-02-26 16:12:26 | 社会

ロシア軍の攻勢に必死で抵抗するウクライナ兵(AP通信)

 2022年年2月24日、ロシア軍は「特別軍事作戦」と称して、突然、ウクライナへ軍事侵攻を開始した。そしてこの戦争は、ウクライナ軍の反転攻勢が失敗に終わり、ロシア軍が僅かな攻勢を見せているが、全体としては、戦線は膠着状態になったまま、終わる気配はない。
 
1.西側の戦争継続の論理
 アメリカを筆頭に、NATO諸国はウクライナへの軍事支援を、今後も継続する意思を表明している。
 アメリカに限れば、バイデン後の大統領になる可能性が高いトランプは軍事支援を縮小する意向を示しているが、共和党はもともと外交問題は軍事力で解決するという志向のネオコンの影響が強いタカ派である(共和党議員には、米軍は大部隊をウクライナに派兵し、一気にロシア軍を壊滅させるべきと主張する者も多い)。「何をしでかすか、分からない」トランプだが、「軍事支援を縮小」は単なる脅しであるとも考えらる。それは、トランプがNATO加盟国の一つに、「カネを払わなけれ、米軍は貴国を守らない」と言ったことでも容易に想像できる。実際は、トランプは、「そのように脅したら言うことを効いた」と自慢したのである。恐らは、アメリカが軍事支援をやめれば、ウクライナは戦争を継続できないので、全体を敵に回しかねない選択をトランプはとらないだろう。結局、軍事支援をやめることはできないのである。

 西側は、現状での停戦を否定し、戦争の継続を主張しているが、その論理は二つに絞られる。一つ目は、停戦しても、ロシアの侵略の意図は変わらず、今後も侵略行為をやめることはない、というものだ。
 これは、戦争の勃発後、2022年2月から3月にかけて、和平交渉が行われたたが、米英が反対し、決裂した。このことは、英国首相ボリス・ジョンソンが4月9日突然キーウを訪問し、停戦はロシア軍増強の時間稼ぎになるだけだと、停戦反対の意向をゼレンスキーに伝えたことは、西側メディアも認めている。それ以降も西側は、停戦に反対してきたし、現在も同様である。交渉決裂後、ゼレンスキーも西側政府首脳も、一貫してウクライナの勝利まで戦争を継続する意思を明確にしている。
 二つ目は、ウクライナの勝利まで戦争の継続は、「自由で開かれた」「民主主義」を権威主義から守るためというものである。ロシアが勝利すれば、その後も「自由民主主義国」を侵略することをやめることはない、という認識である。それ故、特にヨーロッパ諸国は、軍備の拡張に乗り出しているのである。バイデンが「民主主義サミット」を2021年に開催したが、その目的に「自由民主主義国」が結束し、「海外の独裁国家に立ち向かう」ことを挙げたが、そのことも対ロシア戦争の継続理由に完全に当てはまる。
 そして、ロシアを敗北させるために、今まで以上に、大量の砲弾とともに、最新鋭戦闘機や長距離ミサイルを含む、強力な軍事支援をウクライナに与える、というものである。

 この二つの論理は、欧米とその軍事・経済同盟国、即ち西側の政府と主要マスメディアの完全に共通した主張である。同盟国には、日本、韓国、オーストラリアなどと並び、イスラエルも含む。欧米がイスラエルのパレスチナ人虐殺に繋がる「イスラエルの自衛権」を前面支持するのは、(パレスチナ人の自衛権などまったく認めないことも)イスラエルがアラブ世界に接した西側だからである。そして、西側の一員の日本も、政府も主要マスメディアも、この二つの論理を主張し続けていることは、軍事侵攻開始日の2月24日に掲げた全国紙すべての社説がロシア侵攻に関しては、首尾一貫して同一であることからも裏付けられる。
 
2.実現不可能な「ウクライナの勝利」と論理矛盾
 アメリカ国務省は「クライナの勝利とは同国領土からロシアを完全に追放することを意味する 」(2月17日、アメリカ国務省パテル副報道官 )としている。概ね、当のゼレンスキーも、他の西側政府も主要マスメディアも同様の主張をしている。
 しかし、この「ウクライナの勝利」は、西側の戦争継続の論理に完全に矛盾している。「ウクライナ領土からロシアを完全に追放」しても、それが、ロシアの侵略志向を焼失させることにならないからだ。「ロシアを完全に追放」しても、その後は、ロシアは侵略してこないという理由には、まったくならず、西側の論理によれば、ロシアは軍備を増強して、その後も侵略行為を続けるのである。停戦が実現する可能性があった時、そのことをボリス・ジョンソンが、ゼレンスキーに告げたのだ。そうであれば、ロシア軍がロシア領土内に戻ったとしても、権威主義のロシアが変わらなければ、何度でも侵攻してくる理屈になる。そもそもそれが、西側が停戦に反対する理由だったはずだ。


 もし、西側の言うようにロシアの侵略から「自由民主主義国」を守るというのなら、ロシアの侵略する意図と軍事能力を破壊しなければならないのは、誰が考えても分かることだろう。また、ロシアが国際法に違反し、ウクライナ領土を侵略している以上、国際法違反でプーチン等を処罰するというのなら、ロシアを軍事占領し、ロシアの国家権力を停止し、西側政府が支援する国際機関が権力行使できる状況を作らなければならない。そのためには、第二次世界大戦のドイツと日本を壊滅状態にし、占領して政権を転覆させたことと同様なことを、ロシアに実行しなければならない。例えプーチンを失脚させても、メドベージェフの発言を見れば分かるように、プーチン以上にロシア民族主義に固執し、強硬な有力者が山ほどいるのが、ロシアなのである。ロシアの国家機能を壊滅状態にする以外に、西側が描く「権威主義」政権の侵略意図と能力を砕くことは不可能である。
 ロシアは国家壊滅の危機になれば、核兵器使用に踏み切るだろう。そのための兵器なのである。その時は、アメリカもヨーロッパ諸国も壊滅する。そして、人類の生存も危うくなる。
  現代戦で言えば、アメリカがイラクを攻撃し、フセイン政権を打倒したが、これはイラク軍がアメリカ軍と比べれば、圧倒的に弱体だったことによる。イラクの大量破壊兵器の保有を口実にアメリカは戦争を始めたが、大量破壊兵器がなかったからこそ、攻撃が可能だったのだ。もし、イラクがそれを保有していれば、フセインは、アメリカ本土までは攻撃できないので、アメリカの同盟国であるイスラエルに甚大な被害を与えかねない。それを考慮すれば、戦争はできなかったのであり、「大量破壊兵器の保有」という口実は、極めて矛盾している。いずれにしても、ロシア軍はイラク軍と比較ができないほど、強大である。
 これらのことを考えれば、戦争継続によって、プーチン政権の侵略意図と能力を砕くことなどできないのは明白である。
 
 西側政府も主要マスメディアも、ウクライナへの強力な軍事支援でロシアを打ち負かせ、と言うばかりで、具体的にどうやって、ロシアの侵略的な「権威主義」体制を変更さるのかは、決して言わない。それは「言わない」のでなく、明らかに実行不可能なので「言えない」のである。言えば、バカバカしさが露顕するからである。

3.西側に賛同するのは、西側だけ。世界では少数派。
 南ア政府は、イスラエルをガザ住民に対するジェノサイドで、国際司法裁判所(ICJ)に告発した。それに対し、アメリカ政府とアメリカ主要メディアはは、ジェノサイドを厳密に捉えれば、イスラエルの行為をジェノサイド と言えないと、イスラエルの擁護に懸命である。また、2月20日の国連安保理での即時停戦・人道支援の強化の決議案に、またもやアメリカは拒否権を行使し、英国は棄権した。これらのことは米英が、グローバル・サウスを中心とした世界で圧倒的多数を占める国々から、完全に孤立しているこを際立たせた。
 
 西側は、「自由民主主義国の結束と権威主義国との闘い」を御旗に掲げるが、西側の言う「自由民主主義国」とは、西側自体が認めているとおり、欧米、その同盟国と南米ぐらいで、世界的規模では、少数の国である。南米は、過去には「アメリカの裏庭」と言われたように、軍事独裁国も含めたアメリカの言いなりの親米国ばかりだったが、近年、続々と左派政権が誕生し、西側から見れば、キューバやベネズエラなど「権威主義国」も含めて、多くの国は親欧米ではない。
 ロシアに対する経済制裁が、ロシア経済を弱体化させることができない大きな理由の一つが、例えば、インドは侵攻以前よりロシア産原油輸入量を増やしていることから分かるように、西側に同調する国が少ないからである。
 グローバル・サウスを中心とした世界で圧倒的多数を占める国々は、イスラエルのパレスチナ人への大量殺戮に対してとったイスラエル擁護の西側の姿勢から、西側の二重基準を完全に見抜いている。とどのつまり、西側の掲げる「権威主義国との闘い」は、換言すれば、西側を除く全世界との闘いのようなものである。
 
4.現実のウクライナ軍の劣勢,国民の甚大な被害
 最近、西側主要マスメディアに、「西側はロシアの軍事力を見誤っていた」という評論が多数掲載されている。当初、経済制裁し、軍事力で勝る西側が支援すれば、ロシアを打ち負かせると確信していたが、ロシア経済は破綻せず、西側の予想を遥かに上回る武器弾薬製造能力を持っていた、ということである。また、ウクライナ軍が、攻撃から防御へと戦略変更に迫られたという記事も、西側マスメディアで目立つが、そのことも現実には、ロシア軍は予想以上に強力だったいうことと符合している。
 攻撃から防御への転換は、西側軍事部門の提言でもあり、そうすれば、膠着状態の戦場では確かに、ウクライナ軍の損害は減少する。敵に向かって突進することが、敵からの集中攻撃を招くからである。特に兵員不足と砲弾不足に悩むウクライナ軍としては、適正な選択と言える。
 しかし、ひたすら防御に徹し、ロシア軍の疲弊を待つという戦略なのだが、その間にも、ロシアからのミサイル攻撃などは続き、ウクライナ国民の生命、生活、経済は甚大な被害を被ることになる。ゼレンスキーは、2月25日に、ウクライナ兵の死者数は31000人とし、反転攻勢の「計画はある」と言ったが、これは多分に欧米からの支援継続を訴える目的の発言で、死者数はもっと多いだろうし(ニューヨーク・タイムズは2023年8月に7万人と報道した。)、反転攻勢の「計画がない」とは言えないからだ。現実には、仮に、欧米からの軍事支援がゼレンスキーの希望どおり行われたとしても、兵員不足は解消のしようがない。解任された元司令官のザルジニーは、2023年11月に、「エコノミスト」と「タイムズ」のインタビューでも、戦線が膠着状態に陥り、ロシア有利になったと素直に告げ、西側からのさらなる強力な兵器支援を求めると同時に、ウクライナの兵員不足を嘆いた。大量の兵器があったとしても、それを使いこなす人間が不足していれば、役に立たないのは、明らかである。
 
5.ロシアをいくら非難しても問題は解消しない
 国連のグレーテス事務総長は、2月23日ロシアが「国連憲章を軽蔑していることが問題」と述べた。確かに、問題の発端は、国連憲章違反のロシアの侵略にある。例え、侵攻の理由の一つが、NATOの東方拡大があり、 それがロシアにとっては脅威だとしても、軍事侵攻という選択は、ロシア・ウクライナ双方に甚大な被害をもたらし、かつ、NATOの脅威を減らすどころか、高めるだけだからだ。
 しかし、1億回ロシアを非難したところで、問題の解決からは、ほど遠い。多くの西側の左派も、実際には、「だんまり」を決め込み、どうすべきかは、言わない。
 「平和勢力」を自認しているはずの日本共産党幹部会議長の志位和夫も、「ロシアがあれだけ侵略している状況のなかで『即時停戦』を主張するわけにはいかない」(あかはた2月25日)と言う。 そして「『国連憲章守れ』の一点で、全世界がロシアの蛮行を包囲することが必要」(同)と続けた。しかし、「全世界がロシアの蛮行を包囲する」とは、具体的にはさっぱり分からないし、「『即時停戦』を主張するわけにはいかない」とは、現状の戦争継続を意味する。戦争継続とは、武力によってロシアの侵略を追い返すことであり、当然ウクライナ軍への支援であり、ロシアの「蛮行」を止めるために、ゼレンスキーが最も求めている軍事支援を行うべきだ、という西側政府の論理に繋がるのは明らかである。当然、日本もウクライナへ軍事支援を行うべきだ、と主張するのが、論理的に整合性がある。それができないのは、憲法が禁止しているからというのなら、憲法を変えるべき、という理屈になってしまう。「国連憲章を守れ」と1億回叫んだところで、ロシアは「分かりました」とは言わないのである。
 国連憲章違反の行為は、ロシアだけではない。アメリカの国連無視も甚だしいし、国際法で言う「領土一体の原則」を破ったのは、セルビアの自治州だったコソボを、セルビア空爆までして武力によって独立させたNATO諸国も同罪と言わねばならない。イスラエル同様に、親西側の国際法違反は支援し、反西側の行為は非難する。現実世界には、こういった二重基準に満ちあふれているのである。

6.欧米は永久戦争への陣太鼓を打ち鳴らす
 ルモンド・ディプロマティーク(英語版)は、2023年3月号に「戦争のチアリーダーとしての西側メディア」と題する記事を掲載した。
 記事は「西側ジャーナリストらは、ロシアと(和平への)交渉することはロシアの侵略を許すことに等しい、という点でほぼ一致している 」と言う。BBC、ル・モンド、ガーディアン、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストに至るまで、ほぼすべての欧米マスメディアが、「政治の世界に押し付けるワンマンシップの論理に取り憑かれて、西側諸国の対ロシア戦争への漸進的な参戦を共同演出している」とも言う。「ワンマンシップの論理」とは、「民主主義、個人の自由、人権、法の支配という我々が共有する価値観 」であるが、しかし、それはあくまでも、何が民主主義か、何が自由、人権、法なのかを、欧米が決めた「価値観」ということである。世界で何が正しいのか決めるのは、欧米なのである。したがって、西側の武力行使に基づくコソボの独立も、法の範囲内なのである。

 さらに付け加われば、「自由で開かれた」とは、実質的には、欧米資本に「自由で開かれた」という意味である。それは、欧米が「権威主義」と言って非難する国は、政治的に国営企業やその国の国内資本保護障壁によって、欧米資本が自由に活動できない国々である。逆に、サウジアラビアのように国政議会も政党もない中世的君主国家は、欧米資本が自由に活動できるので、軍事支援も行い、その政治体制を非難することはない。「自由民主主義」を高く掲げたとしても、その内実は、資本活動の自由と強化を目指す、新自由主義の先兵なのである。

 
 西側はウクライナ「自由で開かれた」「民主主義」のために、「権威主義国」と戦うと言うが、それが対ロシアの場合は、戦争を意味している。「権威主義国」には、ロシア以上に強権で「一党独裁」の中国が並ぶ。NATOは、対中国を念頭にアジア支局を開設しようとしているし、アメリカも台湾問題もからみ、アジア地域の軍事力を強化している。「戦う」が戦争を意味するなら、次の戦争は、西側対中国に移行する。現在の戦争を止めなければ、次の戦争も止められない。戦争には、「即時停戦」を主張する以外に、平和主義者の選択すべき手段はない。

 大石内蔵助は、「吉良上野介の首を取れ」と山鹿流陣太鼓を打ち鳴らしたが、欧米政府と主要メディアは「プーチンの首を取れ」と、永久戦争への陣太鼓を打ち鳴らすのである。そして、「プーチンの首」は、「習近平の首」に取って代わる日も遠くはない。
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自民党には、なぜ「裏金」が必要なのか?

2024-02-20 08:47:55 | 社会
東京新聞「政治とカネ考」より

 自民党「裏金」問題が、マスメディアを騒がせている。「裏金」とは、自民党内の派閥がカネ集めのために政治資金パーティー を開催し、政治資金収支報告書 に、一部の収入を不記載または過少申告したカネのことである。自分たちが作成した法令である政治資金規正法に、違反、または抜け穴を利用して、カネを集めたことになるので、それに対する怒りは、至極当然である。その発端は、総務省は毎年、各政党・政治団体の政治資金収支報告書を公開するが、その派閥のパーティ収入と支出の間に大きなギャップがあることに疑念を抱いた日本共産党の機関紙あかはた編集部と神戸学院大学の上脇博之教授が、「派閥の政治資金収支報告書がパーティー券の大口購入者名を記載していないものが、……約2500万円」(あかはた2024.2.9)もあったことを突き止め、2022年11月6日の日曜版でスクープし、同時に上脇博之教授が刑事告発した(不起訴となったが)ことから始まっている。それが2年もたって、2023年11月にマスメディアも、ようやく報道し始めたことから、現在の大騒ぎとなったのである。

1.そもそも自民党のカネはどのぐらいあるのか?
 総務省が毎年報告する政党の政治資金の収入は、2022年の自民党は248億円で、その内約7割が政党交付金で、3割が企業・団体・個人の献金である。
 この流れについては、政治資金規正法 により、政治資金は公表が義務付けられている。それを分かりやすく表にしたものが、会社四季報オンラインに掲載されている。
「『自民党への献金が多い』業界・宗教団体など最新14団体」
 これには「日本医師連盟」「自由社会を守る国民会議」「日本自動車工業会」「日本鉄鋼連盟」などと続く。言葉を換えれば、医師・薬剤師等の利益確保のための政治団体、業界団体、イデオロギー上の自民党支持者が並び、さらに宗教関連団体の名も掲載されている。
 さらに、「業界団体」の中の企業名で言えば、次のようなものである。
「最新版『自民党への献金額が大きい上場企業』トップ26社」が、それである。
 これを見ると、一目瞭然なのだが、「住友化学」「トヨタ自動車」「日立製作所」「キャノン」「日産自動車」「野村HLD」といったほとんどが日本を代表する大企業である。
 これらに付け足せば、「政治資金収支報告書」には、個人名も記載されており、この個人らは純粋に熱心な自民党支持者ということだろう。 
 
そして、今問題されているのが、政治資金パーティーだが、その支出者は、以下のような団体である。
「『自民党・派閥パーティー』へ100万円以上支払った団体一覧」である。
 これは、「2023年11月24日に総務省が開示した政治資金収支報告書から、自由民主党(自民党)の主要6派閥の政治資金パーティーへ100万円以上の支払いを行った団体を集計した」ものであり、 そこには、「ニトリHLD」から始まるが、「渡辺建設 」など、さほど有名ではない地方企業や、「日本医師連盟」「 日本薬剤師連盟 」が名を連ねている。自民党6派閥の収入の内、8割が派閥パーティー収入である(読売新聞2023.11/23)。
 これを見れば一目瞭然なのだが、自民党への献金は、圧倒的に企業からのものが多いことが分かる。
 しかし、これだけでは自民党は、カネが足りないのである。そこで、「政治資金規正法に、違反、または抜け穴を利用して」集めたカネが「裏金」である。

2.自民党には、なぜ「裏金」が必要なのか?
 「裏金」の集め方は、多くのマスメディアで報じられているので、ここでは割愛する。問題は、自民党だけが、150億円もの政党交付金や適法の献金だけのカネでは足りず、「裏金」が必要なのか、である。
 それはひと言で言えば、自民党は、イデオロギーだけでなく、役得を求めて集まっている集団だからである。この「役得」にカネがいるのである。

 自民党の党員数は、2022年で約110万人だと公表している。これは、公明党45万人、日本共産党26万人、立憲民主党党員・党友10万人と比べると、著しく多い。さらには、数十年前の最盛期1991年には540万人もいたというのである。2012年には73万人に激減し、それが党員獲得の「努力」で、現在のおよそ110万人程度に回復したということである。
 一般に政党の党員数が激減するのは、解党や再編成があった時ぐらいで、通常は起こりえない。一時期、与党を滑り落ちたとはいえ、それがいつの間にか、8割減となるのは異常である。これはつまり、もともとの数字がおかしいと考えるのが、最も妥当性のある説明だろう。
 
 上記の日経新聞によれば、自民党の党員は3割が職域党員であり、それは「日本医師連盟」等の医療、飲食業等の商工、建設といった業界団体の関係者ということである。それ以外が一般党員ということになる。
 自民党は中央で与党であり、地方でもほとんどの場合、与党であり、権力機構を構成している。それも長期にわたっているので、一般党員といっても、その多くが、権力に寄り添えば、「得をする」という動機から入党すると考えらえるが、それは極めて自然なことである。「寄らば大樹の陰」である。年間党費4000円を払えば、「大樹の陰」に入れるのである。
 要するに、職域党員も一般党員も、自民党の政治的信条に共鳴し、入党するというよりも、損得勘定で入党する方が多いのである。
 損得勘定ならば、軽い気持ちで入党し、大して得ではないと分かれば、離党する。それが、数字の上で、党員数が激減する第一の理由だろう。

 それに自民党国会議員には、党員獲得のノルマが課され、獲得数が多ければ、比例代表上位に位置づけられ、ノルマ未達成ならば、罰金を徴収される。当然、党員獲得に必死になり、党費4000円を立て替えても、名前を記入すれば、獲得したことになる。いわゆる「幽霊党員」である。「幽霊」は「幽霊」であり、いつ消えてもおかしくない。そもそもの党員数に水増しがあり、それが見た目の党員数激減の第二の理由だと考えれば、誰でも納得するはずだ。

3.自民党にいることの「役得」
 自民党後援会に入れば、「役得」がある。その最大のものは、自民党という与党議員を支援すれば、行政は自分たちの利益のための政策を実践し、多くの見返りが予想できる、というものだ。ひょとしたら、役人と結託している与党議員から、「得をする」情報も、手にはいるかもしれない。「地域開発に関する入札の「予定価格」が分かれば、これ以上いいことはない」という具合である。誰しも、そう期待する。だから、企業も商工団体も医療団体も献金や選挙支援をするのである。誰も、自分たちの利益が予想できなければ、そのようなことはしない。
 
 この「役得」の中には、かなり「せこい」ものもある。しかし、この「せこい」ものが、集票力に大きく影響する。その典型例が安倍晋三後援会主催の「桜を見る会」前夜祭である。参加者は会費5000円で、1万円以上の飲食を味わうことができたからである。それも、会場のホテルは日本では一、二の高級ホテルのニューオータニである。その差額が、自民党側の負担になるのは言うまでもない。
 このような後援会員に対する接待は、数多く行われる。国会見学会などは、その参加者によれば、有力者議員の力で、通常禁止されている施設も特別許可を取得し、閲覧させる。国会衛視は、有力議員がいるので、最敬礼である。参加者の後援会員にとっては、この上ない「役得」である。勿論、後援会員だけでなく、町内会員、商店会員等を勧誘するのも常である。参加者は、僅かな会費で、「いい思い」をして帰るのである。

 これら以外にも、自治体関連や業界関連の新年の会合から始まって、さまざま会合に議員は顔を出す。議員には野党も一部いるのだが、ほとんどは自民党である。会合は必ず飲食を伴うので、自らの会費以上にカネを包むことになる。
 さらに、もともと議員自身も「役得」を期待して政権与党にいるので、自分もたまには「いい思い」をしたくなる。自民党女性議員が党の予算で欧州見物をし、エッフェル塔前で、はしゃいだ姿が顰蹙を買ったが、これもその例である。さらに、「政策活動費」で、私的な飲食、私物の購入しても、「ばれる」ことはない。
 
 こういったカネはいくらあっても足りないし、当然のことながら、そのカネは適法の範囲では処理できない。したがって、当然のように、「裏金」づくりに知恵を絞るのである。
 
 このような政党が、現代でも生き残っているのが、不思議である。
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欧米主要メディアの偏向 「CNNスタッフによる自局のイスラエル寄り批判」

2024-02-14 11:18:06 | 社会
 2024年2月4日、英紙ガーディアンは、「CNNスタッフが、自局の親イスラエル報道を『ジャーナリズムの不正行為』と批判した」と報じた。
  CNNのネットワークスタッフによれば、CNNは、「戦争が始まって以来のニュースの大部分は、ネットワーク内のイスラエルに対する組織的・組織的な偏見によって歪められてきた」、それは「 CNNの報道はジャーナリズムの不正行為に相当する」というのである。
 その「偏見」ぶりは、「イスラエル政府の声明を額面どおりに受け取る一方で、ハマスの引用や他のパレスチナ人の視点を報道することに対する厳しい制限が含まれている。さらに、紛争に関するすべての記事は、放送または出版前にエルサレム支局によって承認されねばならない。 」「イスラエル側の被害と、ハマスとそのトンネルの捜索としてのイスラエルの戦争の物語に重点が置かれ、イスラエルのガザの破壊によるパレスチナ民間人の死者数の規模には十分な焦点が当てられない。」「ガザ保健省による死傷者数への言及は『ハマス支配下』と必ず前置きし、世界保健機関や他の国際機関が発表したにもかかわらず、数千人の子どもの死亡報告は信頼できないことを暗示している。 」結局「イスラエルが何をしようと、最終的にはハマスに責任がある 」と視聴者に思わせるように報道されているというのである。

 このような「報道のトーンは、10月7日のハマス攻撃の2日後に就任した新編集長兼CEOのマーク・トンプソンによって」なされているという。それは「天上からの勅命Edicts from on high」のような「報道指針」があり、そこには「 我々は常に視聴者にこの現在の紛争の直接の原因であるハマスの攻撃と大量殺人、そして民間人の誘拐を視聴者に思い起こさせ続けなければならない」と記されており、すべてこの方針で報道するように支持されている、というのである。これらのことは、まさに、CNNがイスラエル政府のプロパガンダ機関になっていることを示している。

マスメディアは、国際問題では自国政府の「応援部隊」になる 
 この報道トーンの「イスラエル寄り」は、アメリカバイデン政権の方針とまったく同一であることに誰でも気づく。また、このCNNスタッフの自局批判は英国のガーディアンに寄稿したもので、なぜ、ニューヨーク・タイムズなど自国アメリカのメディアに寄稿しなかったのか疑問も湧く。しかしそれは、考えればすぐに理解できる。勿論、トランプ寄りで100%親イスラエルのFOXニュースとは異なるが、ニューヨーク・タイムズもワシントン・ポストも、多かれ少なかれイスラエル寄りだからである。アムネスティインターナショナルもヒューマンライツウオッチも、10月のハマスによる攻撃以前に、イスラエルのパレスチナ統治をアパルトヘイトとしているが、この両紙は現在の戦争に際し、そのことなど言及したことがないことでも分かる。CNN同様にイスラエル寄りのメディアに、それに対する批判を寄稿しても、相手にされるはずはないからである。

 EUのフォンデアライエン委員長が、ハマスによる殺害非難して、イスラエルの「自衛権」を全面支持したことでも明らかなように、欧州諸国も程度の差はあれ「イスラエル寄り」である。ご多分に漏れず、多くの欧州主要メディアも自国政府に合わせイスラエル寄りである。その中でも、ガーディアンは、パレスチナ人への大虐殺を詳しく報じ、それを非難する意見を多数掲載するなど、公平さと倫理的正義を保っている。だから、CNNスタッフは、ガーディアンに寄稿したのである。

 マスメディアは、SNSと異なり、誤報を除けば「嘘」は記事にしない。CNNの報道も「嘘」はないだろう。しかしそれでも、報道トーン、論調は、極めて政治的な「偏向」は見られる。一つ一つは嘘ではないが、報道している全体像は「真実からほど遠い」報道をするのである。イスラエル対パレスチナで言えば、ハマスの虐殺を極めて厳しい口調で詳述し、大量に流し続ける(ハマスが赤ん坊を斬首したという伝聞をバイデンは公言したが、後に嘘だと分かり撤回した。CNNやFOXはその後も暫く、「ハマスの斬首」を流し続けた。)。ガザの惨状には、量的にも少なく、使用する言葉も単なる「攻撃」と言い、「虐殺」などという言葉は決して使わない。勿論、イスラエルのパレスチナ人に対する数十年にわたるアパルトヘイトとも言える抑圧体制に言及するするのは、ごく稀に報じるだけ。このような報道トーンに、イスラエルに軍事支援を続け、口先で「人道」と言う現最高権力者のバイデンは満足するだろう。しかし、真実の戦争の全体像からはほど遠い報道なのである。

 この欧米主要メディアの報道ぶりは、イスラエル対パレスチナ問題だけではない。対中国・ロシア・イラン、その他欧米と敵対する諸国に対しても、自国の政権が「満足」する報道トーンで溢れている。例を挙げれば、欧米の「自由民主主義」から言えば、サウジアラビアなど湾岸諸国もベトナムも、中国、北朝鮮同様に「自由民主主義」などない。しかし、それらの国の「非民主主義」的体制についてはほとんど報道されない。そこには、欧米政府がそれらの国との友好関係を深めたいという事情が隠れている。
 結局のところ、マスメディアは、国際問題では自国政府の「応援部隊」になる、のである。それが、「CNNスタッフによる自局のイスラエル寄り批判」で、誰の目にも明らかに露呈したのである。

 ひるがえって、日本の主要メディアが、欧米よりも、もっとひどい「偏向」ぶりなのは、言うまでもない。
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2024年 アメリカの内乱と没落(2)

2024-02-03 16:28:19 | 社会


再度のトランプ権威主義政権
 英紙ガーディアンのインタビューで、前回大統領選民主党候補として善戦した左派のバーニー・サンダースは、トランプが再度大統領になれば「それは民主主義の終わりだ」と言う。‘It will be the end of democracy’: Bernie Sanders on what happens if Trump wins – and how to stop him
「彼には個人的な恨みがたくさんあり、4度の起訴を経験し屈辱を味わった。それを、敵にそれをぶつけるつもりだ。」「彼は民主主義を着実に弱体化させ、若者や有色人種の投票を困難にし、政治的反対勢力を弱体化させ、少数派や移民に対する怒りを煽ることになるだろう。 」
 
 トランプは米国第一主義を掲げるが、それは大型法人減税や規制緩和による企業優遇策であり、TPPから離脱、NAFTA(北米自由貿易協定)を改訂して、アメリカに有利な USMCA(アメリカ・メキシコ・カナダ協定)などに示されているように保護貿易主義を推進する通商政策で衰退した産業の繁栄を目指すというものだ。それに、アメリカナショナリズム的発想から強硬な移民排除の政策が付け加わる。
 また、トランプは「力による平和」を掲げており、同盟国の軍事費増大を要求するだけでなく、アメリカ自身もミサイル防衛網強化など、軍事力増強を目指している。当然、それは軍事産業の利益を増大させる。
 問題は、その政策をポピュリズムを駆使し、強硬に推進しようとすることである。例えばそれは、政権から独立した組織である中央銀行に露骨に介入し、米連邦準備制度理事会(FRB)の前イエレン議長の政策運営に不満を持ち、再任せず、2018年に現在のパウエル議長を指名したことでも明らかである。しかも、そのパウエル議長に対しても大幅な金融緩和の実施を要請し、圧力を強めていったのである。
 そして再登場のトランプ政権は、怒り狂ったように抵抗する連邦職員を排除し、超法規的手法でますます強権的に政策を推し進めるだろう。まさに、サンダースの言うように「民主主義の終わり」である。

対抗する側の反撃、そして内乱へ
 2017年から2020年のトランプ政権で、経済はトランプが言うほどは好転しなかった。経済成長率では、オバマ政権で2.5%、コロナ前のトランプ政権で3%ほどである。現実のトランプを支持する白人労働者層の生活はまったく向上していないのである。
 それはトランプが再度登場しても同じことだ。この経済が好転しない理由を、民主党が半分程度議席がある議会や連邦機関のせいだと、トランプは以前よりまして大声で叫ぶだろう。それに呼応してトランプ支持者は、再度議事堂を襲撃するかもしれない。司法がそれを糾弾すれば、裁判所も襲撃するだろう。連邦機関も襲撃の対象とするかもしれない。
 取り締まる側の警察にもトランプ支持者がいて、彼らが有利になるような行動をとった疑惑が、前回の襲撃事件でも指摘されている。要するに治安部隊にもトランプ支持者がいて、そこでも分断があり、内部対立が起こることが予想される。
 
 アメリカにも極右や極左集団は存在する。極右はトランプ支持者に大勢いるが、極左は「アンティ・ファ」、つまりファシストと見なす勢力に実力で対抗しようとする集団が存在する。「実力」とは、通常は対立するデモ隊どおしの衝突なのだが、銃保持者がそこらじゅうにいるアメリカでは、デモ隊間で銃撃戦もあり得る。それは極左・極左間にとどまらず、トランプ派と反トランプ派で衝突は起きる。
 アメリカの庶民階層の経済的困窮はます一方だが、それを救済する役目の社会福祉も、トランプ政権の「オバマケア」の撤廃などで見られるように全般的に社会福祉政策は後退する。ただでさえ貧弱な社会福祉を、軍事費の増加がさらに福祉予算を圧迫する。それらは社会混乱の要因であり、それに対してトランプ政権を非難する抗議行動も頻発するだろう。当然、それにもトランプ支持者は反発し、トランプ派と反トランプ派で衝突は止むことはないはずだ。
 さらに、「壁の建設」に象徴される厳しい国境管理や、不法移民の摘発の強化 で移民と移民を支持する団体の暴動も起こり得る。
 トランプの再大統領選勝利でトランプとその支持者のやりたい放題はさらに強まり、それに対する反トランプ派も黙ってはいられない。トランプ派の中絶禁止、同性愛者など性的マイノリティに対する保守的な抑圧など、反トランプ派には我慢がならない事柄が山ほどある。その対立は大きな衝突を引き起こし、銃撃戦などの大混乱に至るだろう。まさに、内乱の始まりである。


アメリカの没落
 以前のトランプ政権による大型減税や軍事費を中心とする財政支出の増加 と輸入超過で「双子の赤字」は大幅に拡大 した。貿易赤字は、2016年44810億ドルから、2019年には5770億ドルまで増加し、連邦政府債務は、トランプ政権下で5兆6,000億ドル増加した。
 BRICSを始め、国際貿易にドルを使用しない動きは世界的に強まっている中で、「双子の赤字」はドルの信用力(信認)をさらに低下させる構造的なリスクでもある。それは、基軸通貨としてのドルの地位を揺るがすリスクにも繋がる。アメリカの経済的繁栄は基軸通貨としてドルが支えている。基軸通貨としてのドルが、その地位を滑り落ちれば、超大国としてのアメリカ経済も崩壊するのは間違いない。

アメリカの孤立
 イスラエルとパレスチナの戦争は激しさを増しているが、トランプは、イスラエルの首都をエルサレムと認定したが、エルサレムは、イスラム教の聖地でもあることから、それまでのアメリカの政権はアラブ側の反発や世界の動向を考慮し、決してそれを認めることはしなかった。このことからも、トランプはバイデン政権以上に徹底したイスラエル寄りなのは明らかである。2024年11月の大統領選までこの戦争が続けば、トランプはイスラエルをさらに全面支援する姿勢を現すだろう。
 2023年12月12日の国連総会で、この戦争の停戦案にイスラエルと並んで主要国で唯一反対したアメリカは、世界からの孤立を露わにした。イスラエルの暴虐に目をつぶるどこらか、イスラエルに武器弾薬を供給し続けるバイデン政権に世界は厳しい反応を示している。それ以上にイスラエル寄りのトランプ政権は、西側同盟国からも非難されるだろう。
 かつて「親米」だったサウジアラビアなどのGCC湾岸協力理事会諸国は、最近は中国に接近しており、イスラエル問題で一段とアメリカ離れを起こしている。トランプ政権が再登場すれば、アメリカ離れは決定的なものとなるだろう。言い換えれば、アラブ諸国全体が反米色に溢れることになるのである。
 また、イスラエルへの対応と正反対にウクライナへの軍事支援には消極的なトランプは、支援継続に固執するEU諸国からは、既に警戒されている。
 トランプ政権は、地球温暖化を改善するパリ協定を離脱し、エネルギー政策も地球環境など無視し、シェールオイルなど原油生産に力を入れた。トランプにとっては「アメリカン・ファースト」で、世界がどうなろうとアメリカさえ良ければいいのである。しかし、その姿勢は、同盟国である他の西側先進国の方向性を真っ向から否定するものだ。
 このように西側同盟国からもトランプのアメリカは孤立することになるのである。

 アメリカに反旗を翻すBRICS、グローバルサウスは西側諸国全体の経済規模を既に超えている。アメリカはGDPで世界一だが、工業生産額では中国に抜かれている。アメリカは、民生には役に立たない軍事生産額とカネを右から左に動かすことの金融経済の指標で群を抜いているだけである。BRICS、グローバルサウスに加えて西側同盟国からも孤立すれば、アメリカ社会は大混乱となる。ひとたび製品輸入が混乱すれば、アメリカ国民の生活は極度の困窮に陥るからである。
 そして、何よりも最悪なのは、アメリカの「力」を過信し、「何をするか分からない」トランプは、対中国との戦争に活路を見出すかもしれない。その時は、世界はアメリカの道連れになって、奈落の底に落ちていくのである。
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