学生時代からの山仲間が昨年の年末に、綱渡りのようにしてベトナムから帰国してきました。
彼とは当時、Skypeでのやりとりができていたので、住んでた家から空港へ出発した事や空港で出国のチェックを受けていることなどがリアルタイムで伝わってきました。
『覚悟を決めて打った中国製のワクチンだが、出国できるのだろうか… 』
『ピザをはじめとする書類に不備が無いといいのだが… 』
『日本の空港での検査が何事も無く終わりますように… 』
etc、etc…
私だけでなく、彼の家族や山の仲間たちが祈るような思いで彼の帰国を見守ったのです。
無事、日本へ帰国できたものの、その時は3週間のホテル隔離が義務付けられており、家族でさえ顔を合わせることは叶いませんでした。
隔離を終え自由の身になった暁には、昔の山仲間と宝満山に登ることを楽しみにしていました。
しかし、今年の1月以降コロナ感染者の数は再度増加に転じ、宝満山登山はズルズルと先送りになったままでした。
『山は逃げないから!』
と、互いに言い聞かせて半年が過ぎました。
梅雨入りを前にして、新規感染者数は減少傾向です。
通勤通学する人もまだ少なく、登山者も少ない平日(6月2日)の早朝、彼と私の2人だけで ”下見“ と称して宝満山へ登ることにしました。
あくまでも他のメンバーと登る事を想定しての下見ですから…
学生時代に登って以来、44年ぶりの宝満山です。
日の出を横目に待ち合わせ場所にむかいます。
午前6:30頃、宝満山登山口に近い原田駅前ロータリーに愛車を停め、電車でやってくる彼を待ったのでした。