庭の葡萄の木に今年はじめて花穂(葡萄の房の元)が付きました。
葡萄を育てはじめて3度目の春です。
最初は鉢植えにして陽当たりの良い場所を求め移動させていました。
翌年、玄関脇の手洗い場を整備したのをきっかけに、手洗い場のすぐ隣りに植えていたヤツデを掘り起こし、そこにシャインマスカットを地植えしました。
その場所は座敷の南側にあたり、冬場でも心地よい日溜まりになっていました。
でも夏場は、直射日光がジリジリと照りつけ、そこに面した狭いお座敷は地獄のように暑くなるのです。
『ここに葡萄棚があれば… 』
私は葡萄棚を作ろうと考えました。
私が幼い頃、お盆になると父に連れられ親戚回りをしていました。
ある親戚の家の庭には葡萄棚があり、緑の葉っぱに包まれた葡萄棚から沢山の葡萄がぶら下がっていて、そこから吹いてくる風がとても涼しく感じました。
葡萄棚は私の憧れでした。
葡萄の木を陽あたりの良い場所に植え替えると同時に葡萄棚作りに着手しました。
支柱を建てるために基礎のコンクリートを削ったり、ワイヤーや針金を張ったりなど大変な作業でしたが、幼い頃からの “憧れ” が “現実” になると思うと苦労も楽しさに感じたものでした。
昨年は葡萄の枝が棚いっぱいに広がり、涼しい木陰を提供してくれましたが、葡萄のは1粒も実りませんでした。
それが今年の春、私が植えた葡萄の木にはじめて葡萄の花穂が付いたのです。
まるで自分の子か孫でも生まれて来たような幸福感に包まれています。