父が遺した物の中に塗料や洗浄液に混じってこの容器がありました。
何十年も眠っていた黄土色の柔らかい物資を布切れにとり、火鉢の引き出しの取っ手を磨いてみると… 。
缶に書いてあった「PIKAL」に見覚えがありました。
錆びたり燻んだりした金属をピカピカにする研磨剤です。
40〜50年は経っていそうな風格が容器から漂っています。
果たして、缶の中身は健在なのでしょうか?
缶をよく振り、蓋を回すと硬いながらも開きました。
ベンジンみたいな揮発性のある液体の香りです。色は黄土色で粘り気があります。
先日は2個の取っ手を引き出しに付けたまま磨きました。
本日は、引き出しの内側から取っ手の留め金具を外して残りの2個の取っ手を磨こうと思います。
引き出しの内側にある取っ手の留め金を片方だけ立てて外そうとしましたが、狭い穴にキッチリ差し込んであり抜けそうにありません。
昔の人の仕事は丁寧で無駄がありません。
留め金が出っ張らないよう、ノミで削った窪みに昔の職人さんの腕の良さを感じました。
何十年も眠っていた黄土色の柔らかい物資を布切れにとり、火鉢の引き出しの取っ手を磨いてみると… 。
何と言う事でしょう。粘土色だった取っ手は、ウソみたいに赤銅色の輝きを取り戻したではありませんか。
『恐るべし、PIKAL‼︎」
余りに新品みたいにピカピカになり過ぎて、趣きも味わいも無く成金趣味のようになってしまいましたが…
数年経てばまた落ち着いてイイ感じの私の色に変わって行くと思えば、コレはコレで良いと思いました。
これで4つの引き出しが全部キレイになりました!