「シコンノボタン」が「ノボタン」という名で流通するなど、園芸上の通称(俗称)で販売されることが多いので混乱します。
どれがどれやらさっぱりわかりません。私なりに本やNETの情報から整理してみました。
「ノボタン科」の植物は約180属4400種で、ほとんどが熱帯・亜熱帯にのみに分布しています。
日本では「ノボタン(野牡丹)」などの4属7種が南西諸島や小笠原諸島に(ヒメノボタンは紀伊半島まで)分布。
日本に自生又は流通する4属の主な「ノボタン」に似る植物を対象としました。
(1) ティボウキナ(シコンノボタン)属:Tibouchina(メキシコ、熱帯南アメリカなどに分布)
・「シコンノボタン※」→ノボタンで流通
シコンノボタンの園芸品種:「’コートダジュール’※」、「’リトルエンジェル’※」、「’ホザキノボタン※’」など
※10月8日にUPした「夏~冬の花:紫紺野牡丹」をご覧ください。
(2) オスベッキア(ヒメノボタン)属:Osbeckia(中国、台湾、沖縄原産)
・➀「ヒメノボタン」、②「ブータンノボタン」→ノボタン・ヒマラヤンオパールで流通
(3) ヘテロケントロン(メキシコノボタン)属:Heterocentron(メキシコ、中央、南アメリカに分布)
・③「メキシコノボタン」→ヒメノボタンで流通
(4) メラストマ(ノボタン)属:Melastoma(インド、東南アジア、太平洋諸島に分布)
・④「ノボタン」、⑤「ムニンノボタン」、⑥「イオウノボタン」、⑦「ハハジマノボタン」
➀「ヒメノボタン(姫野牡丹)」絶滅危惧ⅠB類。※出典:朝日新聞(撮影地:高知県三原村)
紀伊半島以西の四国、九州などに分布。花期:8~10月。
’081005 清水公園「花ファンタジア」
②「ブータンノボタン(別名:ヒマラヤンオパール)」:ネパール原産 花期:7~11月。
「ノボタン・ヒマラヤンオパール」の名で販売されている。
’050605 茨城県フラワーパーク ③「メキシコノボタン」※園芸上の通称:ヒメノボタン。
つる性宿根草。花径約3cmの鮮やかな紫赤色の4弁花。花期は6〜9月。
④「ノボタン(野牡丹)」東南アジア原産 ※出典:京都府立植物園
薄紅紫色の五弁花。花期:5~8月。
以下は、小笠原諸島固有のノボタン科ノボタン属3種
(※南硫黄島には広域分布種のノボタンも自生)
’100724 小石川植物園
⑤「ムニンノボタン(※無人野牡丹)」絶滅危惧IA類(CR)。小笠原諸島・父島の固有種。
4弁~5弁の白い花が咲き、丸い蒴果がつく。花期:7~8月。
※「ムニン」とは「小笠原」のことを指し、無人島を「ムニンジマ」と呼んだことに由来。
’090516 小石川植物園 葉は長楕円形で3脈が明瞭。
⑥「イオウノボタン(硫黄野牡丹)」絶滅危惧Ⅱ類(VU) 。 ※出典:小笠原陸域専門ガイド「マルベリー」
ノボタンの変種。薄紫色の5弁花、まれには4弁花も。花期:7~8月
’200915 筑波実験植物園
小笠原諸島のある無人島の北硫黄島の固有種(標高500M以上の雲霧帯に自生)。
基本種のノボタンとは雄しべの形態が異なる。母島野牡丹(左)の葉より大きい。
⑦「ハハジマノボタン(母島野牡丹)」絶滅危惧IB類(EN)。※出典:小笠原陸域専門ガイド「マルベリー」
薄桃色の5弁花。花期:6~7月。
’200915 筑波実験植物園
以上、長くなりましたが、間違っていたらご容赦下さい。
違いは説明できませんでした。今後も加筆修正します。
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