三浦俊彦@goo@anthropicworld

・・・・・・・・・
オトイアワセ:
ttmiurattアットマークgmail.com

2006/5/22

2000-02-06 00:59:14 | 映示作品データ
■コストニツェ
Kostnice      1970年、チェコ
監督:Jan Svankmajer  ヤン・シュヴァンクマイエル

 オルリークのシュワルツェンベルク公爵によって完成された納骨堂のライブドキュメンタリー。
 チェコでは、検閲によって、女性ガイドの声が消されて、全編音楽に差し替えられた。

■庭園
Zahrada       1967年、チェコ
監督:Jan Svankmajer  ヤン・シュヴァンクマイエル

 循環型フィクション。シュールリアリズム、または不条理劇の一種。
 これも、社会主義体制への批判ととられて(どこが?)製作後20年間上映が禁止されたという。

 「コストニツェ」と「庭園」を比べると、同じ芸術家の作品でも、ドキュメンタリーの場合はどのように制作手法(コラージュ、暗示など)が前面に出てくるかがわかって面白い。

■海辺にて
La Plage       1992年、フランス
監督: Patrick Bokanowski  パトリック・ボカノウスキー
音楽: Michele Bokanowski  ミシェル・ボカノウスキー

 「海辺にて」は、実験的ドキュメンタリーの一種。場所も、物語も特定されない、被写体に演技の入らない実写という意味でのドキュメンタリー。
 4/17に観た「Making a Splash」もこの系統のドキュメンタリーアートだった。
 ドキュメンタリー作品には、主要な種類として、次のようなものが挙げられる。
 ①『ヒトラーと4人の女たち』のような、記録フィルムと再現映像でのモザイク仕立て。
 ②『シューティング・ウォー』『ヒストリー・チャンネル』のような、記録フィルムと当事者のインタビューを織り交ぜたハイブリッド形式。
 ③「コストニツェ」のような、場所だけを特定した半フィクション・ノンストーリーのドキュメンタリーアート。
 ④「海辺にて」「Making a Splash」のような、抽象的なドキュメンタリーアート。
 ⑤次に観る『日本のいちばん長い日』のような、史実にもとづいて、セットやセリフも可能なかぎり再現した、実録ドラマ。

 現実と虚構の接点である「ドキュメンタリー」は、これらの各スタイルの配合によって、無限のバリエーションを持つことができる。