
ガソリン車全廃の影響
ガソリンの値段がどんどん上がって国民が悲鳴を上げている時に、カリフォルニアのニューソム州知事は石油会社がガソリン値段の高騰で意外な利益を得たとして「タナボタ利益吸収税(Windfall Tax)」を徴収する法令にサインした。
ガソリンの値段が高騰したのはバイデンのエネルギー政策の責任である。石油会社に余計な税金を課してもガソリンの値段は下がらない。石油会社の利益が上がったという理由で余計な税金を徴収すれば州政府が儲かるだけでガソリンの値段は下がらないしガソリンが必要な人民に裨益しない。バイデンにしろニューソムにしろ、DS(Deep State)の政策は間違っている。
まだある。2カ月前にニューソム州知事は2035年までにカリフォルニア州のガソリン車を全廃するという州知事命令にサインした。すると幾つかの民主党州も同調したので、2035年期限付きのガソリン車全廃はサヨク政権の至上目標のようになった。これがどんなに途方もない目標か、以下の3点で説明する。
以下はパソコンでリサーチした2021年の資料である。
(1)全米のガソリン車を2035年までに全廃するとどんなことが起きるか。
2021年の資料によると全米のガソリン車、乗用車からトラックなど、すべての使用ライセンスを取得した車の数は27億6000万台だった。このうちEV車の数は65万台、全体の1%にも満たない数だった。2022年になってもEV車の数は100万台ぐらいしかない。
すると概算して2035年までの13年の間に27億台のガソリン車を撤廃する、つまり1年に2億台のガソリン車をEV車に交換することになる。毎年2億台のEV車を生産し、2億台のガソリン車を廃車にするか、外国に売り渡すことになるが、これを13年も続けることは可能だろうか?
(2)石油工業の変遷。サービスステーションと石油精錬所の廃業。
2021年の資料では全米で14500のガソリンスタンドがあるが、2035年までに廃業、転業しなければならない。また2022年の資料では全米で130の石油精錬所があったが、これらが廃業に追い込まれる。
元々石油工業はガソリンの提供だけでなく、石油からさまざまな薬品や商業、工業用品を製造していた
が、ガソリン車の全廃によって石油工業全体に大きな影響を及ぼすことは間違いない。
石油工業に及ぼす大きな変化がアメリカの工商業にどのような影響を与えるか、全く予測できない。
(3)連邦政府と地方政府の税収。
2021年の資料によると全米で2021年に消費したガソリンは1350億ガロンだった。これまで連邦政府と州政府はガソリンの販売にさまざまな税金を課していた。カリフォルニア州を例にとれば、1ガロンにつき連邦税18セント、州税51セント、消費税10セントの計68セントである。
このほかにカリフォルニアではカーボン削減処置22セント、グリーンハウスプログラム15セント、地下貯蔵費2セントが加算され、全部で1ガロンにつき1.18ドルが加算されている。全国平均で1ガロンにつき50セントの税金が加算されていたと計算すれば、ガソリン車を全廃すれば1350億ガロンの消費がほぼなくなる。地方と連邦政府は大幅な税金の減収を埋め合わせるため、連邦政府も地方政府もさまざまな工夫を凝らして新たな税金を徴収するだろう。国民は連邦と地方の新税を受け入れるだろうか。
このほかにもガソリン車の全廃でさまざまな影響があるだろうが、ここに述べた三点だけでもガソリン車全廃は明らかに不可能である。バイデンや黒幕のDSは一体どんな頭脳を持っているのか。