臨時国会の衆院予算委員会で、野党の質問に答えた菅首相の答弁で愉快なものがありました。
今更ですが、例の日本学術会議の答弁です。
相も変わらず政府と野党議員の不毛なせめぎ合いが行われていますが、その中での菅首相の答弁に推薦過程で「閉鎖的既得権」になっているというものがあり、これはこれでそうなんだろうなと納得できるものでした。
菅さんが嫌いな「既得権」という言葉には、深い闇があるようで、政府や国会議員、地方議員、財界を含めて、日本中で「既得権」が蔓延してることは隠しようがありません。
その最たるものが、政権と財界の結びつきの中に隠されていることは、みんな知ってますが、大声出して言う人もほとんどなく、野党が政府を攻撃する際にだけ、その手段として用いられています。
「既得権」が無くなるなんてダ~レモ思ってません。
できれば、自分もお零れを頂きたいと思っている人が大半でしょうが、それがどこに転がってるのかは一般人には分らんものなんです。
次に「結果として民間人や若い人が増えるようにした方がよいと考えた」。
これもその通りなんでしょうが、学術会議の会員には、それ相応の実績がないと推薦してもらえないので、例えば20代前半の教授の研究を手伝ってる若者がなれる訳ないんです。
学問・研究に携わっている人が学生であれ、先生であれ、教授であれ、民間人であれ、その実績によって老いも若きも推薦されることなんて、鼻っから考えられていないんですから…。
それに民間企業内の研究が表に出てくるのは商品化されたあとで、特許という独占使用権を得てからで、いくらスゴイ研究・開発者だって公表されなきゃ~誰か分りません。
簡単に民間人とか、若い人とか、言われても、ちょっと無理があるんじゃなかろうか。
また、除外した6人のうち、菅さんが知ってたのは加藤陽子東大教授だけだったということを打ち明け、他の5人は名前も業績も知らなんだということで、自分が排除した人のことも十分に理解しないでぶった切ったのは、いかにも傲慢無知な独裁者的な発想です(裏で糸を引いてる取り巻きたちも、もう少し首相の発言内容をお勉強させんと何言うか分らんからね)。
こんなんで、民主主義国家の総理大臣として大丈夫なんかなぁ~??
極め付きは「(候補者名簿作成過程で)会員や連携会員と繋がりを持たなければ会員になれない仕組み」と言ってますが、そんなの当たり前でしょう。
名前も実態も知らん人を会員名簿に入れる訳ないじゃん。
会員などと繋がりがなければ、推薦する方だって誰を選べばいいのか分らへんじゃろ~。
菅総理自身が、総理になる総裁選の過程で、安倍前首相の後押しや二階派、その他の派閥の領袖との繋がりで大量票を獲得したんだから(党員選挙もしないで)、推薦過程での会員などとの繋がりをウンヌン言うのはオカシイでしょう。
こうなってくると何を言ってるのか、訳が分らんくて愉快の領域に行っちゃてるよね。
母校の先輩総理を悪く言いたくないけど、我が母校の学生・卒業生の多くは反骨精神を持った人が多いので、敢えて苦言を言わせていただきました。
ぜひ、国民が納得できる答弁を行っていただき、仰っているような国民を最優先に考えた政策を行い、素晴らしい総理だったと歴史に残るような政権運営をして頂きたいと思います。