対韓輸出規制をしたい気持ちも分るけど…

　韓国で日本企業の徴用工裁判での最高裁判決で賠償請求が認められて以降、日韓関係は最悪の状態に陥っています。

　日本政府としては、日韓請求権協定で解決済みという立場で、韓国側に収拾の道筋を求めていたのに韓国政府は何もすることなく有耶無耶の状態で、これに対する報復ということは明白です。

　政府は「関係ない」と言っていますが、参院選を控えて対韓国強硬派への対応策としてこの措置が取られたんでしょうが…。

　今回の輸出規制では、日本からの輸出品が半導体製造で儲けている韓国経済を更なる窮地に陥らせるのではないかと懸念され、韓国側は「徴用工問題の報復で、ＷＴＯに提訴する」と言っています。

　「何を今さら言っとんのじゃ～、お前らが先にこぶしを振り上げたんじゃろがい。」

　と言いたくもなりますが、お互いに民主主義の国で自由貿易を推進してるんだから、そこまでやる必要はあるのかとも思います。

　結局は、安倍政権には臭いものに蓋をするという意識しかないようで、怖いトランプさんには尻尾を振って近づいているのに、文句ばかりつけてくる韓国や中国、ロシア、そして国内ではギャ～ギャ～五月蠅い野党に対しては、面と向かってキチンとした議論をする意思がありません。

　ロシアにしても「北方領土の返還は難しい」と言われた瞬間に対話も少なくなり、北朝鮮の拉致被害者問題にしても口では安倍政権の最重要課題と言っていながらこの６年間何の進展もありません。

　安倍政権がこんな態度を取っていても、支持率が落ちないのは、議論する相手の野党があまりにも脆弱だからです。

　与野党が拮抗した勢力図ができてれば、こんな人を食ったようなことはできないはずだし、もっと早くに政権基盤は失われていたでしょう。

　安倍さんが先日「以前の何も決められない日本にするのか、現在のように決められる日本にするのかの選択だ」みたいなことを言ってましたが、「決められる日本」であって欲しいのは事実だけど、今の安倍政権のように将来の日本にとって大切な法案を国民を無視するかのように強行採決するようでは困ります。

　今のままでは、子供や孫が可哀想です。

　１００年後、「昔々安倍晋三という総理大臣が長期政権を維持して日本は世界有数の軍事大国になり、中国に攻め込まれて併合された」なんていう歴史の原点にならないように祈りたいもんです。