ちょっと、、おねえちゃん

スーパーの店内で、肉の陳列棚を見ていた時のこと、、

背後で囁くような声がこういった。
「ちょっと、おねえちゃん、この肉、、いくら？」

私は、その声に迷わず振り返った、、迷わずね。

すると、買い物カートにしがみつくようにして、立ち止まって、陳列の肉を買おうとしているおじいちゃんだった。お腰が曲がっているので、下しか見ていない。
「これ２９８円かね」
「そうですね」
「そんじゃ、買うてみよか、、、」

買い物かごには、買いだめなのか、たくさん入っていた。後姿を送りながら、おばあちゃんの代わりに買い物に来てるのかな、それとも一人暮らしなのかな、、などと想像した。

みんなそうやって、頑張って生きている。

周りの助けを借りながら、、、

見知らぬ人に、「おばさん」とか「お母さん」なんて言われたくはない。

そのおじいちゃんは、その点心得てるのかな、おねえちゃんなんて言ったりして。