変温動物のほんとうはあったかはーと

冷たくないよ、ちょっと心が暖かくなる話を書きます。

話しを聞くということは

2017-10-31 19:21:04 | Weblog
二時間。

彼女はしゃべった。私は、ずっと聞いていた。

ご主人が、三年前に亡くなった。脳血管の病気で、寝たきりが何年も続いていたので、苦労している。

彼女も母親を介護していたけれど、数か月前に亡くなった。今は、一人で家にいる。仕事はしてるけど、どこか物足りないという。

話しをききながら、私は思った

「私の悩みなんて、ちいさい」と。

本当は、私の話を聞いてほしかった。話すつもりで会った。

でも、彼女の方が話したかったのだった。

積りに積もったこれまでの話しを。

彼女とは、幼なじみだから、半世紀以上の細く長い付き合いが続いている。

私の夫は、親の仕事の都合で、転勤が多かったので、そんな長い付き合いの友人はいないという。

私も、幼なじみといえる友達は、彼女ひとりだけ。

話したかったと思う、だから、本当は、二時間では足りなかった。

私ももっと聞きたかった。

でも、今の私は、それ以上の時間がとれなかった。

また、彼女に会って、話しを聞きたい。


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