大澤朝子の社労士事務所便り

山登りと江戸芸能を愛する女性社労士が、
労使トラブル、人事・労務問題の現場を本音で語ります。

◆無断欠勤と退職

2013年05月24日 21時19分18秒 | 労働基準
社会保険労務士の大澤朝子です。

ここのところ、「解雇」問題、「未払い残業代」請求問題等々が
多く、対応に追われる日々です。

「退職・解雇」問題は、微妙な部分もありますので、企業様は
気を引き締めて対応していただきたいと思います。

例えば、
入社してすぐに勤務不良に陥り、連絡もなく休みがちになる、
ということはよくあります。このような人は
無断欠勤を「申し訳ない」という認識はなく、会社から何度連絡を
入れても電話には出ません。
かえって「迷惑です。電話しないでください」とメールして
くるような始末です。

無断欠勤も2週間程度続くと、ついに堪忍袋の緒が切れて、
「解雇だ」なんて言ってしまいがちですが、待ってください。
こういう人は、その言葉を待っているのです。
やったー! これで、「ただで」、解雇予告手当30日分もらえる。
内心ほくそ笑んでいます。

ご存じのように、就業規則の懲戒解雇規定に、
「無断欠勤2週間以上で懲戒解雇」などと書いてあり、
かつ、労基署長の認定を受ければ解雇予告手当の支払い義務を
免れるということはあります。ただし、申請してから
決定が出るまでに時間がかかり、今、現実的ではありません。
可能ならば、自力で解決してみましょう。

「解雇」だなんて言わないで、チャンスを待ってください。
給料等お金がらみのことがあると、このような人は
必ず自分から連絡してきます。
また、メールをしてもいいでしょう。
今の人は、「メール」なら対応してくるものです。

「うちの仕事、どうですか?」などと話掛け、
「自分には向いていないみたいなんで、辞めます。」
などという言質をとってください。
そして、必ず、
「そうですか。わかりました。それでは、便箋でも何でも
いいので、退職届を送ってください。」などと、退職届の
提出を促してください。
この退職届には、必ず、退職日を記入してもらうことも
忘れずに。

・退職届
・退職日の記載
・社会保険料の控除のことも考えて退職日を決める

退職日ですが、社会保険料の控除のことを頭に入れて、
本人に適切にアドバイスをしましょう。
1日違いで1ヶ月分の保険料が違ってくる場合もあります。

気は引き締めつつ、外せないポイントは絶対外さず、
あくまでも温和に対応するのが解決(退職)への早道です。

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