お雛様
~前記事のつづき~
母が過剰な賞賛を求めることはすでに記した
賞賛に対していつも飢えていると言っていいほどだ
お雛様と同様、嫁ぎ先からの賞賛を求めるものとして、「着物の支度」があった
母は私の最初の結婚が決まったとき、せっせと着物を作った
小紋、付け下げ、訪問着、喪服
私は着物に詳しくないため、価値などほとんどわからない
自分で着ることもできないし、恥ずかしながら畳み方もとうに忘れてしまっている
いまどき、どうしても着物が必要なシチュエーションなどめったにないと思っていた
現在、40年以上生きているけど、訪問着を1回だけ着ただけだ
それも母が「せっかく作ってやったのに着ない!」とキレたため、仕方なく子供の入園に着物を着て写真撮影だけしたのだ
死ぬまでに着る機会なんてあるのかしら
父の葬儀でも洋服だったし。
当時も着物なんてなくてもいい
どうしても必要だったらレンタルすればいい
くらいに思っている私をよそに
「○○を作らないと笑われる」「箪笥を開けて調べられる」と被害妄想のようなことを言って、奔走していた
そして「高かった」「お金がない」と「ひどい思いをして作った」
と後々まで言われるはめになった
私の最初の義母が、結婚1年目にして亡くなった
まだ若かった。
芯が強くてやさしくて、可愛げのあるひとだった
箪笥を開けて私の着物をチェックするようなひとではなかった(苦笑)
通夜の日
母は遠方からやってきて、私の喪服の世話を嬉々としながら行った
私達夫婦、夫の弟夫婦、義父、親戚があつまって大事な葬儀の手続きや取り決め
を行っている狭い部屋に私の婚礼家具である和箪笥があり、
母は箪笥の引き出しをガタピシャガタピシャ鳴らしながら
これ見よがしに「立派な」喪服を準備していた
顔は半分笑っていた
「こんなに立派な喪服を用意していた我が家はすごいでしょ」
その顔はそう物語っていた
葬儀のあと、母は私にこう聞いた
「親戚のひと、立派な喪服だって言ってなかった?」
自分がどれくらい賞賛されているか、必ずチェックする
これは現在でも続いている
そして、自分が思い描いたレベルに達してないと
とたんに不機嫌をあらわにし、罵倒しはじめる
~前記事のつづき~
母が過剰な賞賛を求めることはすでに記した
賞賛に対していつも飢えていると言っていいほどだ
お雛様と同様、嫁ぎ先からの賞賛を求めるものとして、「着物の支度」があった
母は私の最初の結婚が決まったとき、せっせと着物を作った
小紋、付け下げ、訪問着、喪服
私は着物に詳しくないため、価値などほとんどわからない
自分で着ることもできないし、恥ずかしながら畳み方もとうに忘れてしまっている
いまどき、どうしても着物が必要なシチュエーションなどめったにないと思っていた
現在、40年以上生きているけど、訪問着を1回だけ着ただけだ
それも母が「せっかく作ってやったのに着ない!」とキレたため、仕方なく子供の入園に着物を着て写真撮影だけしたのだ
死ぬまでに着る機会なんてあるのかしら
父の葬儀でも洋服だったし。
当時も着物なんてなくてもいい
どうしても必要だったらレンタルすればいい
くらいに思っている私をよそに
「○○を作らないと笑われる」「箪笥を開けて調べられる」と被害妄想のようなことを言って、奔走していた
そして「高かった」「お金がない」と「ひどい思いをして作った」
と後々まで言われるはめになった
私の最初の義母が、結婚1年目にして亡くなった
まだ若かった。
芯が強くてやさしくて、可愛げのあるひとだった
箪笥を開けて私の着物をチェックするようなひとではなかった(苦笑)
通夜の日
母は遠方からやってきて、私の喪服の世話を嬉々としながら行った
私達夫婦、夫の弟夫婦、義父、親戚があつまって大事な葬儀の手続きや取り決め
を行っている狭い部屋に私の婚礼家具である和箪笥があり、
母は箪笥の引き出しをガタピシャガタピシャ鳴らしながら
これ見よがしに「立派な」喪服を準備していた
顔は半分笑っていた
「こんなに立派な喪服を用意していた我が家はすごいでしょ」
その顔はそう物語っていた
葬儀のあと、母は私にこう聞いた
「親戚のひと、立派な喪服だって言ってなかった?」
自分がどれくらい賞賛されているか、必ずチェックする
これは現在でも続いている
そして、自分が思い描いたレベルに達してないと
とたんに不機嫌をあらわにし、罵倒しはじめる