母と私に亀裂が入ったのは
3年前のあの日からだった
~3年前の夏~
夫の転勤が春に決まり、一足先に現地へ赴任してしまっていた
引越しはすべて私の肩にのしかかっていた
これまで何度も引越しはしたけれど、海外引越しの大変さといったら
それはそれは想像以上のものだった
すべて終えて、実家で数日過ごしてから出国することにしていた
滞在は1週間ほどだったと思う
実家へ帰省する
世の中の女性 特に子供を持った女性にとって実家で過ごすことは
とても心地よく、楽しみなことであるようだ
おばあちゃんは孫の世話や娘の世話をせっせとしたがる。
母娘水入らず、おしゃべりに花が咲き
「あ~実家って最高!」
そんな娘にお客さん扱いはそうそうしないよ!なんて多少は迷惑そうにしながらも
娘の帰宅を喜ぶ母
そんなものは私にとっては夢物語だ
このとき、すでに子供は9歳
そのずっと以前から、私達が帰省することにいつもケチをつけていた
子供が4歳頃から、帰省するたびに嫌な思いをすることになるので
だんだんと憂鬱になっていたものだ
それでも、私は実家が自分の負担になっていること、
母が私の帰省を心底歓迎していないことに気付かずにいたのだ
私の周りのママ友はみな、実家に帰るのを楽しみにしており
それこそ年に数回の大切なイベントのように見受けられた
私が住んでいたそこは、転勤族が多いので、実家と離れて暮らしているひとばかりだった
子供が小さいと、日々の暮らしが制限されることが多いので、
「実家へ行けば普段はできないあれができる、これができる」
と盆、正月、GW前後はそんな話でもちきりだった
私もそんなママ友達と自分はなんら違いはない
母は文句は多いけど、心の底では私や孫を歓迎しているのだと
思い込んでいたのだ
話が前後するが、
子供がまだ1歳半くらいの頃の話に戻そう
「帰省したら美容院に行かせてもらいたいんだけど」
と言った
周りの友だちはだれでも、実家に帰ったら行きたいことのひとつに
「美容院」があった
子供を親にみてもらって、ゆっくりと美容院へ行く
その頃はそんなこともささやかな夢のようなものだ
私も周りの友だちと同じように母に助けてもらえる娘像を
浅はかにも思い描いてしまった
美容院にもオチオチ行けないくらい大変な生活をしている娘
それを喜んで助け、孫とのふれあいをも喜ぶ
そして娘は母に感謝し、母も同じように苦労してきたのだと母としてますます尊敬する
私はこれをやりたかったのだろうな
だが、
母は私の手を払いのけた
嫌よ!泣くもん!!
泣いたらどうすんのよ!!
アンタ、旦那にみてもらって日曜に行ってくればいいじゃない!!!
私は唖然としてしまった
思い描いていた画像
少なくとも、周りの友だちはそれを普通にやっていること
とっさに言った
そんなこと言う母親初めて見た・・・
↑この言葉は少し母には堪えたようだった
つづく
3年前のあの日からだった
~3年前の夏~
夫の転勤が春に決まり、一足先に現地へ赴任してしまっていた
引越しはすべて私の肩にのしかかっていた
これまで何度も引越しはしたけれど、海外引越しの大変さといったら
それはそれは想像以上のものだった
すべて終えて、実家で数日過ごしてから出国することにしていた
滞在は1週間ほどだったと思う
実家へ帰省する
世の中の女性 特に子供を持った女性にとって実家で過ごすことは
とても心地よく、楽しみなことであるようだ
おばあちゃんは孫の世話や娘の世話をせっせとしたがる。
母娘水入らず、おしゃべりに花が咲き
「あ~実家って最高!」
そんな娘にお客さん扱いはそうそうしないよ!なんて多少は迷惑そうにしながらも
娘の帰宅を喜ぶ母
そんなものは私にとっては夢物語だ
このとき、すでに子供は9歳
そのずっと以前から、私達が帰省することにいつもケチをつけていた
子供が4歳頃から、帰省するたびに嫌な思いをすることになるので
だんだんと憂鬱になっていたものだ
それでも、私は実家が自分の負担になっていること、
母が私の帰省を心底歓迎していないことに気付かずにいたのだ
私の周りのママ友はみな、実家に帰るのを楽しみにしており
それこそ年に数回の大切なイベントのように見受けられた
私が住んでいたそこは、転勤族が多いので、実家と離れて暮らしているひとばかりだった
子供が小さいと、日々の暮らしが制限されることが多いので、
「実家へ行けば普段はできないあれができる、これができる」
と盆、正月、GW前後はそんな話でもちきりだった
私もそんなママ友達と自分はなんら違いはない
母は文句は多いけど、心の底では私や孫を歓迎しているのだと
思い込んでいたのだ
話が前後するが、
子供がまだ1歳半くらいの頃の話に戻そう
「帰省したら美容院に行かせてもらいたいんだけど」
と言った
周りの友だちはだれでも、実家に帰ったら行きたいことのひとつに
「美容院」があった
子供を親にみてもらって、ゆっくりと美容院へ行く
その頃はそんなこともささやかな夢のようなものだ
私も周りの友だちと同じように母に助けてもらえる娘像を
浅はかにも思い描いてしまった
美容院にもオチオチ行けないくらい大変な生活をしている娘
それを喜んで助け、孫とのふれあいをも喜ぶ
そして娘は母に感謝し、母も同じように苦労してきたのだと母としてますます尊敬する
私はこれをやりたかったのだろうな
だが、
母は私の手を払いのけた
嫌よ!泣くもん!!
泣いたらどうすんのよ!!
アンタ、旦那にみてもらって日曜に行ってくればいいじゃない!!!
私は唖然としてしまった
思い描いていた画像
少なくとも、周りの友だちはそれを普通にやっていること
とっさに言った
そんなこと言う母親初めて見た・・・
↑この言葉は少し母には堪えたようだった
つづく