会場を入ってわりとすぐ、本格的な展示の前に、ちょっとしたコーナーがありました。
事前に友人からそのことを聞いていたので、すっごく楽しみにしていたのです。
“あなたの守りがみを探しましょう”というこちら。(前回同様、写真は九博さんよりご提供いただいたものです)
おみくじと同じような感じで、“守りがみ”が書かれた紙を1枚引きます。
紙を開いて中に書かれている仏様が、その人を守って下さる守りがみ様だそう。
きょんのだんなもわたしも、わくわくモードで紙を引きました。
守りがみ様は全部で5つ。さてさて、私たち二人には一体どんなかみさまがついて下さっているのでしょうか・・・。
さぁ実はここで、ちょっとしたサプライズが起きていたのです。
ま、それはともかく、実際に引いたものがこちらです。
スルドい方はお気付きになったでしょーか
この紙が示したあひょの守りがみ様は“緑ターラー”でした。
そう。
TV番組でチラッと見かけ、お名前も分からないままハートを鷲摑みにされた女尊。
ひと目見たさにやってきた、お目当ての2つの像の内のひとつ。(前記事をご参照下さい)
まさにその観音様だったのです。
ひゃー
まるで“御導き”ではありませんか。
ちなみに、その守りがみに印刷されている実際の坐像はこちらです。
写真では、コントラストとか影などの関係で、実際のお姿の素晴らしさが今ひとつ伝わらないのがとても残念です。
実際のこの坐像は、本当に慈悲深くお顔は果てしなく優しく、像全体から、大らかにゆったりと包み込むような静かで優しいエネルギーが溢れまくっていました。(じっと観てたらちょっと泣けてきた)
“あぁ、このかみさま(観音様)なのか・・・。なんてありがたいんだろう”
もう、ホントに、癒されまくり。
でも実はこの時点ではまだ、自分が魅了されてやってきた立像と同一仏であることに気が付いていないあひょ。
(立像はとても艶やかで装飾品も豪華なので、ちょっと印象が違うんですね。)
後に目当てだった立像(緑ターラー)にたどり着いたとき、その名前を知ってあまりの感動に一瞬鳥肌。
あひょの心中、どうぞお察しくださいませ。
まるでお導きのようなその偶然(必然?)の感動と驚き。
そして、“救い”の女尊が守りがみ様だなんて・・・。自分の夢と重ね合わせ、心が引き締まる思いさえしたあひょでした。(・・・なんて、考えすぎ?)
ところで、同時に引いたきょんくんはというと、こちらでした。
『白傘蓋仏母立像(びゃくさんがいぶつもりゅうぞう)』
印象的な法具(日傘)が特徴のこの像は、そのお姿も、そして正面のお顔の忿怒の表情もまたいっそう特徴的。
実際に観ると、細かな部分まで精密に作りこまれたその美しさに思わず溜息が出てしまうような像です。
とても強い力を持ち、魔除けのご利益をもたらして下さるそう。
きっと、このインパクト大のお姿で、様々な魔性のものからきょんくんを守って下さることでしょう。
5体の中で、きょんくんもあひょも“穏やか系(どんなだ?)”の守りがみがついていてくださるわけですが、中にはかなり強い(というか物凄く激しく好戦的な)逸話をお持ちのかみさまもいらっしゃいました。
おそらくその激しさではダントツなのでは?と思わせる、この守りがみ様。
『ペルデンラモ騎騾(きら)像』です。
えぇと、女尊です。(漢訳だと『吉祥天』だとか・・・)
どこか凄みのある笑いを浮かべているような激しい忿怒相もさることながら、その御手にしっかりと握られているのは、剣や縄索、“戟(げき=武器)”、“カパーラ(髑髏杯)”などちょいと物騒なモノだし、首からは髑髏を数珠繋ぎにした大きな首飾り。
そして、なんと言っても最高にエグくて物凄いのは、乗り物(騾馬)の背にかけられた「敷物」。
なんと、人間の生皮なのです。
騾馬の胴の真ん中へんに逆さになって垂れているでしょ?頭が。
で、騾馬の胸あたりと、お尻あたりできゅっと結ばれているものは、薄く剥がれた手と足。
まるで風呂敷の端を結んでいるかのように、哀れな手と足がしっかりと結ばれているのですよ。(細工が見事に緻密だからまぁ、リアルのなんの)
そりゃ強い、物凄く強いんだろうけど、この守りがみ様に守られている・・・というのはまたちょっと格別な感覚でしょうなぁ・・・。
どちらかというと草食系なきょんくんと、動物的ではあるけれど実態は小心者の隠れ草食系のあひょ。
二人の引き当てた守りがみさまは、やはり引くべくして引いたかみさまなのかもしれません。
結構当たってる・・・かも。
どーです
これ(守りがみくじ)だけでも、ちょっと行ってみたいなーなんて思っちゃいましたか?
お訪ねの時には、是非ご神託(?)をいただいてみてくださいませ
観る楽しみ、倍増ですよん
昨日、代休のきょんのだんなと2人、待望の“聖地チベット展”を観に九州国立博物館(九博)へ行ってきました(この記事は九博『ぶろぐるぽ』に参加しています)
福岡に帰ってきて、とにかく気になっていたこの展示。
東博の経験から、平日の開館時間を狙って、期待にワクワクドキドキしながら早起きして行ってきました。
2人とも九博は初めて。
爽やかな五月晴れの下、豊かな緑に囲まれた博物館はとても美しくて、なんとなく“くじら”を連想させるデザイン。館内も天井が高く、あちこちに杉丸太が使われていたりしてどことなくアジアチック。大きくて広々とした気持ちの良い空間でした。
実は今回ここを訪れたのは、元々密教にとても興味を持っているというのもあるのですが、確固たる目的(会いたいひと(?))があったから。
そのひとりがこちらです。(写真は九博さんからご提供いただきました)
おぉなんたるイケメン
願徳寺の如意輪観音様という存在がありながら、このあひょ心を鷲摑みにしたこの整ったお顔立ち。
お姿もなんと凛々しいこと
『アヴァドゥーティパ坐像』です。
元々彼(アヴァ様)は王族出身なのですが、王位を放棄して密教行者の生活に入られた大成就者とのこと。
道理でどこか高貴な香りが漂っているわけです。
左手親指が欠損しているお姿がちょいと痛々しいのですが、実際に対面した時には、その引き締まった表情のカッコ良さとあまりの凛とした美しさに、身も心も蕩け引き締まる思いで随分長い時間見つめ続けてしまいました。
そして、もう御一方。
アヴァ様と同じくTVの特集でひと目みるなり虜になってしまった仏様。
あひょにしては珍しく女尊なのですが、その美しいお顔に瞬殺され。
究極の美女尊だ~と大コーフン
立ち姿もまた艶やかなのですヨ。
“緑ターラー立像”です。
この観音様は、観音菩薩の涙からお生まれになり観音菩薩が救済できなかった人々を救って下さるそう。
確かに、この何物をも大きく優しく包んで下さるであろう慈悲深いお顔を見ていると、それだけでも大いに心が安らぎ慰められる気がしました。
もうとにかく、会場内の展示品ひとつひとつがものすごいインパクト。
日本とは違った彩色や、姿形、珍しい調度品の数々に、ほとんどこういったものに興味を示さないきょんくんもすっかり魅了され、興奮の内に観覧を終えました。(ちなみに、図録を自ら進んで買ったのもきょんくん。本当にチベットに旅行したくなったのもきょんくん。・・・すーっかり洗脳されちゃってまぁ)
約2時間半、じ~っくりゆ~っくりチベットの秘仏を堪能できて、本当に至福のひとときでした
ちなみに、インパクト部門ではやはり、このお二方(??)に叶う存在はないでしょうな。
最後にどうぞ
『カーラチャクラ父母仏立像』です。
この写真では少し判りにくいのですが、男尊(父)と女尊(母)が抱き合った父母仏。
父の表情も母の表情(どの顔のだ?)も凄い迫力なのですが、この像、実物をよおおく観察すると、完璧にリアルに「合体」なさっています。えぇ、そりゃーもうしっかりと
なんでも、普段お寺では腰から下に錦の布をまとわれた姿で祀られているとか。そうでしょう、そうでしょう。
こういう神秘的なところが、いかにも密教って印象ですなぁ。
実に美しく、生命力と迫力に満ち満ちた像でありました。
それからこちら。
インパクトの強さはやはりピカイチかもしれませんね。
『十一面千手千眼観音菩薩立像』です。
本当に千本の手をお持ちです。装飾品・お姿・表情、その細部に至るまで、全てがとにかく圧倒的に緻密で美しい(としかいいようがない)です。
これもやはり、是非自分の目で見て感動に浸って欲しい観音様です。
前から後から右から左から下から・・・舐めるように見まくり堪能させていただきました。
時間なんて、本当にあっという間。
これからこの展示会を観に行かれる方は、やはり平日の朝をオススメします。
パッと見てスルーするには、どの仏像の装飾もあまりにも細やかで繊細で美しすぎるから。
どうぞ少しでも空いた日時を選んで、ごゆっくりとどっぷりと浸って下さいね~
あ、そうそう。会場では、観るのが楽しくなるちょっとした“お楽しみ”も用意されているんですよぉ
それはまた改めて次回ということで