第二百五十六代天台座主の大僧正半田孝淳猊下が12月14日、ご遷化されました。天台宗きっての国際派であり、1987年に開催された比叡山宗教サミットの実現に全力を傾注され、ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世聖下と謁見されたほか、カンタベリー大司教をはじめとした世界の宗教指導者と会談を持たれました。
また、半田天台座主猊下は2001年には、ニューヨークの同時テロで世界が憎しみ場になるのを憂慮されたローマ教皇に招かれ、共に特別列車に乗って世界平和を訴えられました。さらに、原爆投下60周年にあたる2005年にフランスのリヨンで開催された世界平和の祈りの集いでは、日本人として初めてファイナルセレモニーのスピーカーに選ばれ、核廃絶を全世界に向かって平和の大切さを述べられました。そのときに原爆の詩人峠三吉の「ちちをかえせ、ははをかえせ」のフレーズを引用され、大きな拍手と感動に包まれたのでした。
半田天台座主猊下の願いは、争いや戦争をこの世からなくすことでした。私もまた、その教えを受けた天台宗の僧侶として、機会あるごとに平和の尊さを訴えていく所存であります。
合掌
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