一僧侶として多くの方の死に立ち会って供養をさせていただきましたが、人間の命というものが儚いものがありますが、だからこそ誰もが成仏するという天台宗の教えに、私は導かれて今日まで歩んでまいりました。天台宗の第257世座主大僧正森川宏映猊下が、去る11月22日午前7時30分、ご遷化されました。世寿97歳。
天台ジャーナル令和3年11月23日号が号外として発行され、平成27年12月14日、第256世半田孝淳天台座主のご遷化に伴い、同日に大僧正森川宏映猊下が上任されたことに触れるとともに、そのご功績について「祖師先徳鑽仰大法会第二期の各法要や事業の推進を先頭に立ってご教導くださったほか、比叡山宗教サミットを通してローマ教皇はじめ世界の宗教者と親交を深められるなど『世界平和』実現に尽力された」と書かれています。
森川座主猊下は大正14年10月22日に愛知県春日井市のお生まれになり、京都大学農学部を卒業されました。農学部で学ばれたこともあり、人間ばかりではなく、動植物、鉱物などあらゆる存在は仏性をもち、成仏できるという天台本覚思想の「草木国土悉皆成仏」についても、「私はこれこそが仏教の中心思想だと思っています」と述べておられました。また、地球温暖化、生態系の変化、自然災害の猛威に関しても常々憂慮され、「草木国土悉皆成仏」のよってのみ解決することができると主張されていました。
密葬儀は11月26日に滋賀院門跡にて執り行われました。本葬は令和4年1月18日午後1時から天台宗務庁にて天台宗葬で執行されます。葬儀委員長・喪主 宗務総長 阿部昌宏。、総務奉行 延暦寺執行水尾寂芳、遺弟代表 延暦寺一山眞藏院住職櫻井行尚。
合掌
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます