私が住職をしている会津美里町の会津天王寺は、別名梟の寺と呼ばれています。鎮護国家道場総本山の比叡山延暦寺の根本中堂の守護も、梟に起源を発するといわれていますが、梟は悪除、魔除、盗難除、災難除、厄除の御利益があるというので、これまでも多くの人々の信仰を集めてまいりました。また、四千年の昔より梟は、知恵、武勇、千里眼の代名詞として、福を招き、幸福をもたらす守護神でもあります。私が総本山の比叡山で修行をしていたおり、霊峰伊吹山中にまで足をのばし、七十七日に及ぶ荒行の最中に、さらには、観音悔過法三十七日修行中、梟の御姿の観音菩薩が現れ、「我が姿を写しとり、角々に建立せよ」と仰せられたのです。しかも、会津天王寺にはたくさんの梟が住み着いていることもあり、みちのく安穏を守護するために、「梟の寺」を名乗るようになったのでした。
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