行っちゃいました。植村直己さんの出身地にある兵庫県豊岡市、植村直己冒険館。私は植村さんの著書はほとんど読んでいて、その人柄や業績、そして目標達成のために実践した驚くほどの準備や努力に感じ入っていたので、展示物を見ると、ああ、あのときのかとか、これが実際に使われた犬ぞりなのかとか、展示物1点1点が感慨深かった。すごかったのは、植村さんが実際に背負った重さを再現したザック。来場者が誰でも試せるように無造作に置かれていた。背負えないことはないけれども、これで何時間も行動するのは、無理だ。たぶん60Kgくらいだろうか。でも、歩荷の人はいまだにこのくらいの荷物を山小屋に運び込んでいるんだろうね。
植村直己冒険館のパンフレット(上も下も)
山の神も展示物に見入っていて、私同様「へえ」の連続だった。アラフィフ世代から上は、皆植村さんの冒険はリアルタイムで見聞きしているから、亡くなったとはいえ、身近な存在なのだ。
それにしてもこんな冒険家は不世出だろうね。いまいろんな日本人が冒険を試みているけれども、このスケール感、実行力、精神力、偉業の数々……超える人は出てくるのだろうか。
とにかく寄ってよかった。来てよかった。何か元気やエネルギーをもらえた気がする。山に登らない人も、冒険しない人も、ぜひ冒険館に来て、元気をもらってください。
ざっと植村さんの主な事績を並べると、こんな感じ
●1965年(24歳) ゴジュンパ・カンII峰(7646m)初登頂
●1966年(25歳) モンブラン(4810m)単独登頂、マッターホルン(4478m)単独登頂、ケニヤ山(5199m)登頂、キリマンジャロ(5895m)単独登頂
●1968年(27歳) アコンカグア(6960m)単独登頂、アマゾン川約6000Km単独筏下り
●1970年(29歳) 松浦輝夫氏とともにエベレスト(8848m)日本人初登頂、マッキンリー(デナリ;6190m)単独登頂、これにより世界初の五大陸最高峰登頂者となる
●1971年(30歳) グランド・ジョラス北壁完登、グリーンランド縦断の準備として日本列島3000Kmを徒歩で縦断
●1973年(32歳) グリーンランド3000Km犬橇単独行成功
●1976年(35歳) 北極圏1万2000Km犬橇単独行成功
●1978年(37歳) 北極点犬橇単独行成功
●1980年(39歳) 厳冬期アコンカグア第2登
●1981年(40歳) 冬期エベレスト、サウスコルで登頂断念
●1982年(41歳) 南極大陸3000Km犬橇走破とビンソン・マシフ登頂計画は、南極にいながらフォークランド紛争で断念
●1984年(42歳) マッキンリー冬期単独登頂に成功、その後消息を絶つ
参照:植村直己さんの本:http://blog.goo.ne.jp/aim1122/e/1988f5e299f63a1d25ec496462be477c
天橋立につづく