8月15日(火)に放送されたNHK「大捜索ドキュメント!屋久島“伝説の超巨大杉”」の録画を見た。いやあ、思っていた通りの内容で興奮した。
屋久島のガイドブックに、必ずといっていいほど登場するのが、“超巨大杉”伝説だ。縄文杉よりももっと巨大な屋久杉があるという言い伝えだ。屋久島は小さいようでいて、じつはかなりの面積がある。谷も深く、人が入っていない山域もあるから、その可能性は十分にある。実際に猟師がその目で見たとの証言もある。そんなことから今回NHKは、地元の山岳ガイド、小原比呂志さんを隊長に据え、その未知なる巨大杉捜索に乗り出した。
番組ではまず、国際航業のレーダーを使い、空から島の樹木をスキャンしていく手法をとった。地形や樹高・樹種をチェックしていき、巨木を抽出していく。解像度は数10cmというから驚く。しかしそれでも、抽出できた巨木の数は多すぎた。そこで立てた方針は、巨木が集中している島の南東部を探すことだ。実際にその山域に入ると、幹周りが9m6cm、次に10m40cmという大物が見つかる。しかし縄文杉には到底及ばない。
縄文杉 幹周り16m40cm 樹高25m30cm 樹齢2000年以上
ちなみに縄文杉は、町役場の岩川貞次氏が目撃情報を元に探して見つけたものだ。よくぞ、あんな山中に分け入って見つけたものだ。
話は戻ってこの山域は、江戸時代に継続して伐採がなされていた場所で、多くの切り株が存在する。切り株のなかには、幹周り14mのものや、中ががらんどうながら、16m73cmのものも残されている。ということは、めぼしい巨木は切り倒されてしまったとみていいのかもしれない。捜索隊は、方針の見直しを迫られた。
次に捜索対象にした地域は、前人未到の地である永田岳周辺。再び国際航業に依頼して、さらに解像度をアップしたスキャンをその地区で集中的に行い、候補を絞った。名前すらない険しい谷に入ったのは、若手ガイド、神埼氏と岩井氏、そしてNHKスタッフだ。前回の比ではないさらに険しい道なき道、沢の下降を敢行し、ターゲットとなる場所に巨大杉を見つけた。その谷は天空谷と名づけられ、巨大杉は天空杉と命名された。
天空杉 幹周り12m43cm 樹高45m
幹周りは縄文杉に及ばなかったものの、ドローンで計測した樹高は屋久島一であることが判明。見つけたスタッフの興奮は最高潮に達した。捜索を続行すれば、このクラスの巨大杉はまだまだ発見されそうだ。それだけ人を寄せ付けない厳しい自然環境がそこには横たわっている。ロマンを感じるねえ。