今回(2007年GW)の山旅で泊まったのは、日本秘湯を守る会会員の甲子温泉大黒屋だ。この宿で有名なのは、歴史ある巨大な岩風呂で、話のタネにもなるので、ぜひとも入りたいと思っていた。いまもそうなのかは知らないが、21:00で女子タイムが終了して混浴タイムになる。どうせ人は少ないだろうからと一人で行ってみると、だれもいなかった。おかげで巨大な湯船を貸切でゆっくり浸かれたのだが、残念なことにちょっとぬるかった。まあ、長く浸かっていればいいのだろうけど。
それはさておき、この宿で特筆すべきは、テンやハクビシン、ついでにタヌキを餌付けしていて、その姿を間近で見られることだ。夜間になると彼らはエサを求めて姿を現す。タヌキは都内にすらいる動物だけれども、テンはそうそう見られない。20時過ぎに玄関前のエサ置き場に行ってみると、いた、いた。用心深く近づくと、鍋に顔を突っ込んで貪り食っている。しかし、われわれの気配を感じたのか一瞬エサ場から離れた。とまたすぐに戻って辺りの様子を伺ってだいじょうぶと判断したのだろう。再び鍋に顔を突っ込んでガツガツと食べ始めた。
テンが去ると、今度はタヌキが現れた。鍋の中身は知らないけれども、同じものを食べるんだね。そういえば北八ツを歩いているときにテンが出るよと山小屋(たしかオーレン小屋)の庭に掲示があったのを覚えている。出るとはいっても夜行性だから、そこに泊まらなければ見られないだろうけど。なかなか野生の動物を見る機会はないものだ。ちなみに私は大黒屋で初めて野生(?)のテンを見た。動物を見ていると、なんだかなごんでいい。
アニマル・ウォッチング―日本の野生動物 | |
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