RadfotosonnによるPixabayからの画像
雪もなくなり、温かくなるとテント泊計画を立てることもあるけれども、山中テント泊ではなく、登山口や下界でのテント泊となると、山の神からのきびしい質問が浴びせられる。
「キャンプ場の標高はどのくらいなのかな。トイレはきれいなのかな」
標高がそれなりにあって、トイレが清潔でなければ、暗に行かないと言っている。なぜか。山の神はアウトドア好きの山のぼらーではあるけれども、虫が嫌いなのだ。
だれもが嫌がるG(ゴキブリ)はわかるが、なぜかチョウチョの類もダメだ。しばらくはあのグロテスクな形状とダークな色の蛾が嫌いなのだと思っていたのだが、そうではなく、お花畑を可憐に飛び回るアゲハチョウ、ご近所でも見かけるモンシロチョウなどもダメなことがわかった。稀に見るカラスアゲハやアオスジアゲハなんて、思わず足を止めてみとれてしまうものだが、山の神は蛾と同類視している。山の神いわく、「はばたきもの」は気持ち悪いじゃないの。その一方で滑空するように飛ぶ、つまりはばたかない(ように見える)トンボはだいじょうぶらしい。
標高が高ければ高いほど、はばたきものは少なくなる。そしてトイレが清潔に保たれていれば、蛾が蜘蛛の巣にからまっていたり、その死骸が床に落ちていることもない。逆に掃除が行き届いていないと、視界に蛾が入ってきて、おちおちトイレにも行けなくなるのだ。
そんな我が家に先週事件が勃発した。ふいにGの訪問を受けたのだ。私がかばんや本をごちゃごちゃと積み上げている場所からするするとGが10センチくらい飛び出してきた。Gはあっ見つかってしまったかとすぐにUターンして元いた場所に瞬間移動。山の神にGが出たと告げると、事態は急展開。そろそろ寝ようかと思っていたのに、G撃退グッズ次々に登場し、G探しとあいなった。
20~30分は山の神につきあってガサゴソとやっていたが、結局見つけられず、あれは幻だったのかとベッドに入った。翌日家でリモートワークだった山の神は、仰向けになったGの死骸をクローゼットの中で発見した。最近のG駆除剤は思ったより強力だった。Gの通り道になりそうなところにスプレー、G用の毒餌もセットしていたのがものの見事に功を奏したのだ。これだけ強力だと人間にも害をなすのではないかと、そちらのほうが心配になった。
死骸の処理は、私の仕事。Gはトイレットペーパーに包んでトイレに流した。はばたきものや蜘蛛、甲虫類は、生きていれば、手でつまんで外に逃がし、死んでいれば庭の土か燃えるゴミとなる。それにしても都会育ちは、虫に触れないし、嫌いな人が多いのかねえ。
この事件でヤマビル騒動も思い出した。参考:
ヤマヒルに悲鳴、丹沢山
ヤマビル大量発生! 貫ヶ岳
ゴキジェット大噴射事件も出てきた。
夜のしじまを切り裂く、山の神の悲鳴