目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

雁ヶ腹摺山・姥子山

2010-11-18 | 山行~中央線沿線・大菩薩

雁ヶ腹摺山(雁ガ腹摺山) 標高1874m 姥子山 1503m 山梨県

2010年11月18日(木) 曇りのちあられ /

メンバー 私1人、久々の単独行

コースタイム 8:45大峠9:05--9:45雁ヶ腹摺山9:55--(10:15白樺平)--10:35姥子山東峰先の祠--10:45姥子山東峰10:55--11:15白樺平11:25--12:05雁ヶ腹摺山(昼食)12:35--13:00大峠

今回の山行は、天気予報に振り回された。前日の予報で晴れマークが出ていたので決行したが、実際には大荒れの天気だった。これも単独で行ったための山の神の祟(たた)りか?

この日は会社から代休をもらい、前夜に行き先を決め、あわただしく準備した。そもそも、これが失敗のもとだろうか。前夜は意識の外だったが、意外に標高があるんだよね、この山。

混みぎみの中央道を走り、談合坂SAで朝食をとる。途中雨が降っていたものの、このSA付近はきれいに晴れ上がっており、この時点では山梨の晴れは既定の事実と思われた。
甲州街道の真木の交差点から林道に曲がる。民家を過ぎると、ガスがたち込めてきて、どんどん白くなっていく。そのうち霧雨に変わる。これはいかん、大峠に着いたら、しばらく様子見かと思いながら、車を走らせる。8:45峠に着いた。人っ子一人いない。月曜や金曜ではない平日真っ只中だから、こんなものなのだろう。峠の気温は0℃。かなり冷え込んでいて、霧雨は相変わらずで、登山気分は失せかけていた。山の神にメールしようと、パチパチケータイに文字入力をしていたが、ふと気づくと圏外だった。やっぱり天気だめかとあきらめかけた頃、さあっとガスが急にとれて、青空が覗き、日が差してきた。おお、これぞ天のお導きと、天候回復を信じて出発準備。

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先ほどまでが嘘のようにガスがとれる

歩き始めてすぐに落葉松林が現れる。見渡すと白い面積のほうが多い。

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しばらく歩いていくと、たちまちガスがたち込めてきた。でも時折青空も覗く。

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右:雁ヶ腹摺山の山頂直下

雁ヶ腹摺山の山頂には9:45到着。だいぶ飛ばし気味で歩いている。白い景色はつまらないからね。山頂では日が差していたが、富士山のお姿はまったく見えなかった。今日の行程はピストンで、再びここに戻ってくるので、そのときに見られればいいやと、この時点ではまだ晴れを疑っていなかった。ここからの富士の眺めは有名で、「秀麗富岳12景」に指定されているし、いまや流通していないが、500円札の富士山はここからの眺めを写しとっている。

002img_4284 003img_4285 山頂には標柱が2本ある

見上げると青空なのに、富士山方面はガスに包まれていた。

06img_4286 ここからこういうふうに見えますという案内板で想像

9:55山頂を後にする。いっきに下り、白樺平を通過。いっきに下ったのはいいのだが、帰りにはこれを登り返すのだ。われながら酔狂な登山計画をたてたものだ。

この辺りで、本日出会った唯一の登山者とすれ違う。鈴の音が聞こえてきたときに、幽霊か幻聴かと思うほど、人がいる気配なしだったから、かなり驚いた。この方も同じことを思ったかもしれない。

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右上:林道にいったん出て、姥子山への登山道に入る

雁ガ腹摺山と同様「秀麗富岳12景」に選ばれている姥子山東峰には10:45到着。かなりハイペースで登ってきた。ここも景色は真っ白で、富士山の「ふ」の字もない。奥に祠がある。ここから登山地図では点線になっているが、下山路があるはずと崖下のほうを覗くと、がさがさと音がした。思わず、勢いよく鈴を鳴らす。どうやらイノシシのようだ。下山時に登るときにはなかった真新しい糞が登山道に落ちていた。

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左:姥子山東峰山頂 右:姥子山東峰奥にある祠

東峰で休憩していると、ポツポツと白いものが落ちてきた。息が白くなると思ったら、あられが降ってきたのだ。この時点で今日の天候回復はないなとあきらめムードになる。10:55体が冷える前に下山開始。

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右上:落ち葉の上にあられが点在

11:15白樺平。ここで行動食としてもって来たマドレーヌ(左上)を食べる。この先はまだまだ上りが続くから、元気付けだ。休憩して登り始めると、一度は止んでいたあられがまた降り始める。落ち葉に当たって、パラパラと音を立てるほど結構な量だ。

12:05再び雁ヶ腹摺山の頂に。まだあられはポツポツ降っているが、止みそうな感じだ。みそラーメンをつくって食べ、人心地つく。山の神からの富士山は見える?というメールに「富士山逃亡中」と返信して、この寒さから早く逃亡しなければと、片付けを急ぐ。

12:35下山開始。と目の前で激しくあられが降り始めた。止みそうな気配だったのに、一転して土砂振りに変わる。脳裏に車の状況が浮かんだ。こりゃあ大変だ。ノーマルタイヤだから、走れなくなるぞと、そこから一目散、全速力で下山。でも途中左側が切り立っていたり、橋が架けてあったりするところは、慎重に歩いた。滑落したら、かなりやばい状況になる。


景色はたちまち白く塗りつぶされゆく

13:00大峠に着くと、もう信じられない情景だった。真っ白。車のフロントガラスは白く埋もれているし、車道も真っ白。一刻でも早く、ここを脱出せねばと写真も撮らず、ドアを開けようとするが、開かない。いつもならポケットにキーを入れていれば、センサーで勝手に反応して開くのだが、ダメだった。懐からキーを取り出し、鍵穴に差し込んで開ける。エンジンも同じで、キーを差さないとだめだった。

そろそろと走り始めると、だいじょうぶそうだ。ローで時速20kmくらいで進む。でもこの道長いんだよねえ。ということで、慣れた頃セカンドで30kmくらいで走ってみる。だいじょうぶそうだ。と思った矢先、左カーブでスリップ。やっちまいましたよ。車は尻を振って、側壁に激突。バウンドして元の姿勢に戻った。アクセルをもうちょっと早く踏んでれば、激突しなかったかも。でももう後の祭りだ。衝撃の割には被害は少なく、リアの下部に擦過痕が残っただけだった。でも太陽の下で見るとすごそうだ。

その後は道路上にあられ(雪)が見えるうちは、おっかなびっくりで、歩くようなスピードでのろのろと進んだ。すると、みるみるうちにボンネットにあられが降り積もっていく。この状況が20~30分続き、ひたすら「忍」の一字。

標高が下がってくると、あられはみぞれになり、甲州街道辺りまで来ると、雨に変わった。対向車のドライバーは、なんで雪をのせてるんじゃと怪訝な顔で私の車を見ていった。不審車両は、そのまま高速にのったのであった。


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