甲州高尾山 標高 1106m 棚横手山 1306.2m 宮宕山(大滝山)1362m 山梨県
2018年10月28日(日) 晴れ
メンバー 山の神と私
コースタイム 8:00大滝不動尊奥宮駐車スペース8:10--菱山深沢林道--9:15甲州高尾山9:32--10:05富士見台--10:18源次郎林道10:25--10:40棚横手山--11:00頃 宮宕山(大滝山)11:09--11:23棚横手山(昼食)11:56--12:54展望台12:59--13:20大滝不動尊奥宮駐車スペース
最初の計画では、源氏山をロングコースで歩こうとしていたのだが、9月30日から10月1日にかけて日本列島を縦断した台風24号の影響で土砂崩れがいたるところで発生し登山道が寸断されていたとの山行記録を読んでしまい、行く気力が失せてしまった。
さあ、どこに行こうか。もっと近くで帰りにさほど渋滞にはまらないようなところということで、思い浮かんだのがここだった。
自宅を5:00過ぎに出発。中央道に上がると比較的交通量はあって帰りが思いやられるなと早めの下山を心の中で誓った。とはいっても、この日の行動時間は短く、渋滞は30分ほどで切り抜けられる予定だった。談合坂SAで山の神とともに前日に買っておいたパンで朝食をとり、勝沼で高速を下りる。少し遠回りになるが、コンビニがある塩山方面に移動して昼食の買出しをする。順調に進んだのはここまでだった。
左:大滝不動尊奥宮駐車スペース。右側に写っているのはトイレ(冬季閉鎖) 右:「棚横手山」の標示に従い林道へ
大滝不動尊の近くまで来て道標を見つけ右折。ぶどう畑のなかの細い道を上がっていくと、獣よけの柵が巡らせてあり、道もその柵で塞がれていた。行けないのか。いったん戻り、前宮からなら行けるかもと車を移動させたが、同じように柵が巡らせてあって、状況は変わらない。車から下りて柵に近寄って見ると、錠が下ろされているわけではなく、手でなんなく開けられるではないか。開けたら必ず閉じてくださいと記されていた。近くにいた犬の散歩中の年配者に聞くと、入ってだいじょうぶだという。ただ、山登りなら、奥宮のほうから行ったほうがいいといわれる。この先は道幅が極端に狭いからその車だと厳しいねといわれた。
引き返して、再び奥宮を目指した。山の神に道を塞ぐ扉の開閉を頼み、さらに上がっていくと、見覚えのある大滝不動尊奥宮に到着した。すでに車が2台停まっていた。
予定より遅れて8:10、山の神とともに奥宮前を出発する。当初の予定コースである奥宮からの登山道はなにやら避けたほうがいいようなことが書かれていたので、目の前にあった「棚横手山」の標示が出ている菱山深沢林道に足を踏み入れた。
左:倒木が林道をふさぐ 右:林道から左手の登山道へ
舗装された林道をテクテクと歩いていくと、山腹から転げてきた石がごろごろと落ちている。やがて道の半分を塞ぐ倒木、そして全面的に塞ぐ倒木も出てくる。山の神とひどいなといいながら、隙間を縫って歩く。
そのうち林道から枝別れした作業道なのか、登山道なのかよくわからない道に出くわし、稜線に上がれる道なのかと期待して上がってみたが、途中で道は途切れていた。やむなく引き返し、いずれにしてもこのまま林道を進めば登山道と交わるはずだからとどんどん進んだ。やがて登山道とおぼしき道が出てきて(写真右上)、林道を離れる。
まもなく左右に分かれる登山道を発見し左手へ。富士見台に向かったつもりが、ピークに達し先着様から「ここは甲州高尾山」と聞き言葉を失う。このまままっすぐ進めば、棚横手山では?
甲州高尾山から甲府盆地を望む
地図を見てもよくわからない。景色を見ているうちに以前来たときの記憶がよみがえり、ようやく位置関係が判明した。林道をかなりの距離歩いたようで、登山道が横切っているのにも気づかずに、ぐるりと回りこんで方向が逆転していたのだ。
それにしても甲州高尾山に山頂標示がないのは、台風のせいなのか。樹木もなくなっているような気がする。あいにく写真を撮らなかったので、直近で登った人の写真と比較できないのは残念だ。
左:稜線の樹木が根こそぎ倒されていた 右:大滝不動尊への分岐(帰路はここから下った)
剣ヶ峰には行かず、引き返す。稜線の樹木がそこここで根こそぎ倒れていて、強風が吹き荒れたことがわかる。先ほど上がってきた分岐を越えるとすぐに展望台・大滝不動尊への分岐が出てきた。やはりさっきのピークは甲州高尾山だと確信する。
富士見台側へ向かうと、派手にひっくり返っている巨木が根っこもあらわに横たわっていた。
気持ちのいい稜線を進む
幹の途中でぽっきり折れている木なども見ながら稜線を上がっていく。青空のもと、色づきはじめた木々の梢やススキの穂が風にたなびいている。気持ちのいい開放的な道だ。
富士見台への道
登山者が少ない静かな道を進み、 10:05富士見台に到着する。富士山はほとんど雲に隠れていて、富士見台になっていなかった。途中その姿を少しだけ拝めたが、この後その姿を再び見ることはなかった。
富士見台からいったん下り登り返すと、源次郎林道に出る。真ん前に登山道に上がる階段が付けられている。10:18ここで山の神とともに小休止をとる。
左:棚横手山山頂 右:宮宕山(大滝山)山頂。山頂標示のプレートはどこかへ吹き飛ばされていた
林道から棚横手山はすぐだった。年配の方たちのパーティと単独の方が下りるのと入れ違いに山頂に立つ。真新しい山梨百名山の標柱が立てられていて、見晴らしもいい。
ここから予定どおり宮宕山(大滝山)まで足を延ばすことにし、この山頂はスルーした。登山道はしっかりと踏み跡があり、それをたどればよさそうだったが、それらしきところに来ても、山頂標示を見つけられない。下山してから、ウェブ検索をして、山頂は写真右上のところだったと判明した。どうやら、ここも強風ガ駆け抜けたようで、山名を記したプレートが飛ばされたようだ。本来なら中央に見える樹木の幹(紐のあるところ)にプレートがあった。
宮宕山の奥にはカラマツの美林
ということで、宮宕山山頂がわからず、右往左往してその先にまで足を運んでしまった。正面にカラマツの美林が出てきて、ちょっと癒された。よく見るとカラマツの左右にはうっすらと道があり、右手に進めば宮宕山ではないかともこのときは思ったが、山の神が戻ろうよとひと言発したため、後ろ髪を引かれつつ、これ以上進むのはやめることにした。
左:引き返すと決まれば余裕ができ、紅葉も愛でられる 右:稜線から大滝不動尊奥宮へ下り始めると倒木だらけ
11:23棚横手山まで戻り、昼食にした。予定より若干遅れているから、のんびりせずに食べたらすぐ出発だと、おにぎりをほおばりバタバタと片付けて山頂を後にする。
来た道を戻り、 展望台・大滝不動尊分岐から下りに入る。自然の猛威を思い知らされる倒木だらけの道だった。いちばんひどかったのは写真右上の箇所で、右の斜面へ強引に上がり、倒れている木の枝につかまりながら横移動し、崩れやすい土砂に足をとられながら下降し登山道に戻った。
左:大滝不動尊奥宮 右:不動尊の傍らにあった石仏
林道に出て一息つく。その後、名ばかりで展望のない展望台で水分補給し、奥宮への下りに入った。朱色の建物が見えてきて、やっと着いたと安堵した。水量の少ない垂直の不動滝を背景に拝殿がそびえている。隣にはちょっと恐いたたずまいの石仏が並んでいた(写真右上)。
13:20急な階段を下っていくと、奥宮の駐車スペースに出た。朝停まっていた車2台はすでになくなっており、新たに1台。こんなに車が少ないのは、獣よけの柵のせいなのか、台風による倒木のせいなのか。
今回の山行は、結果的には源氏山と同様、台風の生々しい爪跡が残された登山道を歩くことになった。各地の山にもそうした爪跡は残されているだろうから、今後は当面行く前にチェックが必要かもしれない。
帰りは、やはり避けられなかった中央道の渋滞に少しだけはまり、16:00頃に帰宅した。
参考:当ブログ丸坊主の甲州高尾山