目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

乗鞍岳Part1~剣ヶ峰

2013-08-14 | 山行~北アルプス

剣ヶ峰 標高 3,026m 蚕玉岳(こだまだけ) 2979m 長野・岐阜県

2013年8月3日(土) くもりときどき晴れ |

メンバー 山の神と私

コースタイム 8:20乗鞍観光センター前臨時駐車場 シャトルバス9:00--9:50バス停大雪渓・肩の小屋口--(渋滞)--10:20肩の小屋10:28--蚕玉岳--(渋滞)--11:20剣ヶ峰11:23--12:00肩の小屋(昼食)12:30すぎ--13:10畳平13:35--お花畑周遊--14:23魔王岳--14:33畳平 バス15:05--16:00乗鞍観光センター

早朝4:00頃起きだし、4:37予定より7分遅れで家を出発する。さすがに夏本番、レジャー真っ盛りの時期だけあって、中央道はいつもより交通量が多い。少しでも先に進んでおこうと双葉SAはパスし、諏訪湖SAまで足を延ばして朝食にした。

長野道に入り、松本ICで下りる。コンビニで昼食や行動食の買出しをし、158号をひたすら走る。狭い隧道を注意深く抜け、乗鞍方面へ左折していく。今晩宿泊予定のペンション優の場所をチェックしながら坂道を登っていく。ひとしきり上った先に乗鞍観光センターが出てきた。すでに満車のサインが出ていて、反対側の臨時駐車場に車を入れる。

駐車場に入ったのが8:20。8:30のバスに間に合うのでは、と山の神を急かしたが、自分でつくってきた計画表をみると、8:30のバスはなかった。次は9:00、そしてその次が9:30。てっきり30分刻みだと思い込んでいたのだが、そうではなかった。バスの時刻がわかって気合が急速に抜けていく。しかし9:00まで、まだだいぶ間があるとはいっても、次々に車が駐車場に吸い込まれている。バス停で並んでおかないと、厄介なことになりそうだと、山の神とともに最後尾についた。

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左:乗鞍観光センター前の駐車場 右:大雪渓。青い点は学校登山の中学生たち

しばらくすると、アルピコのスタッフが来て、バス待ちの人数をカウントしていく。ここまでが1台目、ここから2台目とやっている。全員座れるのだ。そのうち、たいそう図体のデカい低公害と表示された真新しいハイブリッドバスが滑り込んできた。乗り込むと、車内は広くて快適。つり革に必死につかまりながら立ちっぱなしを覚悟していたので、このギャップは非常にうれしい。

ほぼ定刻どおりバスは観光センターを出発し、山道を上りはじめた。途中休暇村や明日行く予定の三本滝の前を通過していく。ヘルメットをかぶったチャリラーや、クロカンの夏場のトレーニング用なのか、板にローラーがついているもので、必死に走っている人を何人も追い抜いていく。高度を上げていくと、圧倒的なパノラマの景色に歓声があがる。大雪渓・肩の小屋口には9:50に到着した。

大雪渓のえぐれたコブ斜面をスキーヤーが、颯爽と滑っていた。この大雪渓では、夏スキーができるのだ。当然雪質は悪いので、上級者向きだが。

さてどこから登るのだろうと、周囲を見渡すと、青い放列が視界の端に入ってきた。うぇ~、学校登山だ。しかたなく、最後尾にくっつくも、すぐに動かなくなった。渋滞だ。いつ肩の小屋に着くんだろうとため息がこぼれる。立ち止まっていると、後ろから来た人が登山道をはずれて、雪渓のなかを歩きはじめた。その手があるか。真似して、登山道からそれて、ショートカットを試みる。青い一団を気持ちよく抜き去る。でも、前方には、まだまだ青い一団が大挙して歩いていた。

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左:登山者でにぎわう肩の小屋前 右:肩の小屋を振り返る。後ろは摩利支天

それでも、10:20に肩の小屋に到着した。すでに大勢の登山者でごった返していた。トイレには長蛇の列ができている。すごい人だねえ、と山の神と感心していたが、学校登山の生徒たちよりも先にここを出なければと、小腹が空いた胃の腑に行動食を速やかに詰め込んで、脱兎のごとく小屋をあとにした。

だいぶ登った頃、後ろを振り返ると、青い一団がこちらに向かってくるのが見えた。これはいかんと、山の神とともに歩みを速めた。

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左:火山湖 右:蚕玉岳の標柱。後ろの点々は剣ヶ峰に向かう登山者

蚕玉岳手前で人が溜まっていると思ったら、火山湖がよく見える。残雪と群青の湖面、そして雲海が妙にマッチングしている。蚕玉岳は、標柱だけ撮影してさっと通過する。剣ヶ峰が後方に見えている。

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左:狭い山頂に登山者の群れ。剣ヶ峰山頂 右2点:山の神と私

登りはじめると、だんだん前の人との間隔が詰まってきた。頂上小屋を過ぎてぴたりと止まった。渋滞中。しばらく亀のスピードになり、ようやく山頂。そこにはあきれるほどの人の群れ。剣ヶ峰の標柱とともに記念撮影しようという人が列をなしている。並んでまでして写真は撮らなくていいと、山の神とともにその人ごみから早々におさらばする。

下り始めたはいいが、すぐに前を歩いている人たちに追いついてしまう。人がとにかく多すぎる。12:00ようやく肩の小屋まで戻り、昼食にありつくことができた。でもここも、立錐の余地もないくらい、ちょっとしたスペースには人がいた。

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左:富士見岳 右:畳平へと向かう人の群れ

12:30過ぎ肩の小屋を出発。よく整備された遊歩道を畳平に向けて歩き始める。まもなくガヤガヤと後方から騒がしい声がして、振り返ると、おお、学校登山の生徒たち。追い抜かれてはたまらないと、山の神とスピードアップする。ときおり道端の花を撮影しながら、先を急いだ。

富士見岳と大黒岳は次の機会(そんな機会があるのだろうか)だななどといいながら、遊歩道を進み、13:10畳平に到着した。

Part2 「お花畑と雷鳥」へつづく
乗鞍高原~三本滝へとぶ

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冒険の遺伝子

2013-08-07 | 山・ネイチャー・冒険・探検の本

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『冒険の遺伝子は天頂(いただき)へ なぜ人類最高齢で、3度目のエベレストなのか』三浦雄一郎/三浦豪太(祥伝社)

豪太さんによると、「冒険の遺伝子」というものが実際に存在するということだ。この遺伝子をもつ人は、ドーパミン受容体に変異がある。スリルを味わうと、一種の興奮、満足感を呼び覚ます神経物質であるドーパミンが分泌されるのだが、これがきちんと受容されず、長いことドーパミンが出続けるらしい。つまりこの遺伝子をもつと、興奮、愉悦状態が人より長く続く。さて、三浦家の人間にこの遺伝子はあったのか? 答えは否だった。

なんだ、話が終わってしまうではないかと思ったが、すぐに話は三浦家を離れて壮大なものになっていく。冒険の遺伝子は、注意欠陥・他動性障害(ADHD)と密接な関係がある。これもドーパミン受容に異常があるケースだ。教育現場では問題になっているが、そのまま大人になる人は60%もいて、世の中の大人の3%くらいは、このADHDであるらしい。ノースウエスタン大学で興味深い研究がある。アフリカの都会型生活者、放牧型生活者でADHDの人を比較してみると、都会型は、だいたい生活破綻者・厄介者であるのに対し、放牧型は、村のリーダーになっていることが多い。それは何を意味するのか。人類は、このADHD傾向の冒険の遺伝子をもつ人が先導して、何万年もかけてアフリカの大地から、世界各地へと移動したのだろうと結論づける。

ジェノグラフィック・プロジェクト」という一大プロジェクトがある。IBMとナショナル・ジオグラフィック協会が共同で行っている、人類がどのように世界に広がったかを遺伝子レベルで調査しようというものだ。三浦家の父系の遺伝子をこの調査機関に送って調べてもらったところ(つまり分析するだけのデータがもう蓄積されている)、アフリカからユーラシアに入り、ヒマラヤを越え、チベット高原を抜けて日本にやってきた血筋ということ。そして母系も調べてもらうと、アフリカから中東、ユーラシア南岸を経、さらにインドから、ポリネシア、インドネシアを通り、オーストラリア、最後は島伝いに日本にやってきた血筋だということが判明した。思うに日本人は、大体この2パターンにシベリア経由という3つになるのではないか。

それと関連して興味深いのは、オーストラリアの原住民アボリジニに残る「ソングライン」といわれる、口伝を紹介していたことだ。そうした人類の旅路の記憶が口伝えに現代まで続いている。同じようにネイティブアメリカンにも口伝はあり、ポーラ・アンダーウッドによる『一万年の旅路』に詳しい。それは、火山の噴火や、洪水、ベーリング海峡をいかにして渡ったかなどの恐るべき記録だ。

以上の話は、だいぶ本筋の三浦家の話から脱線してしまっているのだが、非常に興味深く、面白く読めた。しかし、完全に脱線してしまったわけではなく、三浦家の冒険の話もきちんと出てくる。三浦家のなかで冒険といえば、人生いかに生きるべきかの目標と言い換えられるのかもしれない。この本のなかでは、その目標のことを“トキメキ”と呼んで、長寿の一要素に数えている。101歳の天寿をまっとうした敬三さんを例に出し、99歳でモンブラン山系でのスキー滑降、100歳で親子4代によるアメリカでのスキー滑降を果たしたそのバイタリティを称えながら、その根幹には、常に心ときめく次の目標(冒険)を掲げる姿勢があったと説明する。その姿勢を見て、一度は怠惰な生活を送っていた雄一郎さんも、一念発起するのだ。エベレストという目標を見出し、ついには3度も山頂を踏むことになる。

参考:
三浦雄一郎さん、エベレスト出発前の弁
http://blog.goo.ne.jp/aim1122/d/20130706

 

冒険の遺伝子は天頂(いただき)へ
クリエーター情報なし
祥伝社
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切込湖・刈込湖そして半月山

2013-08-04 | 山行~尾瀬・栃木・茨城

000p7192089半月山 標高 1753m 栃木県

2004年7月18日(日)~7月19日(月・祝) くもり

メンバー 山の神と私

コースタイム
7月18日 休暇村日光湯元13:25--14:15小峠14:25--14:53切込湖・刈込湖15:20--16:30日光湯元キャンプ場
7月19日 半月山駐車場9:18--9:43半月山展望台9:48--半月山--10:15半月山駐車場

天気に祟られた奥日光の山行となってしまった。さらには出端からくじかれ、東北道に入るや佐野藤岡ICあたりから11Kmの渋滞に巻き込まれた。ずるずると到着時間は後ろに倒れていった。湯元ビジターセンターに着いたのは、予定より1時間遅れとなった。そこで日光湯元キャンプ場のテント設営の手続きをし、10:30頃移動する。

テントを張り終えて、腹が減っては戦はできぬと11:20にはもう昼飯にしていた。パクパク食べて片付け始め、ちょっと歩こうかと山の神に言っている矢先、今度は雨がぽつぽつと、やがてザーザーと降ってきた。これはたまらぬと、近くの休暇村の建物に逃げ込んだ。喫茶室が開いていたので、山の神とともに雨が止むまで、ここで時間つぶしをしようと、抹茶オレをオーダーした。

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左:日光湯元キャンプ場にて早々に昼飯 右:小峠

その甲斐あって雨が上がり、雲が切れ、そろそろ出発してみようかと、13:25休暇村を後にした。ハイキングコースとしては、ぴったりのなだらかな道を進んでいく。皆雨にしびれを切らして歩き始めたのか、ハイカーは思いのほか多い。14:15小広い小峠に到着。岩壁の前で10分ほど休憩した。

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左:切込湖 右:日光湯元温泉の源泉

シラビソの森を抜け、14:53切込湖に到着した。たいした風があるわけでもないのに、なぜか湖面は小波(さざなみ)がたっていた。天気のせいもあるが、薄暗くて、霊気が漂っているふうで、ひゅーどろどろと出そうな処だった。お隣の刈込湖まで足を延ばした。

帰途は、湯元温泉の源泉に立ち寄った。○○旅館と書かれた看板が掲げられた小さい屋根がいくつもあって、何だろうと覗いたら、源泉だった。屋根の下からお湯がコンコンと湧き出していて、各旅館までそのお湯が引かれている。

16:30テント場にたどりつき、初日の山行は終了した。

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左:半月山駐車場 右:半月山展望台へ移動

2日目、7月19日朝、小雨が降ったり止んだりしている。予報では、降水確率20%なのだが、どんよりと黒い雲が上空に垂れ込めている。それでも私は予定どおり出発するぞと、山の神とともに5:00には起きだし、朝食にした。フランスパンにたまごマヨやはちみつを付けて食べ、コーンスープを胃の腑に流し込む。ふと目の端で動くものをとらえた。100mくらい先の斜面に野生のニホンザルの群れがいた。人間などまるで眼中にないように移動していく。こっちに向かってきたら、怖いななんて思っていたが、まったくそんな気配はない。ここでは人間との共存がきちんとできているのだろうか。

8:30すぎ、テントを撤収して車で移動する。途中でガソリンを補給して、半月山第2駐車場に入る。

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男体山と中禅寺湖

9:18コースタイムが短いこともあり、簡単な荷物だけをもって歩き始める。ほどなくして、半月山展望台に到着する。眼下に男体山・中禅寺湖がど~んと見える大迫力の展望だ。青空も覗きはじめ、絶景。目を凝らすと、湖面のボートまでも見える。ただ残念だったのは、白根山方面がどうしようもないくらいに厚いどんよりとした雲に覆われていたことだ。

展望を楽しんだあとに、半月山山頂をピストンする。山頂は碑があるのみで(冒頭の写真)、これといって面白みのないピークだ。駐車場には、10:15に戻った。

11:00過ぎ汗を流してから帰ろうと山の神と画策し、奥日光高原ホテルに移動する。風呂は掃除中ですよ、とホテルのスタッフに言われるが、まもなくOKが出た。2F右手一番奥の露天風呂に入る。白濁の湯で、なかなかくつろげていい。当時で大人¥600(2013年現在¥800)だった。

風呂に入ったら、次はメシだ。中禅寺湖畔で食べられるところを物色した。よさげだったのは、レストラン「メープル」(欧風料理)。でも入ってびっくり。メニューは、かなり高めの値段設定だった。お財布の中身を考えて、ビーフカレー¥1,200を食べる。ほかに安めなのはパスタのみだった。他は¥2,700~。レイク・ビューで、こじゃれているので、人気はあるようだ。

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