セカンドライフ 

歳を重ねるのも悪くはない

書道家・高田 深雪(タカタミユキ)氏

2011-01-18 | セカンドライフ
母は化け物?深雪氏の事を娘さんは、母は常人とは思えないと「母は化け物」と称して、
ブログにされた。
深雪氏は一昨年鎌倉で個展をされたので、伺いお目にかかった。
小柄で物静かでお優しくて、握って下さった小さな手も軟らかく赤ちゃんの様だった。
書をする時は別人らしい。

99歳になろうとする深雪氏はお二人のお姉様がいらっしゃる。友達が昨年京都にお住まいの
お姉様の100歳のお祝いに出向かれたので驚いたものです。
昨年2月に最愛のご主人を亡くされ、とても気落ちされたご様子だったが、この度のお顔を拝見し
嬉しかった。
私の喜びをお分けしますね。


文章はご長女、高城禎子氏

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 たびたび登場する98歳の母。自宅と別荘(介護施設)を行ったり来たり・・。
施設に入っていてもお習字のお稽古、俳句の会、その他の集会に弟の送り迎えで
出かけていく。

ゆっくり楽にしていればよいのに・・・。

朝、介護士さんが部屋に来る前にカーテンを開けて空を見るのが日課。

身づくろいをして朝からしゃきっとしている。

家にいる時 ・・・骨折をする前までは必ず朝トイレの掃除をし、トイレの床を拭くことから
一日を始めていた。

先日、母にパジャマを着るのを手伝った時、気がついた。
私は子供の時から母の寝間着姿を見たことがない。

朝から夜までお客様が多い家だったせいだろうが
母は朝からきちんとお化粧をしていたし、夜は私より遅くまで起きていたのかもしれない。

昨日も、今日も今年一番の寒さの記録が更新されている日に、何と母は鎌倉から
東京・駒込に行ったのだ。

「今電車に乗っています」と言う弟からのメールに驚く。
私は寒くて寝坊してパジャマのままガウンを着てうろうろしていた。
なかなか朝のエンジンがかからない・・と思っていた時だ。

私だったら自分は高齢、寒いから寝ています・・・と、ぬくぬく過ごすだろうに・・・。

寒い中、毎年恒例の駒込、北里画廊での芝風会という母の書道のグループの
展覧会があるのだ。
私も去年までは何回か出かけたが遠くて行くのは億劫であった。

弟も面倒なのに電車を乗りついで車いすを押してよく連れて行ってくれたものだ。

頭と口が達者で自分がもうすぐ99歳になると自覚していない化け物のような母である。

(写真は朝日新聞社 知的財産センターの物。昨年、敬老の日特集に朝日新聞に掲載された写真。
 さすがプロの写真である。)