昨日7月29日は、東京で芝居一つと横浜で展示を少し、そして友人との会食を楽しんで参りました。
まずは、東京下北沢駅前劇場で上演中の QC3000「脳内DISCO bug」14時公演。
オクイシュージ氏の放つ、アドリブと台本の境界融合を目指したコント集です。
私は久ヶ沢徹氏ご出演ということで足を運びましたが、期待以上の臨場感に満ちた舞台にニヤリ。どのようなゆらぎを持っていたのか、複数回見届けられないのが残念でなりません。
存在感のある空気を持った5人の役者さんたち。気になる存在が増えてしまいました。(そして、佐藤貴史氏はほんの少しだけ音尾琢真氏と似ているような気がしたのは私だけでしょうか。)
ところで最近、いろいろな創作物を見ていて感じるのが、都市生活に立脚した文脈が非常に多いということです。制作者が都市で生活している以上あたりまえのことなのかもしれませんが、なにか世の中の落とし穴を象徴しているようで釈然としない気分になります。もう少しひきつづき考えてみたい問題です。
さて、次に、横浜の新港地区で開催中の「OPEN STUDIO Vol.2」 のリベンジ鑑賞。前回見逃した数作品を滑り込みで拝見してきました。
気付いてみれば『なぜ前回気付かなかったのだろう』という映写位置。ひょっとすると、柱の出っ張りが前回の私の立ち位置からの視界を偶然塞いでいたのかもしれません。なお、見逃していたのはスライドショー作品3つ。以下ひとくち感想&勝手な解釈。
「bottom line」 : 視点対象の固定と周囲の変化。変わらないものと変わるもの。潔い。
「風景の箱」 : 風景をXYZ軸から捕捉し、直方体として表現。非常に面白い。とても好きな作品です。
「ビヴラート」 : 床面すれすれに映写される小さな小さな扉。まるで異界にでも通じていそうに見えてしまいます。縮尺が変わるだけでこんなにも印象が変わる不思議を実感。大好きな作品です。書庫の片隅にでもこっそり映写しておきたいなあと夢想してしまいました(笑)。
bottom lineにニヤリとし、風景の箱に感心し、ビヴラートに心をつかまれました。あぶなく見逃すところだったこれらの作品、出会えて本当に良かったと思います。
ふと思い返せば、私は極端な縮尺の、小さな作品が好きなようです。三重県立美術館で階段の隅にみかけた小さな小さな螺旋階段のオブジェ。横浜トリエンナーレ2001でみかけた小さな小さな扉。昨年のトリエンナーレ2005で観たさわひらき氏の映像作品「trail」。そして、今回拝見した扉の映写作品「ビヴラート」。いずれも、別世界や別の規範の気配を感じさせてくれるとでもいいましょうか。どこか懐かしさと憧れを惹起させるような心地良さを与えてくれる作品だと思うのです。
小動物たちを見ていても感じることですが、小さなものに宿る存在感は、独特の確固たる世界を築き得る要素なんではないかと思えます。
さて、最後に大学時代の友人と久々の会食。
話題は多岐に。以下、特に面白かったことだけキーワードで。
西ナイル熱と日本脳炎の抗体交差性について。
アメリカのBSEリスク評価の恣意性について。
プリオンの立体構造について。
鳥インフルエンザのバックミューテーションリスクと暴露群のポピュレーションについて。
パンダちゃん展について。
仔パンダの可愛らしさがズルすぎることについて。
クマの体重測定について。
イタリアのスリについて。
サラリーマンNEOについて。
ヨコハマEIZONEについて。
これだけ広範囲に話の通じる友人に感謝。
ごくごく個人的に嬉しいことも多く、たいそう充実した本日でした。