オイル・マネー復活
―原油高で大儲けするエクソンとサウジアラムコ:230407情報
世界的な天候不順や災害、化石資源への構造的な投資不足、地政学的緊張等の複合的な要因によってエネルギの需給がひっ迫し、2021年後半以降、歴史的なエネルギー価格の高騰が生じています。
エネルギーは国民生活や企業の生産活動に欠かせないものであり、エネルギー価格が継続的に高い水準で推移すれば、製品価格の上昇と購買力の低下等を通じて、各国の経済活動の大きな足かせになるのみならず、政治・経済・社会に更なる悪影響を及ぼしかねません。
さらに、2022年に入ると、2月にはロシアがウクライナに侵略し、世界のエネルギー情勢は混迷を深め、エネルギー価格の上昇は一過性のものにとどまらず、各国政府は、中長期的な脱炭素の流れを認識しながらも、安定・安価なエネルギー供給を最優先に、価格抑制策や低所得者等への支援策や、産油国・産ガス国への増産要請、備蓄の強化、調達先の多様化等の政策を展開しています。それでも、エネルギー価格の上昇は抑えられません。産油国が「減産」しているからです。
このおかげで、産油国は大儲けという図式が出来上がっているようです。この間の事情を専門家に解説していただきました。
オイルマネーの復活というところを見ていきたいと思います。
原油高で、ペルシャ湾岸の産油国に大量のマネーが流入しておりまして、サウジアラビアなど、湾岸協力会議の6つの産油国の2022年の経常収支黒字は、3,460億ドル(46兆円)。その前の年の2.5倍ということで、石油を売っていれば、黙っていてもどんどんお金が入ってくるということです。
2012年に、この6つの産油国の経常収支黒字が3,893億ドルで、これが最高だったのですが、これに迫る勢いだということです。
さらに、サウジアラビアを見てみると、サウジアラムコというウジの国有の石油企業ですが、2022年に1,611億ドルの純利益を記録しました。
2022年、世界でトップクラスの利益を上げている企業を見ると、
1位 サウジアラムコ(1,611億ドル)
2位 アップル(998億ドル)
3位 マイクロソフト(727億ドル)
4位 アルファベット(599億ドル)
そして5番目が、アメリカの総合エネルギー会社のエクソン・モービル(557億ドル)ということです。
要するに、世界で儲かった企業の第1位と第5位が、石油で儲かっている企業ということです。完全に石油復活なんですね。
なので、サウジアラビアもまた非常に財政的に余裕が出てきています。
そのチャンスを作ってあげたのがバイデンさんだということで、ロシア憎しで始めさせたウクライナ戦争のおかげで石油がどんと上がり、それでサウジは儲かってしまった。
そして、エクソン・モービルも史上最高益をたたき出しましたということで、バイデンさんは石油産業を潰そうと思って色々やっていたのですが、逆に復活させてしまったのです。
この点でも非常に愚かですが、それだけではなく、アメリカの国益を非常に大きく損なったということです。
なので、オイルマネーが復活してきているということで、アメリカの中でも石油派やトランプ派は喜んでいるわけです。
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