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アメリカのメディアと選挙:230416情報
統一地方選挙の前半戦は9日に投票が行われました。前半戦には選挙がなかったわが住まいの北区でも後半戦(16日告示、23日投票)の区長と区議会議員選挙がありますので、それなりに騒がしくなるかもしれません。
また、何らかの形で選挙運動に携わったことがある人にとっては、お祭りと同じ、高揚感に満ち溢れた季節の到来と言えるでしょう。私自身、選挙運動の中枢にいた経験から、いくら理想論を掲げても、最終的に日本の選挙には、地縁、血縁や利害損得の利益誘導なしには成立しませんから、外見はスマートに振舞っても、内実はほとんど「演歌の世界」のように感じます。
それでは、民主主義の本場、アメリカの選挙事情はどういったものなのか、現民主党政権の不正問題はさておいて、一般の選挙運動はどういったものなのか、長年米国に在住していた政治学者の目を通して選挙事情を解説していただきます。
メディアの中立性
アメリカのメディアにも、いわゆる保守派と革新派というのがあります。しかし、あまりそれを露骨に出すと放送局が大問題になります。だからどちらかの政党を応援しながらも、中立の立場で分析したり、アイディアを出したりすることをしっかり行っています。
しかし、選挙が近づいてきますと、皆さんやはりイキイキしてきます。これは毎度のことです。
中立は保っているが、特定の政党や政治家を支援することがあります。コラムニストと呼ばれる人たちは、自分の立場を明確にして、「この人を応援している」「共和党を応援している」「民主党を応援している」などと、書いています。それはOKです。
大手メディアは?
世界的に有名なメディア、例えばニューヨーク・タイムズなどにおいては、事情が少し異なります。この巨大なメディアが特定の政治家や政党を応援すると、やはり大問題になります。新聞社として、「お前たちは何をやっているのだ」と批判されます。
それでもなお、ニューヨーク・タイムズはとても良い新聞だと思います。紙面を眺めると、様々な考えを持つ人々がたくさん出ている。土曜日には5センチぐらいの厚さのニューヨーク・タイムズ誌が届きますが、私はそれが楽しみです。
米国の政党政治
政治とメディアについてもう少し掘り下げて考えましょう。まずアメリカの政党について、一般的な理解を整理しておくと、民主党は「大きな政府」を、共和党は「小さな政府」を支持していると言えます。大きな政府とは、政府が税金をしっかりと集めて、それを個々人に代わっていろいろなことを行う。それによって国を良くしよう、という発想です。
共和党の主張はそれと反対で、政府の役割を小さくする一方、個々人が出来ることを増やしていきましょう。個々人の責任で物事をドンドンと進めましょう。その方が、国が栄えるのではないか、という発想です。
より端的に表現すると、民主党の考え方は、今の日本と同じようなものと言えるかもしれません。すなわち、中央省庁にお金を集めて、官僚たちが良いと決めたことにお金を使う、というシステムです。
一方の共和党は、「官僚の数を減らせ」「政府も小さくしろ」「税金もそんなに集めるな」と主張します。国民一人ひとりが稼いだお金は、それぞれのお財布の中に入れるべきだ、と考えます。
共和党と民主党はよく間違えそうですが、それぞれの政党を支える哲学には大きな違いがあります。だから選挙は激戦になるのです。
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