土狸庵ゆめ日記

土タヌキおやじのひとりごと。

一閑楽座考5

2013年11月25日 22時03分04秒 | 一閑張り考
10年ほど前の、目からウロコの品がコレ!





どちらも江戸時代の一閑張りを修復したもの。

ある古物屋さんで見つけたものだったが、古物屋さん曰く、
どうやら江戸時代の防火用の備品だったらしい。

竹かごを和紙で貼り固め、柿渋と漆で塗り固めてあり、
持ち手には竹の棒が付けられている。
いまで言うバケツのような役目だったそうな。

でも、水を入れるなら木の桶のほうが丈夫だと思うので、
その真意は確かでは無い。

そんなことより、このフォルムと侘びの美しさに一目ぼれ!
かなりボロボロで、触るのも危うい感じだったが、
残せる部分を出来るだけ残して古文書で幾重にも補強、
柿渋で塗り固めて、なんとか修復したものだった。

これぞ一閑張り!と、目からウロコが落ちる思いがして、
展示会でも非売品として大切にしていたのだが、
妙齢なご婦人に「花活けにどうしても!」とせがまれ、
出された金額にコロッと負けて手放してしまったという、
まことにお恥ずかしい、苦い想い出のある品だ。