
おー。やっとついた。
最後の階段を力強くふみしめる。道路を隔てて、その先が
映画「グラン・ブルー」の舞台、イソラ・ベッラ。
はやる気持ちとは裏腹に、足はもつれる。
でも、娘はまったく軽い足取りで、先に進む。
「待ってぇ、ちょっと」と息を切らした私の弱々しい声・・・。
娘は私との旅で、「弱い者」をいたわるる心も学ばなければならなかった。

小舟が出ていた。どうやら、「青の洞窟」までの舟らしい。
でも、夕方にようやくたどり着いた私たちは、まずは
たどり着けただけで満足で、舟にまで乗る気には何故かなれなかった。
写真真ん中に小さくドットになっているのが、その舟。

「青の洞窟」という名前の洞窟が世界には何個あるんだろう。
てっきりカプリ島にだけ存在するものだと思っていた私には
シシリア島のタオルミーナで、「青の洞窟」がある、と知った時は
本当に驚いた。のちのちマルタ島でも「青の洞窟」の存在を知った時は、
どこにでもあるのね、とクールにわけしり顔をしたものだ。
さて、日本にも「青の洞窟」はあるのだろうか?

さて、イソラ・ベッラに続く、かわいい砂の道ができていた。
満ち潮になると消えてしまう、はかない道。
娘は嬉しくてたまらないかんじで、その上で遊びだした。
もちろん裸足。ただ、その先はすでに道ならぬ道になっていて、
海の中を一足二足と蹴って進まなければならず・・・。
島まで探検するのは明日の楽しみ、ということにして、
暮れかけた空に追いかけられるように浜辺を去った。
残念だけど、浜辺沿いのお店も店じまいを始めていたし、
降りてくるだけで20分はかかった道を、今度は上がるのだ・・・・。
暗くなってあそこを上っていくなんて最悪!と思って・・・・。
しかし、ロープウエイがどっかにあるってガイドブックには書いてあったのに・・・(イソラ・ベッラ界隈までをつなぐ)と、
長い階段を恨めしく思いつつ、心の中でつぶやいた。
しかし、娘はタフで「ママ、大丈夫」とか「休もうか」とか振り向いては
私をいたわりながらも、軽々と私の前を上っていった。
今になって思えば、こうした何気ないことで、我が子の体力・脚力は
人並み以上に

娘の自慢は今や体力なんである、ほら、持久走とか水泳とか
体力がらみのことでは学校でもトップの軍団に入っているらしい。
さて、翌日、ナゾが解けました、ロープウエイに関してのね。