ドルフィンベルベット

高齢馬のケアと徒然日記

『兵隊たちの陸軍史』

2008年11月07日 20時21分38秒 | 読書日記
『兵隊たちの陸軍史』(伊藤桂一著)

昭和44年に出されたノンフィクション
太平洋戦争前からの徴兵や兵隊教育、営兵生活、人間関係、作戦、性格分析など、多くの事例とともに紹介している。
久々に本を読んで泣いてしまった

戦争は「戦わせる者と戦わされる者」しかない。
やはり、上層部は悪いのだということがよくわかる。

それはさておき、軍隊には騎兵隊がある
彼らは歩兵と違って銃よりも馬を大切に扱ったという 
馬はよく調教されていて、初年兵のいうことはきかないんだそう
だから初年兵は馬に「乗せて貰って」終わり、また訓練はキツかったけれど、生き物に愛情を注げるだけ、救いもあったのだという

ちなみに、戦地によっては戦死よりも飢餓や病気で亡くなった人の方が多かったらしいが、そんな時でも決して戦場で死馬の肉を食べることはしなかったそうだ。
また、騎兵隊出身の兵隊は、戦時中はもちろん平時の軍隊、社会生活においても馬肉は食べなかったそうだ。
これは馬と自分自身に対する道義心とある。
戦場で死馬の肉を食べなければならないほど追い詰められたら、潔く出撃して果てることを考えるという、潔癖な気質があり、生き物と一緒にいることで人間のプライドが保たれていたのではとある。

生き物と一緒に生活することは、どんな時にも人を幸せにするんだな
それだけが唯一の救いだ。
コメント
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