ドルフィンベルベット

高齢馬のケアと徒然日記

『きのうの神様』

2017年07月15日 07時46分26秒 | 読書日記
同僚A子さんから借りた本。
『ゆれる』、『永い言い訳』と同じ西川美和氏が医療(おもに僻地医療)をテーマにした短編小説集です。
こちらも映画になった『ディア・ドクター』も収録されています。

さまざまな勤務地、勤務形態で働く医師の心情、患者さんと家族、医療従事者の想い、などなど。
医療現場で繰り返される人の命や人生をテーマにしたドラマは、誰にとっても身近なもので、色々と身につまされるものが多かったです。

それでも時々ぷっと吹き出してしまうような描写も多くて、テーマは重かったりもしますが、悲愴感で終わることもありません。

『ディア・ドクター』では、外科医の父親が脳梗塞で倒れ、ICUで人工呼吸器にのっている彼の傍らで、大人になってから疎遠になっていた兄弟があることで笑い合い、看護師さんに注意されるシーンがあります。
数年前に祖母のお通夜で久しぶりに姉と会い、携帯のメアドを交換しながらおしゃべりをしていて、会場の女性に思いっきり睨みつけられたことを思い出して、クスっとなりました。

同氏の小説がもっと読んでみたいです。
コメント (4)
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