ちぎりおきし させもが露を いのちにて
あはれ今年の 秋もいぬめり
詠んだ人・・・藤原基俊(ふじわらのもととし)
詠んだ人のきもち・・・約束してくださった、させも草にやどる露のような
お言葉を、いのちと思い頼ってきましたが、
ああ、今年の秋も過ぎていってしまうようです。
ちぎりおきし・・・約束しておいた、という意味。
ここでは、当時の大臣が基俊に約束したことをさす。
(基俊は自分の息子を講師にしてくれるように大臣に頼んでいたが
秋になってもしてもらえず、がっかりした)
させも・・・させも草。ヨモギのこと。
ここでは、大臣が「講師にさせよう」と言ってくれたという意味も
こめている。