コンサートのゲネプロ見学、続きです。
ロビーに出てベンチにすわると、案内役の紺野等さん(音楽評論家。帰宅してから調べたら、ばんだい高原国際音楽祭の音楽監督をしていらっしゃるかたでした)が、軽くレクチャー。
紺野さんいわく、先ほどのゲネプロ、指揮者が全然演奏を止めず、本番みたいな完成度でびっくりだったそうで。
ふつうはもっと止めるらしい。止めるとこも見たかったけど・・・きっとジョセフ・リンさんがあまりにのめり込んで弾いていたので、止められなかったんじゃないかと、これは私の推測。
で、曲目とかについて少し解説したあと「じゃあ、モナさんを呼んできます」。
かるーく言って去っていきます。ほ、ほ、ほんとに?(まだ疑っている)
しばらくして、かるーく戻ってきた彼。 のうしろには、モデルですか?と言いたくなるようなお嬢さんが。
ちっちゃい頭に長い足。スリムな体、ストレートの黒髪。
黒のカットソー(かな?)に黒のホットパンツ、黒のタイツ。
ミュンヘン生まれでドイツ人と日本人のハーフ、モナ=飛鳥・オットさん、23歳。
「今日弾く曲はどうですか?」とかなんとか紺野さんがたずねると、
「はじめてオーケストラと弾いたのもこの曲で・・・」とかなんとかモナさんが答える。
あ、日本語ペラペラなんですね・・・なんかびっくり。
そのあと、参加者のひとりとちょっとした質疑応答して、面会おわり。
正味5分くらいでしたが、モナさんは話すとほんとにごく普通の、いまどきのお嬢さんでした。
あまりに楽な雰囲気だったので、あとで紺野さんに「演奏家さんって、本番前にあんなにリラックスしてるんですか?」などと訊いてしまった私。
紺野さん、苦笑していわく、
「いやいや、彼女は特別ですよ。楽屋のドアも開けっ放しにしてるくらいですから。普通はもっとピリピリしてる人が多いです」
紺野等さん、親切なレクチャーとご回答、ありがとうございました。
さて、紺野さんとは残念ながらここまでで、あとはふつうに本番の鑑賞です。
1時間くらい間があったので、劇場内のレストランでランチタイム。
ちなみにいっしょに行ったのは、お友だちのMちゃん(育児編にもちょこっと登場)。フルタイムでお仕事していてほとんど会えないので、本当に久しぶりのランチでした。
本番はどうだったのかも書きますね。
席ですが、前から6番目のどまんなかで、ひええ、こんなに前で見たことないわ~。生身の人が演奏している感じがビシバシ伝わってきます。
最初のソリストはマリオ・へリングさん。これまたドイツと日本のハーフ、若い、そして細い!
ラフマニノフのピアコン2番、1楽章はソチ五輪で浅田真央ちゃんが使った名曲。
演奏とともに、あの感動的なステップがよみがえります。
3楽章は、アルベールビル五輪で伊藤みどりさんが世界を驚かせた名曲。
あの華麗なジャンプがよみがえり・・・ませんでした、リアルタイムで見た世代なのに、ごめん、みどりちゃん。
マリオさんしか見えませんでした~。
休憩をはさんで、モナさん登場。
おさえたオレンジ色で薄手の生地の、シンプルなドレス姿です。
ロビーで見たときと変わらない楽な雰囲気のまま、にこやかにピアノに向かい、演奏が始まったとたん。
・・・別人。
「巫女さん」「憑依」という言葉が頭をよぎる。そんな一瞬。
だって、よりにもよってグリーグですよ。
CMなんかでも有名なハイ・テンションの和音が、ほとんど前置きもなく冒頭からバーンと鳴り渡る、あれ。
さっきまで、ふつうのお嬢さんだったのに・・・。
モナさん、ピアノパートがないときは、天を仰ぎながら歌ってました。
声は出してないと思うけど、口の形からすると「パーン パーンパパッパー」みたいな感じ(メロディわかるかただけ、わかってください)。
しかし・・・うら若い美人がトランス状態におちいっているのを見るのって・・・な、なんか、人前でこんなに無防備にしていいの?と言いたくなるような・・・。
それにしても楽しそう。怖いものなし、若いっていいなあ(ちがうか?)。
最後が休憩なしでジョセフ・リンさんです。
光沢のある茶色いチャイナスタイルの上着で、よけいに小坊主な雰囲気が。そんな彼は、ジュリアード音楽院教授。おみそれしました・・・。
この演奏はゲネプロで前半を聴いていたので、衝撃としてはそれほどでもなかったんですが、やっぱりトランス状態、怖いものなし、楽しそう。
怒涛の名演奏でした。
今回の座席は前のほうだったんですが、ピアノにかくれて指揮者が見えない、ピアノがなくてもオケが半分以上見えないという・・・。
音の響きとしては、ゲネプロですわった十数列目が最高かも。でも、モナさんのパンパッパパーは、前でしかわからないと思うので、一長一短ですね。
さてさて。
長々と書いてきましたが、こんなチケットをどこで手に入れたのかといいますと。
実は意外な経路。
ギフトカタログの、ソウ・エクスペリエンスという会社(コチラをどうぞ)の斡旋でした。
偶然、ネットでみつけて。
ネットでチケットを買ったことなんて一度もなかった私ですが、あまりの豪華さと締め切りまぎわだったため、思わずその場で注文。
でも、チケットが届くまで半信半疑、どころか、劇場に着いても半信半疑。
だってクラシックとはなんの関係もなさそうな会社だし・・・しかもチケット代、高いどころか割引きまでされてたんですよ。
別料金かかるんじゃないかとか・・・疑いたくもなりますよね?
疑ってすみません。会社の宣伝すらもなく、すごく良心的でした。
これはいったい何なのか、Mちゃんと考えたんですが、たとえば大手の顧客が前もっておさえていた席が都合でキャンセルされたから、小さいところ(?)に回ってきたとか・・・。
斡旋締め切りがコンサートの1週間くらい前、チケット到着が3日前と、思えばすごく直前だったんですよね。
急な斡旋だから、ゲネプロ見学のオプションつけて売り切ろうとしたとか? あ、そんなことない?
世間知らずなため想像力がなくて。
限定20名のところ、当日集まったのは8人だけでした。
8人のためにモナさんが・・・。
観客のいないコンサートホール、天から流れ出て、空間全体にふわーっと広がっていくようなあのヴァイオリンの音色は、人が入っていないせいもあったんじゃないかと思うと・・・。
どんな斡旋であるにせよ、出会ったのは本当にラッキー。
幸運としかいいようがありません。
ところで、幸運だったことがもうひとつ。
このコンサートは日曜日でしたが、当日は小学生の息子くんたちを、私の母に見てもらう予定でした。
しかしチケット注文後、2年生の夏坊の学年で、胃腸炎が流行しているという嫌~なお手紙が・・・。
まだ10月なのに流行? 早い、早すぎる。
無事でいてね、夏坊!
と祈ってたら、コンサート前日、土曜日の午後になって5年生の冬坊が「あたま痛い・・・」。
ずっと鼻風邪ひいてたけど、夜中に熱を出しそうなおなじみの気配・・・。
なんで午前中に言わないのよ、土曜日だからもう病院もしまっちゃったよ~。
去年の夏、はじめて家族で観劇しようと「ピーターパン」のチケットとったら、冬坊夏坊プール熱。
チケット4枚泣く泣く処分した思い出がよみがえる。
子どもがいる家庭でチケットとるって、ある意味バクチですよね。
だからずっと避けてたんですが、でもでも、もう小学生だし、いい加減に私だってちがう世界も見に行かないと・・・。
なんて、慣れないことを考えたから、やっぱりだめになるの? 私のやることっていつもこんなふう?
落ち込みやすい性格なので、いとも簡単に落ち込む私。
しかし夜は何事もなく過ぎ去り、翌朝、冬坊はめでたく平熱でした。
さすが5年生。体力ついたんだね。えらいぞ、冬坊!
私も勇気を出していろいろ動かなきゃね。
今回はいい体験をした上に、ブログに書くことで追体験もできて、とっても楽しかったです。
長文におつきあい、どうもありがとうございました!
臨場感溢れるブログに、また感動新たとなりました!
ランチタイムの抹茶パフェ&抹茶ロール、写真撮ったのに
照明の関係できれいな色が出なくて、のっけられなかった。残念(笑)。おいしかったよね。
子育てのブログに社会科見学の記事って、何だかすごくいいね。
ステキなママですね!ホントに。。
みきちゃんもステキですよ! いつ会ってもそう思うよ、ほんとに。
クラシックとは程遠い人間ですが、私もたまにはチビから離れてお出かけしてみたいな~と思います♪
また遊びにきますっ♪
風邪は治りましたか?
育児から離れてお出かけ、できるといいですね。