晴天の傘

 子供は雨具が大好きです。雨じゃなくてもいつも長靴。このあいだは、とうとう、青空なのに傘を差して買い物に出かけました。新しく買ってもらった傘を差してみたいのに、本当に必要な雨の日には、まだ片手で傘を支えることができず濡れてしまうので、支障のない晴れの日に差して行くのです。
 行きはようよう、得意げに傘を掲げて跳ねるように歩いていきましたが、帰り道にはその元気もどこへやら、閉じた傘が長くて扱いにくそうな様子。でも、最後まで自分で持つことを条件に晴天の傘を許可してもらっているので、持って欲しいとは言い出せません。
 復路を半分ほど来たところで、こちらから持ってあげようかと聞いてあげると、ちょっときまり悪そうに、うん、と傘を差し出しました。
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