キキとハル

 前回の報告からだいぶ時間が経ってしまったけれど、ハルの目やにや鼻水の症状はすっかりよくなった。鼻のおかしなぶち模様はもちろんそのままだけれど、目の周りや鼻の頭の汚れはきれいになって、くるりとした目の愛嬌のある顔立ちになった。
 いまやキキとハルは仲のよい子猫友達である。少し前までは、二匹が一緒になると、決まって取っ組み合いのプロレスごっこをはじめて、父や母が止めに入るまでいつまでも続けていたらしい (どうやって止めさせるかというと、取っ組み合っているキキとハルの顔の前に、糸のついたネズミのおもちゃをふらふらさせると、途端に二匹ともプロレスごっこをやめて、シンクロするようにネズミの動きを追うのである)。最近になってだいぶ落ち着いてきたようだけど、やっぱりときどき、二匹でごろごろ転げまわっている。父は、キキとハルのじゃれ合いっこがあまりにも可愛らしいので、動画で残せるように新しいカメラを購入した。
 眠るときは二匹が寄り添って寝ているらしい。このあいだ実家へ行ったら、お気に入りのピアノの上で寝そべっているキキの顔を、ハルが舐めてやっていて、私も二匹の仲のよさを実際目の当たりにした。
 性格についていうと、最初の予想が大はずれした。家に来た頃、キキはやんちゃ盛り、食べ盛りで、父や母にじゃれて噛みつき大暴れしていたのが、すっかり大人しくなって、食欲も以前ほどではなくなり、ふっくらと丸顔だった子猫のときの面影は薄れて、細面の物静かな少年というような雰囲気である。反対に、はじめ大人しかったハルは、どうやら体調が悪かった為だったようで、元気になったあとはお転婆ぶりを発揮しだした。気も強くて、父の手足を噛みまくり、キキと取っ組み合いをするときも、先に飛び掛るのはハルらしい。食欲旺盛で、ハルのお皿はいつもぴかぴか、油断するとキキの分まで横取りする始末。おかげでハルのお腹はぷくぷくしている。
 やんちゃなキキと大人しいハル、というイメージでつけた名前なのに、現実はすっかり入れ替わってしまった。そのせいか、私も両親も、よくキキとハルの名前を呼び間違えて、混乱する。
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