出雲から宍道湖を背に日本海の半島を回るバスには運転手と僕とお年寄りの三人だけだった。
市街地を抜けてバスが峠にさしかかると林の切れぎれに日本海が見えた。
まだ鉛色とまでは季節的にいかないのだろうか、それでもあきらかに自分の暮らす太平洋の海とは違った色合いの海に、雲の切れ間から光のシャワーが波頭の一角を照らしていた。
市街地を抜けてバスが峠にさしかかると林の切れぎれに日本海が見えた。
まだ鉛色とまでは季節的にいかないのだろうか、それでもあきらかに自分の暮らす太平洋の海とは違った色合いの海に、雲の切れ間から光のシャワーが波頭の一角を照らしていた。
でも、僕はその「暗さ」に惹かれる。
僕は、故に表情にも翳のある人を好む。
バスが大きくうねるたびに窓から海が見えて、よろけながらシートに捉まりながら撮っていました。
自分もあまり明るすぎる人はすこし苦手です。