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勇武の精神なければ亡国

2022-10-22 20:56:38 | 戦争
勇武の精神なければ亡国
“シーチン”修一 2.0

【雀庵の「大戦序章」102/通算534 2022/10/22/土】2000年振りに祖国を再興したユダヤ人国家のイスラエル。それには日本も貢献したが、今、同じユダヤ人が先頭になってプーチン・ロシアの侵略と戦っているウクライナに対してイスラエルは距離を置いている。「なぜ助けないのか、あまりにも冷淡ではないか?」と小生はいぶかっていた。

猪突猛進が大好きな吶喊小僧の小生は「義理と人情を 秤(はかり)にかけりゃ 義理が重たい 男の世界」。イスラエルは人情としてはウクライナを支援したいがロシアへの義理とか遠慮があり敵対したくないのかなあと思っていたが、それほど単純ではないようだ。

10/17の佐藤仁氏(学術研究員・著述家)の論稿「ウクライナ軍『イラン製軍事ドローンの次の標的になるのはどこ?』 イスラエルへの軍事支援要求を示唆か」は日本ではあまり報道されないイスラエルの事情、本音(?)を論じており勉強になった。以下転載。

<【13時間で37機のイラン製軍事ドローン迎撃】 2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。また民生用ドローンも監視・偵察のために両軍によって多く使用されている。

2022年9月からはロシア軍はイラン政府が提供した攻撃ドローン「シャハド136(Shahed136)」と「マハジェル6(Mohajer6)」を頻繁に使用している。さらに最近では「シャハド136」よりも搭載している爆弾量が少ない攻撃ドローン「シャハド131(Shahed131)」も使用してウクライナ軍だけでなく、キーウの民間施設や一般市民も標的に攻撃しているとウクライナ軍も発表している。

2022年10月に入ってからも首都キーウの民間施設や一般市民を標的としたイランの軍事ドローンの攻撃は続けられており、ウクライナ軍は13時間で37機のイランの軍事ドローンと3発のミサイルを迎撃して防衛したと公式SNSで伝えていた。

またウクライナ軍はイランの軍事ドローンによるキーウへの攻撃の被害の様子を伝える写真も公式SNSでアピールしている。そして「イランとロシアの2か国は“ならずもの国家”です。イランの軍事ドローンの次の標的になってしまうのはどこの国ですか? 今こそイランの軍事ドローンの攻撃をやめさせる時です」と訴えていた。

【イスラエルへの軍事支援要求を示唆か】 イランの兵器のほとんどは1979年まで続いた王政時代にアメリカから購入したもので、現在はアメリカとの関係悪化による制裁のためアメリカから購入できないので、特にドローン開発に注力している。

イランの攻撃ドローンの開発力は優れており、敵国であるイスラエルへも飛行可能な長距離攻撃ドローンも開発しており、イスラエルにとっても脅威である。イスラエルのガザ地区の攻撃の際に(イラン)はパレスチナにドローンを提供してイスラエルを攻撃していたと報じられていた。またイランでは開発したドローンを披露するための大規模なデモンストレーションも行ってアピールもしていた。

イラン製の軍事ドローンはロシア軍のウクライナ侵攻のために開発されたものではなく、イランにとっては敵国であるイスラエルを標的にして使用することを念頭に開発されたものだ。そのためロシア軍がウクライナで使用しているイラン製の軍事ドローンの攻撃力、破壊力についてはイスラエルのメディアも強い関心を示している。

ウクライナ軍は「イランの軍事ドローンの次の標的はどこでしょうか?」と公式SNSで伝えていたが、念頭にあるのはイランの敵国であるイスラエルだろう。

そしてウクライナ軍もイスラエルへ軍事支援の協力を呼びかけるかのように、あきらかにユダヤ人の出で立ちをした人の写真とともに「我々はどのようなテロリストにも屈しない。ウクライナは強く戦っている」とアピールしていた。

イスラエルにはドローン迎撃のためのアイアンドームなどが既にある。2021年5月10日から約3000発のハマスからのロケット弾や攻撃ドローンの9割を迎撃していたと報じられていた。実戦においてもアイアンドームの精度の高さを見せつけていた。アイアンドームは地上にいる人たちや建物への攻撃を回避させダメージを最小化させることができて、ハマスからの攻撃ドローンやミサイルを迎撃してイスラエル国土防衛に貢献していた。そのようなイスラエルの軍事技術はウクライナにとってもすぐにでも欲しいだろう。

【イランの軍事ドローンには強い関心を示すが一枚岩でないユダヤ社会】 イスラエルはロシア、ウクライナそれぞれとの関係を考慮してウクライナ紛争については中立であり、表面上は冷静である。ウクライナのゼレンスキー大統領はユダヤ人ではあるが、イスラエルはウクライナに肩入れもしていない。

イスラエルには戦後に主に欧州やソビエト連邦(ロシア)からのユダヤ人らがやってきた。ロシアから来たユダヤ人、ウクライナから来たユダヤ人がイスラエルには多くいる。彼らは自分たちや祖先が住んでいた国を支援しているわけではない。

例えばポーランドやリトアニア、西欧諸国からイスラエルに来たユダヤ人の多くは今回の紛争ではウクライナに同情的だ。ロシアから来たユダヤ人はロシア人から迫害、差別されていたし、ウクライナから来たユダヤ人はホロコーストの時代にはナチスドイツだけでなく多くのウクライナの地元住民も殺害に加担していたこともあり、ロシアやウクライナに対する感情もそれぞれの出自や家族の経験によって複雑である。

ナチスドイツの親衛隊は誰がウクライナ人で、誰がユダヤ人かの区別がつかなかったので、地元のウクライナ人らにユダヤ人狩りをさせて連行させ、射殺させた。ウクライナでは根強い反ユダヤ主義が歴史的に続いていたため、多くのウクライナ人がナチスドイツに協力したし、ナチスドイツの命令を断ることができなかったウクライナ人も多かった。

そしてホロコースト時代最大の大量虐殺と言われているバビ・ヤールでは3万人以上のユダヤ人が射殺されたが、このような組織的大量虐殺も地元のウクライナ人の協力があったから遂行できた。

そのためホロコースト時代にウクライナに住んでいたユダヤ人にとっては、ナチスドイツの手先となってユダヤ人殺害に加担していたウクライナ人は大嫌いで思い出したくもないという人も多い。当時の生存者らの多くが他界しているが、生存者らの経験や証言はデジタル化されて今でも語り継がれている。

このようにイスラエルのユダヤ人と言っても決して一枚岩ではなく、ウクライナとロシアに対してそれぞれの複雑な思いがある。イスラエルの国土防衛と安全保障の根底には「二度とホロコーストを繰り返さない。二度とユダヤ人が大量虐殺の標的にされない」という強い信念がある。

イスラエルでは徴兵に行く若者たちがホロコースト博物館でホロコーストの学習をしたり生存者の体験を聞いたりして、ユダヤ人国家防衛の重要性を学んでいる。戦後にイスラエルを建国してから、二度とホロコーストの犠牲にならないという想いで陸海空サイバーの全ての領域における安全保障と国防、攻撃から防御まであらゆる防衛産業を強化してきた>(以上)

「愛は一時的、憎しみは永遠」という言葉がある。憎しみがいつしか友情になったという小説「恩讐の彼方に」って現実にあり得るのか。作者の菊池寛は苦労人だったが、この小説などによって作家として名を挙げ、文藝春秋社を興し、実業家としても大成功した。

現実の世界では「恩讐の彼方に」とはならず、「奴らを絶対許さない、あの世に逝っても呪ってやる、恨み晴らさでおくものか」・・・憎しみ、憎悪、敵意は永遠のようで、一番激しい感情ではないか。「中露北とは共に天を頂かず、撃ちてし止まん!」、小生はほとんどビョーキだ。

調べたら人間には8つの感情があるそうだ。不安、怒り、嫌悪、恥、悲しみ(以上が生存感情)、喜び/興奮、愛情/信頼(以上が愛着感情)、そして驚き(強化感情)。驚き(強化感情)というのは――

<「驚き」を引き起こす神経伝達物質としてノルアドレナリンが考えられます。感情を強化する働きがあり、「生存感情」を「愛着感情」に、逆に「愛着感情」を「生存感情」に変換する働きもあります。

例えば、恋人の浮気が発覚し、驚いた結果として、突然不安や怒りを感じたり、また、いままで嫌悪感を感じていた人が、実は裏で自分のことを守ってくれていたと知って驚いた結果として、その人に対して今度は喜びや信頼を感じるといったようにです>(ライフハックアニメーション)

「驚く」というのは大体、「こうあって欲しい」「こうはならないだろう」という期待/予想がはずれることによる。「勝てないまでも負けはしないだろう、それなら御の字だと思っていたら圧勝! まったくびっくりした」といった朗報は人生でもあまりないのではないか。

小生は第一志望の高校受験に受かった時、草むらに大の字になって感動した。最初の期末試験でけつっぺたであるのを知り、これまたびっくりして焦りまくったが、それ以外は「驚く」というのはあまりない。

締め切りだ! どうしよう? ええい、徹夜すればなんとかなる! ちょっとだけガソリン入れるか!? 気が付いたら朝だったり・・・いちいち驚いている暇がない、驚いていても進展しない、何の救いにもならない、驚く暇があったら焦りまくって原稿書け! 大人になるというのはそういうことだろう。

今の小生は中露北への「怒り、憎悪」がエネルギーになっている感じ(何となく生き甲斐リストの上位)。中露北殲滅を目指す同志が少しでも増え、皆が警鐘を鳴らすようになれば日本でも世界でも大きなパワーになり、共産主義独裁を一掃、さらに小生の余命が尽きなければ過熱化した銭ゲバ資本主義も修正できればと願っている。

「恩讐の彼方に」ということでイスラエルはウクライナを支援できないものだろうか。憎しみの連鎖をどこかで断たなければ永遠に続いてしまう。プーチン・ロシアのウクライナ侵略は現代のホロコーストではないか? プーチンは己の野心「偉大なるソ連帝国復活の英雄」として称賛されたいために戦争を仕掛けたのだ。私利私欲、名誉欲のために隣国を侵す・・・こんなことが見過ごされたら世界秩序はなりたたない。マキアヴェッリ曰く――

<自国の近辺の二大勢力が戦争になった場合、中立を守るより、はっきりした態度をとった方が、たとえ敗者側になったとしても有利である。自国の態度を明らかにしないとか、中立を守る、距離を置くというのは一見良さそうだが、現実はそうはならない。

勝者は「中立」を唱えるその手の国家を「姑息な軟弱者め、有事の際に助けにはならない信用できぬ奴」と軽侮し、やがては勝者の餌食にされやすいのだ。

同時に敗者は、進んで剣を手にして自分と運命を共にしなかった中立国を侮蔑し、当然、中立国が有事の際には協力しないし、中立国が負ければ「いい気味だ」と嘲笑するのである。

中立国は戦争当事者の双方からバカにされ、軽侮され、やがては落ち目になるのだ。

風雲急を告げる戦時には当事国は周辺国に「是非我が方にお見方を」と工作する。外交の使者となった古代ローマの武将曰く「この戦に、中立を守ることが貴国に有利であるというのはもってのほかの下策。何となれば、中立によって貴国は何ら感謝されることもなく、面目を施すこともなく、ただ勝利者の好餌になるのみ」>(以上は日本語訳が原文に忠実過ぎて分かりにくいので小生が咀嚼した)

ウクライナの指導者、ゼレンスキー大統領はユダヤ教徒で、側近にもユダヤ教徒が多いようだ。それならイスラエルがもっと支援しても良さそうだが、ロシアには少数ながら(14万人ほど?)ユダヤ教徒がおり、また中東情勢でプーチンを敵に回したくないという思惑もあるので「触らぬプーチンに祟りなし」という曖昧外交のよう。

イスラエルは歴史的な背景からウクライナに速攻でなびくわけにはいかないという事情があるにせよ、小生のような猪突猛進の単細胞人間には「どっちつかずの姑息な外交」に見えるし、イスラエルの最大の友好国である米国もイライラしているとか。米国も単細胞? 2022/3/20ロイター「イスラエルは武器供与を、ウクライナ大統領が国会で演説」から。

<ウクライナのゼレンスキー大統領は20日、イスラエル国会でビデオ演説し、ウクライナへのミサイル防衛システムの提供やロシアへの制裁発動を求めた。イスラエルのラピド外相はゼレンスキー氏に対し、ウクライナの人々に「できる限り」の支援を続けると表明した。

ウクライナ・ロシア危機の調停役を務めるイスラエルは、ロシアのウクライナ侵攻を非難しているが、イスラエル軍が親イラン武装勢力をたびたび攻撃している隣国シリアに対して影響力を持つロシアとの関係が緊迫化することを懸念している。ウクライナに野戦病院やその他の人道支援は提供している。

ユダヤ系であるゼレンスキー氏は「イスラエルのミサイル防衛システムが最高であることは誰もが知っている。あなた方は間違いなくウクライナの人々、ウクライナのユダヤ人の命を救うことができる」と強調。

さらに「なぜ、あなた方から武器を受け取れないのか。なぜ、ロシアに強力な制裁を科したり、ロシア企業に圧力を掛けたりしていないのか」と質問を浴びせた。ゼレンスキー氏は、パレスチナ自治区ガザで過激派が発射したロケット弾の迎撃に使用されているミサイル防衛システム「アイアンドーム」に言及した。

また、ロシアのウクライナ侵攻を第二次世界大戦中のナチスドイツによるユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)になぞらえ、ロシアが「最終的解決」というナチスドイツが使用した言葉をウクライナ人問題に対して使用していると訴えた>(以上)

産経2022/4/12「ゼレンスキー大統領が批判する『兄弟』国イスラエルの事情」でも取り上げられている。

<世界には現在、ユダヤ教徒が国家元首である国は2つしかない。一つはユダヤ人が人口の7割以上を占めるイスラエル。もう一つはロシアの侵略を受け、ユダヤ系のゼレンスキー大統領が国民を鼓舞し続けるウクライナである。

ゼレンスキー氏はイスラエル国民を「兄弟たち」と呼び、強硬な対露制裁や優れた兵器の供与を求めているが、イスラエルは制裁には消極的で、ウクライナ支援も人道分野にとどめている。背景には、ロシアとの関係も悪化させられないというイスラエル独自の事情が垣間見える。

ゼレンスキー氏は先月来、欧米諸国や日本などの議会でオンラインで演説して支援を求めており、3月20日にはイスラエル国会に向けて演説した。各国での演説内容はそれそれの事情に合わせた工夫が凝らされ、おおむね好意的な印象を与えているが、イスラエル国会での演説は批判色が濃く、驚きをもって受け止められた、云々>

イスラエルの歴史的な背景によるとしても、今のどっちつかずの外交は、やがてはマキアヴェッリの指摘する「中立国は戦争当事者の双方からバカにされ、軽侮され、やがては落ち目になる」のではないか。

実際、イスラエルでは長期政権を担ってきたネタニヤフ首相が下野してから政権が安定せずに、3年半でなんと5回目の総選挙が来月(11月)に行われるという(NHK 2022/7/1)。

今のイスラエルの政界はまるでレームダックのようで、ウクライナどころではないようだが、ウクライナ人ばかりでなく世界中のイスラエル&ユダヤ人応援団をがっかりさせているのではないか。

欧州から遠い日本もウクライナとの共通の敵はプーチン・ロシアであり、日本ももっと積極的にウクライナを支援すべきではないのか。義を見てせざるは勇無きなり、その支援さえ満足にできなければ北方四島の奪還なんて永遠にできやしないし、日本の存続自体もすこぶる危うい、と小生は悲観的だ。

しかし、だ、同志諸君、「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」、イザッ!という有事の際に日本人は勇武の精神を取り戻すと小生は信じている。松陰先生の言う「狂」、そのDNAは有事にあって目覚めるに違いない。(まあ、そう思わないとやってられない、というのが本心だけど・・・)
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