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変化著しい激動期が続く

2023-06-04 21:19:47 | 戦争
変化著しい激動期が続く
“シーチン”修一

【雀庵の「大戦序章」184/通算615 2023(令和5)/6/4/日】2日は久し振りの強い台風で終日雨、引き籠ってツンドク新聞を読破した。1日に中3の孫が修学旅行で京都・奈良へ出かけたが、ついてない・・・まあ「授業、部活、試験勉強、親の小言・干渉なし」で過ごせるから結構楽しんでいるのだろう。「大雨の修学旅行」でもいい想い出になればいい。

いい想い出とか明るい青春、って男子の場合は余りないのではないか。♪青春時代が夢なんて あとからほのぼの思うもの 青春時代の真ん中は 道に迷っているばかり・・・挫折、自己嫌悪、地図も磁石もなく深い森をさ迷い歩いているような日々、思い出すのも嫌だ。

しかし出口というのは誰にもあるのだろう、小生が「天命」に導かれたように出版界に入ったのは1976/昭和51年、25歳だった。天祐のように上司、先輩に恵まれ、水を得た魚のように元気に、人生に肯定的に、なっていった。まさに「トンネルを抜けると春だった」。嫌なこと、悲しいこともあるけれど・・・前進していけば良いこともいっぱいある。

記者・編集者として校正のために週に1~2日は印刷所で過ごしたが、当時は活字による活版印刷(輪転機印刷を含む)の時代で、「文選工」という職人が左手に原稿と文選箱(活字箱)を持ち、一文字一文字「活字棚」から活字を「拾」っていた。今から思えば古き良き時代、昭和ロマンのよう。

ベテランの職人なら1秒で2文字は拾うから、60秒(1分)で120文字、400字詰め原稿用紙1枚なら3~4分、3枚ほどの記事なら10分前後で「一丁上がり!」となる。この文選作業は見ていても飽きないほどの神業だった。

日本語は50音と言われるが、「あいうえお」「がぎぐげご」「ぱぴぷぺぽ」、さらに「あっちこっち」の促音の「っ」、「ゃゅょ」の拗音、カタカナ、アルファベット、123の数字、英語、ドイツ語などの外国語、α、β、γ、さらに4000字ほどの漢字!・・・クラクラする。

それだけではない。書体もいろいろで、最低でも明朝体、ゴシック体、教科書体などがあるし、また活字の大きさも小さなルビから見出し用まで8種類ほどあるから、気が遠くなるほどの活字、活字、活字に溢れていた。

宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」は昭和2/1927年頃の作だが、当時でも印刷業の現場は似たようなものだった。こんな場面がある(抜粋)。

<ジョバンニは手を大きく振ってどしどし学校の門を出て来ました。家へは帰らず大きな活版処にはいって、つき当りの大きな扉をあけました。中にはまだ昼なのに電燈がついてたくさんの輪転器がばたりばたりとまわり、きれで頭をしばったりした人たちが、何か歌うように読んだり数えたりしながらたくさん働いておりました。

ジョバンニはすぐ入口から三番目の高いテーブルに座わった人の所へ行っておじぎをしました。その人はしばらく棚をさがしてから、「これだけ拾って行けるかね」と云いながら、一枚の紙切れを渡しました。ジョバンニはテーブルの足もとから小さな平たい函をとりだして、電燈のたくさんついた壁の隅の所へしゃがみ込むと、まるで粟粒ぐらいの活字を次から次と拾いはじめました。

ジョバンニは何べんも眼をぬぐいながら活字を拾いました。六時がうってしばらくたったころ、ジョバンニは拾った活字をいっぱいに入れた平たい箱をもういちど手にもった紙きれと引き合せてから、さっきのテーブルの人へ持って来ました。その人は黙ってそれを受け取って微かにうなずきました。

ジョバンニはおじぎをすると扉をあけて計算台のところに来ました。すると白服を着た人がやっぱりだまって小さな銀貨を一つジョバンニに渡しました。ジョバンニはにわかに顔いろがよくなって威勢よくおじぎをすると台の下に置いた鞄をもっておもてへ飛びだしました>

「文選」の作業場は熟練工の静かながらも活き活きした舞台だったが、のちに鋳植機(全自動モノタイプ)の登場や、写真植字、さらにはDTP(コンピュータ式編集)に押されて急速に衰退していった。並行して世界中で「アナログからデジタルへ」の急速な移行が始まり、バブル景気の余熱が終わった1995年頃には出版・印刷業界はほぼ完全にデジタル化された。明治後期の1900年あたりから本格化していったアナログ印刷は100年で消滅したことになる。文選工は「お払い箱」になった。

デジタル時代元年を1990~95年あたりとすれば、今はそれから30年ほど経ったことになる。報道を見ると毎日毎日、海千山千、魑魅魍魎のような怪し気な言葉が溢れかえっている。

Chat GPT、生成AI(人工知能)、モノのインターネット(IoT)、5G(第5世代通信方式)、ビッグデータ、ロボット&ドローン、ブロックチェーン、クラウドコンピューティング、ユビキタスネットワーク、コンピュータビジョン、デジタルファブリケーション・・・

一方で「世界に巨大な光と影をもたらしうる新技術に対し、人類はどう向き合うべきか? 民主主義の根幹となる人間の意思決定への影響も指摘されている」「2022年の出生率、1.26で過去最低 出生数7年で2割減」・・・先端技術を煽りまくってきた「天下の日経」も不安を覚えるようになってきた(5/28)。

このところ小生は「これまでの資本主義は限界に来た、新しい資本主義を構築する時期ではないか」と思うようになった。以下WIKIによると――

<資本主義(capitalism)または資本制は、国政によって営利目的の個人的所有者たちによって貿易と産業が制御(コントロール)されている、経済的・政治的システム[。特に近現代の資本主義の根幹は、自由資本主義・リベラルキャピタリズム(liberal capitalism)と呼ばれており、資本主義を肯定・擁護・推進する思想や主張は、普通は自由主義とされる。

資本主義は封建主義の後に現れた体制である。産業革命および、アメリカ独立革命やフランス革命等の資本主義革命(市民革命)によって確立された。

資本主義は、一切全てを商品化していく「市場システム」であり、かつ、諸々の近代国家に蓄積・競合をさせる「世界システム」でもあるという。その主体は企業であり、これが物財やサービスを生産し流通させている。構造的には、資本(生産手段)を私有する資本家が、労働者から労働力を買い、それを上回る価値のある商品を生産し、利潤を得る。

資本主義の弊害に対し、修正や反対をする概念や立場には修正資本主義、反資本主義、社会主義、共産主義、経済的国家主義等がある。一方で、資本主義的な自由競争を更に推進する概念・立場には新自由主義、リバタリアニズム等がある>

上記の「資本主義の弊害」とは、国家間や個人間の経済格差の拡大や、環境問題などらしい。後進国では国連などの支援で食糧&医療事情が良くなる一方で国力を上回るほど人口が急増したようだ。結果的に豊かな国への“難民”移住を招いている。

環境問題は、「どんどん買ってどんどん捨てる」という消費文明の異常な拡大によるところが大きいだろう。これと人口急増が重なって都市部は急速に「開発」と称する自然破壊が進んだ。ジャングルなど緑地の自然と共生して暮らしていた人々が、物質文明に触発されて便利な都市部にどんどん移住しているから、都市部はさらに拡大を続け、結局、地球環境は悪化するばかりになったようだ。

世界人口は80億あたりで半世紀で倍増した。やがて100億を突破するという。異常である。どうしたら人口を減らせるかを考えた方が「地球に優しい」のではないか。「資本主義の弊害」を改める、即ち「環境に良い資本主義」を考える時ではないのか。

昔は資本家=企業のオーナー=金持ち、労働者=貧困という区分けがあったが、今は基本的に誰もが株主になれ、株主(投資信託を含む)の人数で言えば圧倒的多数は市井の個人だろう。実際に小生が世話になった先輩(準大手旅行会社の社長)は「私も息子も株式投資で自宅を建てた」と言っていた。マネーゲームで儲けると「汗水流して働く」という堅気のモラルが劣化しないか。

先輩は中国通で、「古い友人」である中共幹部の息子の日本留学を支援し、自宅に預かり面倒を見ていた。その後、退職して株式投資アドバイザー業を始め、中共幹部からの情報をネタに稼いでいたようだが、インサイダー取引禁止が厳しくなると「もう商売にならない」と会社を畳んだ。

日本では一流の上場企業では大株主は銀行などで、「社長=筆頭株主=オーナー」というのは少ないのではないか。今は自社株は多少持っていても「デキル」社長が普通のよう。株価に一喜一憂しないで経営に専念できるから、小生はその方が良いと思うのだが・・・

父も1960年の高度成長時代から株式投資をしていたが、家業が繁昌すると安定した大企業の株を長く保有するようになり、1980年頃にはほとんど興味をなくしていた。本家筋の従兄は1990年頃には「コマメに売買すれば儲かるのは分かっているけど本業が忙しいから寝かしている」と言っていた。

企業が株式を資金調達の手段として市場に公開するのは分かるが、プロの投資家は企業の発展のためというより、「マネーゲームで儲ける」のが主目的のように見える。近年は「物言う株主」がずいぶん目立つようになった。NHK2022/8/23「“もの言う株主”との攻防 どうする東芝」によると――

<もの言う株主は、様々な投資家から出資された資金を投資して運用します。高額の手数料をとっているとされ、その分多くの利益をあげることが求められています。さらに、長くても3年からせいぜい5年という短期間の間に結果をだすよう迫られているといわれています。このため株価だけでなく長期の視点から企業価値の向上をめざす経営者やほかの株主との間で、時間軸をめぐる埋めがたい溝が生じています>

「立って半畳、寝て一畳」「武士は食わねど高楊枝」といった、儒教、仏教、陽明学、武士道、神道などによる清貧思想(清く貧しく美しく?)は日本人に結構根付いていそうだ。小生がソフトバンクの孫正義、ユニクロの柳井正、日産のカルロス・ゴーン、電通出身の高橋治之などに違和感を持つのは「銭ずら、銭が全てずら」の銭ゲバ、拝金主義者のような臭いを感じるからだ。

「カネを儲けるのはいけないことですか?」と言って物議を醸した投資家がいたが、日本では「過ぎたるは猶及ばざるが如し」、静かに儲けていればいいものを表にしゃしゃり出るから「銭ゲバ野郎!」と顰蹙を買う。持たざる者の嫉妬もあるだろうが、庶民から見れば株式投資を商売にする証券会社は今でも「株屋」である。

江戸時代は「相場師」、それから300年経っても「株屋」。一方で銀行に代表される金融業は「融資して利益を得る」「産業を支援する」が基本で、「カネがカネを産む」ビジネスではあるが、信用され、敬意を表されている。「正道」である。

一方で「相場師」「株屋」「物言う株主」はひたすら売買を繰り返すことで己の利益を得る「マネーゲーム」「カジノ」「バクチ」の「邪道」に見える。堅気のまっとうな商売とは評価されていないだろう。

世界はG7などの「資本主義自由民主圏」と中露北などの「共産主義独裁国有経済圏」との対立が急速に進んでいる。自由民主圏は14億の巨大市場の中国との対立を恐れて、「兎にも角にも商売させてくれ」と下手に出ているが、それでは中共を増長させるだけだ。習近平は「カネを稼ぎたいなら余計なことに首を突っ込むな、とやかく言うな、内政や外政に干渉するな、逆らうなら追放するぞ!」というスタンスだ。要は自由民主圏は嘗められているのだ。

共産主義独裁の盟主だったプーチン・ロシアはウクライナ侵略に手こずり、今や習近平・中共が盟主になった。自由民主圏 vs 中共独裁の対立は熱戦前夜の様相だ。習近平は「歴史に名を刻みたい、毛沢東と並びたい」という妄想が激しく、何としても熱戦で勝利したい。すっかり“戦狼妄想”だ。自由民主圏はいかに対応すべきか?

習近平が今、一番恐れているのは「人民の、人民による、人民のための」反乱である。昨秋の「白紙革命」は習近平・中共にとって青天の霹靂“まさか”の大ショックだった。

<白紙革命とは、2022年11月26日から中国で始まった、白い紙を持って政府のゼロコロナ政策を批判する抗議運動である。発端は、ウルムチ市での火災の被害者を追悼する学生たちの集会だったが、その後、政府批判や習近平政権の退陣要求に発展し、世界中が注目した。白紙は、言論統制を皮肉り、自由な発言を求める象徴となった。この抗議運動は、1989年の六四天安門事件以来最大の反政府デモと広く見なされている>(WIKI)

恐れをなした習近平は翌12月、厳しい行動制限を課した「ゼロコロナ政策」を解除せざるを得なかった。習近平の急所は何よりも「人民の反乱」で、今では在外の中国人が中心となって「表現の自由、集会の自由、人権の保護、習近平の個人独裁批判、共産党支配をやめさせ民主化改革を」という動きが進んでいるようだ。

人民パワーに恐れをなした習近平は大いに反省したろう、「俺は甘かった、人民に舐められた、厳しく統治しなければならない」と。急遽「改正版・反スパイ法」を作り、この7月から施行するという(石平氏、産経5/25)。要は「政権に不都合な奴はしょっ引く」というもので、人民は完全に囚人扱い、ほとんど狂気の沙汰だ。結局は共産党独裁への反発をさらに招くだけだろう。

こうなると“戦狼妄想&毛沢東病”の習近平は功を焦って何が何でも戦争を始める可能性は非常に高い。人民を結束させ、支持を高める期待もあるだろう。

自由民主圏は対中共で「包囲戦=冷戦により戦わずして勝つ」可能性はあるが、何が何でも戦争を始めたい習近平政権下では包囲戦による屈服はまずあり得まい。習近平が失脚すれば戦争危機は遠ざかるのだろうが・・・

そう言えば今日6月4日は「六四天安門事件」(1989年)の日だ。あれから34年経つが中共では自由民主は前進どころか後退している。何から何まで変化著しい激動期が続いて疲れるが、「もうウンザリ、もうついていけない」と諦めたら、そこで小生の晩年は終わりになる。兎にも角にも学び、咀嚼し、声を上げて行くしかない。同志諸君、頑張ろうぜ!


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