雀庵の「大戦序章/6 “戦狼”露中へ備えなければ国亡ぶ」
“シーチン”修一 2.0
【Anne G. of Red Gables/439 2022/3/6/日】ナポレオン、ヒトラー、大日本帝国、アメリカ、そしてロシア・・・戦線拡大など“やり過ぎる”と失敗しやすい。企業なども勢いに乗ってアレもコレもと手を広げ過ぎると不採算部門を売却せざるを得なくなったりする。創業者のワンマン経営なんぞは諫める人がいないと、どんどん間違った方へ進んで、銀行などが気付いたときにはもう手遅れ、というのは良くある話だ。プーチン独裁帝国は侵略戦争に勝っても負けても・・・オットーっ! プーチン皇帝の演説が始まった。みんな、KHN(カネ・偏向・捏造)テレビをオン!
<私は、そして我々は、ロシア国民の復興のために働く。ロシアは再び偉大な国に、活気ある国に戻るであろう。私は何にも惑わされはしないと固く心に決めている。
ロシアの復活がひとりでに始まるなどと、私は皆さんに約束するつもりはない。我々はこれから仕事をなしていきたいと思うが、ロシア国民の手助けなしにはできはしない。自由、幸福、そして生が何もせずに突如として天から授けられるなどと決して考えてはならない。
すべての根本はまさに自らの意思、自らの仕事にあるのだ。他者の援助を頼むこと、我々の自らの国家でない者に、我々の自らの国民でない者に援助を頼むこと、それは絶対にしてはいけない。我々自らの中にのみ、ロシア国民の未来はある。
もし、我々自らがこのロシア国民を、自らの仕事で、自らの勤勉さで、自らの決意で、自らの反骨心で、自らの執拗さで、高く導き上げるならば、我々は再び道を駆け上るであろう>
原文はヒトラーの演説で、「ドイツ」を「ロシア」に置き換えたのだが、国際社会が自国の発展を邪魔している、我々国民は結束して周辺諸国の不当な制裁や干渉に挑戦していかなければならない、という思いは一緒だ。プーチンはクリミア半島強奪で制裁を受けているから2014年以来、被害者意識を募らせてきたのだろう。自業自得なのに、「いわれのない苛めを受けて来た、恨みはらさでおくものか」という下衆の勘繰り、まるでヤクザだ。
木村正人氏は在ロンドンの国際ジャーナリスト。元産経新聞ロンドン支局長で、ニューズウイーク(NW)の常連寄稿家である。氏はリベラル色が強い=容共的なので、AfD(ドイツのための選択肢)やフランス国民連合のルペンなど“極右”を支持している小生は「産経OBなのにまるでアカモドキ」とレッテルを貼っていた。しかし、プーチンのあまりにもひどすぎるウクライナ侵略で目覚めたのか、NW2022/3/5「プーチンの『取り巻き』が見せる反逆の兆候 『独裁者』の足元が崩れ始めた」は大変優れた論稿だった。プーチン一派に毒殺されたリトビネンコ氏の妻マリーナさんへのインタビューは秀逸である。以下、転載する。
<ウクライナに侵攻したプーチン露大統領は南部のザポリージャ原発を攻撃し、支配下に置いた。1986年に起きた世界最悪のチェルノブイリ原発事故を思い起こさせた。抵抗する主要都市を降伏させるため、ロシア軍は民間人を殺害して恐怖を煽っている。ロシア国内では情報統制が敷かれ、戒厳令発動の観測も飛び交い、国外に脱出する人が出始めた。
プーチンはロシアが滅びるぐらいなら、世界を先に滅ぼした方がいいという妄想に取り憑かれている。いや自分が失脚するぐらいなら祖国と世界を道連れにしてやると考えているのかもしれない。
2006年11月、ロンドンのホテルでティーに致死性の放射性物質ポロニウム210を入れられ、毒殺された元ロシア連邦保安庁(FSB)幹部アレクサンダー・リトビネンコ氏の妻マリーナさん(60)は夫が死の2日前に残した言葉を思い出す。
「プーチンよ、あなたは私を黙らせることに成功したかもしれないが、その沈黙には代償が必要だ。あなたを批判する人たちが主張するように、あなたは野蛮で冷酷な人間であることを自ら示した。生命や自由、文明的な価値観に何の尊敬の念も抱いていないことを示したのだ。
あなたはロシアの大統領という職責に値しない人間であること、文明的な人々の信頼に値しない人間であることを示した。プーチンよ、1人の人間を黙らすことができても世界中の抗議の声を封じ込めることはできない」
ロシアの工作員によってポロニウム210を混ぜたティーを飲まされ、内部被ばくしたリトビネンコ氏は嘔吐と激痛を訴えて病院に緊急入院した。髪の毛がすべて抜け落ちた。白血球が極端に減少し、免疫システムが壊れてしまったような症状だった。
骨髄不全になり、肝臓、腎臓、心臓が次々と破壊されていった。病室には放射線防護服を着た人が動き回っていた。リトビネンコ氏は政治的な声明というより個人的な感情を、愛するマリーナさんに言い残した。
◆「核のボタンを押せるのは気の狂った人間だけ」:旧ソ連時代の1978年、ブルガリア出身の作家兼ジャーナリストのゲオルギー・マルコフが足に毒物「リシン」入りペレットを打ち込まれ、暗殺された。KGB(ソ連国家保安委員会)は暗殺兵器を用意したものの、実際に手を下したのはブルガリアの情報機関だった。アメリカに外交上の攻撃材料を与える暗殺にKGBは乗り気ではなかったとされる。
市民社会の中で放射能兵器を使って英国籍を取得していたリトビネンコ氏を暗殺する命令を下した疑いが持たれるプーチンはこの時すでに一線を越えていた。核戦力を「特別警戒態勢」に移行させたプーチンが「核のボタン」を押すかどうか。マリーナさんは筆者にこう語った。
「気の狂った人間だけが核兵器を使用することができる。もしプーチンが狂っているなら核のボタンを押せるだろう。しかしプーチン1人でそれができるわけではない。何人かがそのプロセスに関わるだろう。
少なくとも2人、3人の人間が行動を起こす必要がある。プーチンの周りの人間が彼と同じほど狂っていないことを祈るのみだ。プーチンはそれをやりたがっているが、彼の周りにいる全員が喜んでやるとは思えない」
ロシアマネーと原油・天然ガス欲しさに、西側はプーチンの暴走に目をつぶり続けてきた。プーチン批判の急先鋒だったロシア人ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤさん殺害、リトビネンコ氏暗殺、2008年のグルジア(現ジョージア)紛争、14年のクリミア併合とウクライナ東部紛争、18年の市民が巻き添え死した元二重スパイ父娘暗殺未遂事件でも西側はプーチンを追い詰めるような制裁は控えてきた。
マリーナさんは「プーチンは以前からレッドラインを越えていたと思う。しかし西側はプーチンの攻撃を恐れていたため協力しようとしてきた。彼がどんなひどいことをしてもロシアとのビジネスは通常通り行われてきた」と批判する。
「プーチンは西側が弱く、団結してロシアに対抗できないと思い込んできた。彼は自分のしたいようにできると判断した。しかし今回は違う。そんな時代は終わったのだ。彼は大きな間違いを犯した。
今、西側はやるべきことをすべてやっているが、以前に行うことができたはずだ。何度もチャンスを逃してきた。クリミア併合、ウクライナ東部紛争に対する制裁も十分ではなかった。もっと断固とした措置をとっていればウクライナで今起こっているような事態は回避できたかもしれない」
◆一斉に戦争反対の声を挙げるオリガルヒ:プーチンに近く「アルミ王」と呼ばれるオレグ・デリパスカは「いったい誰がこのパーティーの代金を支払うのか。戦争を終わらせるための話し合いをできるだけ早く開始すべきだ」とSNSに書き込んだ。これまでプーチンを批判したことがないオリガルヒ(新興財閥)が一斉に戦争反対の声を上げた。
マリーナさんは「この20年間、オリガルヒがプーチン政権からいかに利益を得てきたかを私たちは見てきた。彼らは一段と裕福になり、サッカーの名門クラブ、不動産やヨットなどありとあらゆるものを購入した」と言う。
「しかし今、彼らはすべてを失いそうになっている。プーチンがやっていることを支持するのか、それとも自分たちが持っているものを守るためプーチンに反対するのか。彼らにとって重大な決断の時を迎えている。デリパスカなどクレムリンに近いオリガルヒがプーチンに反対することはなかった。それが説教をするようになった。プーチンの家族、親戚、娘が彼を止めるかもしれない」
「この戦争はロシアにとって最悪のシナリオだ。間違いなくプーチンの終わりが始まった」というマリーナさんだが、ロシア国内は西洋化したリベラルな若者とプーチン支持層の二つに分かれているという。
「西洋化され、海外旅行したり、いろいろな映画を観たりすることが好きな若い世代はウクライナで起きたことを理解している。そしてモスクワや他の都市で反戦デモに参加して拘束されている。
しかしロシアの大半は違う。お年寄りはプーチンに洗脳されている。情報統制下に置かれ、ウクライナで起きている真実は何も見ることができない。ロシア人の多くはウクライナがロシアと戦争をしたがっていると信じている。プーチンのプロパガンダを信じている」
◆プーチンを支える特権層と貧困層:マリーナさんによると、プーチンの支持層は2つのカテゴリーに分けられる。一つがプーチン政権から利益を得ている富裕層。オリガルヒだけでなく、メディア関係者や一部のセレブリティがプーチンとつながり、何らかの利益を得ている。そしてもう一つが非常に貧しい人々だという。
「50代以上の人たちはソ連が崩壊した大変な時期をみんな覚えている。数年間は食べ物さえも十分ではなかった。犯罪も多発していた。それに比べると今は安定しているように見える。しかしそれはプーチンのおかげではなく原油・天然ガスの価格が上昇したからだ」
「今のような状態では国の発展はなく、未来もない。ウクライナ侵攻でモスクワや他の都市では生活がずっと悪くなっている。ロシアはすべての世界から完全に孤立していることが分かった」
プーチンは、ウクライナ侵攻に関する虚偽の情報を流したと判断すれば厳罰を下せるよう処罰を強化した。リベラルなメディアをオンラインから遮断し、ロシアが管理していないSNSへの国内からのアクセスを制限した。
「ロシア人は非常にクリエイティブで、どうすれば接続を復元し、見たいものを見られるようになるか、みんな工夫している。あんなに強くてパワフルで危険に見えたソ連が崩壊するとは誰も思わなかったが、アッという間に崩壊した」
「今のロシアはもっと強力で危険に見える。それはプーチンがそう見せることに成功しているからだ。しかし私たちはウクライナ情勢がプーチンの思うように進んでいないことを目の当たりにしている。普通の人々がプーチン政権をひっくり返すことは可能だと思う」とマリーナさんは話した>
ヨーロッパの頑固な、暴力も辞さない、自称リベラルやアカまでが「プーチン・ロシアに反旗を!」と叫び出した。ソ連崩壊の1991~92年あたりに西側諸国は大喜びしたが、今思えば「自由民主正露丸」と食糧人道支援をしておけばロシアはそこそこまともな国になっていたかもしれない。今となっては再び「鉄のカーテン」でロシアを包囲するしかないが、ロシアの盟友である習近平・中共も同時に包囲しないと穴だらけになってしまうので、西側諸国が余程の覚悟と結束がないと包囲戦の効果は十分発揮できないだろう。
「露中 VS 自由陣営」にならぬように、インド洋、南・東シナ海、太平洋、日本海などで中共を手一杯にさせておく必要があるのではないか。いずこの国も「二正面作戦」は難しいと言われている。中共がアジア・太平洋から離れられなくすることが、欧米の対露戦を支援することになるはずだ。米日台豪印を核とする反中アジア同盟軍がしっかり守りを固めれば、習近平・中共は動けない。それは欧州同盟軍の対露戦を有利にする。
プーチンは排除したい、でも中共とはWinWin で商売を続けたい・・・そんなうまい話はない。習近平は明日のプーチンである。核兵器を放棄したウクライナはプーチンの核恫喝を受けている。アジア同盟国はまず核兵器を備えるべきだ。核放棄、核拒絶は自殺である。“戦狼”露中への備えなけれ国家は滅亡する。天は自ら助くる者を助く。
・・・・・・・・・・・・・・
目安箱:ishiifam@minos.ocn.ne.jp
https://blog.goo.ne.jp/annegoftotopapa4646
まぐまぐID 0001690154「必殺クロスカウンター」
“シーチン”修一 2.0
【Anne G. of Red Gables/439 2022/3/6/日】ナポレオン、ヒトラー、大日本帝国、アメリカ、そしてロシア・・・戦線拡大など“やり過ぎる”と失敗しやすい。企業なども勢いに乗ってアレもコレもと手を広げ過ぎると不採算部門を売却せざるを得なくなったりする。創業者のワンマン経営なんぞは諫める人がいないと、どんどん間違った方へ進んで、銀行などが気付いたときにはもう手遅れ、というのは良くある話だ。プーチン独裁帝国は侵略戦争に勝っても負けても・・・オットーっ! プーチン皇帝の演説が始まった。みんな、KHN(カネ・偏向・捏造)テレビをオン!
<私は、そして我々は、ロシア国民の復興のために働く。ロシアは再び偉大な国に、活気ある国に戻るであろう。私は何にも惑わされはしないと固く心に決めている。
ロシアの復活がひとりでに始まるなどと、私は皆さんに約束するつもりはない。我々はこれから仕事をなしていきたいと思うが、ロシア国民の手助けなしにはできはしない。自由、幸福、そして生が何もせずに突如として天から授けられるなどと決して考えてはならない。
すべての根本はまさに自らの意思、自らの仕事にあるのだ。他者の援助を頼むこと、我々の自らの国家でない者に、我々の自らの国民でない者に援助を頼むこと、それは絶対にしてはいけない。我々自らの中にのみ、ロシア国民の未来はある。
もし、我々自らがこのロシア国民を、自らの仕事で、自らの勤勉さで、自らの決意で、自らの反骨心で、自らの執拗さで、高く導き上げるならば、我々は再び道を駆け上るであろう>
原文はヒトラーの演説で、「ドイツ」を「ロシア」に置き換えたのだが、国際社会が自国の発展を邪魔している、我々国民は結束して周辺諸国の不当な制裁や干渉に挑戦していかなければならない、という思いは一緒だ。プーチンはクリミア半島強奪で制裁を受けているから2014年以来、被害者意識を募らせてきたのだろう。自業自得なのに、「いわれのない苛めを受けて来た、恨みはらさでおくものか」という下衆の勘繰り、まるでヤクザだ。
木村正人氏は在ロンドンの国際ジャーナリスト。元産経新聞ロンドン支局長で、ニューズウイーク(NW)の常連寄稿家である。氏はリベラル色が強い=容共的なので、AfD(ドイツのための選択肢)やフランス国民連合のルペンなど“極右”を支持している小生は「産経OBなのにまるでアカモドキ」とレッテルを貼っていた。しかし、プーチンのあまりにもひどすぎるウクライナ侵略で目覚めたのか、NW2022/3/5「プーチンの『取り巻き』が見せる反逆の兆候 『独裁者』の足元が崩れ始めた」は大変優れた論稿だった。プーチン一派に毒殺されたリトビネンコ氏の妻マリーナさんへのインタビューは秀逸である。以下、転載する。
<ウクライナに侵攻したプーチン露大統領は南部のザポリージャ原発を攻撃し、支配下に置いた。1986年に起きた世界最悪のチェルノブイリ原発事故を思い起こさせた。抵抗する主要都市を降伏させるため、ロシア軍は民間人を殺害して恐怖を煽っている。ロシア国内では情報統制が敷かれ、戒厳令発動の観測も飛び交い、国外に脱出する人が出始めた。
プーチンはロシアが滅びるぐらいなら、世界を先に滅ぼした方がいいという妄想に取り憑かれている。いや自分が失脚するぐらいなら祖国と世界を道連れにしてやると考えているのかもしれない。
2006年11月、ロンドンのホテルでティーに致死性の放射性物質ポロニウム210を入れられ、毒殺された元ロシア連邦保安庁(FSB)幹部アレクサンダー・リトビネンコ氏の妻マリーナさん(60)は夫が死の2日前に残した言葉を思い出す。
「プーチンよ、あなたは私を黙らせることに成功したかもしれないが、その沈黙には代償が必要だ。あなたを批判する人たちが主張するように、あなたは野蛮で冷酷な人間であることを自ら示した。生命や自由、文明的な価値観に何の尊敬の念も抱いていないことを示したのだ。
あなたはロシアの大統領という職責に値しない人間であること、文明的な人々の信頼に値しない人間であることを示した。プーチンよ、1人の人間を黙らすことができても世界中の抗議の声を封じ込めることはできない」
ロシアの工作員によってポロニウム210を混ぜたティーを飲まされ、内部被ばくしたリトビネンコ氏は嘔吐と激痛を訴えて病院に緊急入院した。髪の毛がすべて抜け落ちた。白血球が極端に減少し、免疫システムが壊れてしまったような症状だった。
骨髄不全になり、肝臓、腎臓、心臓が次々と破壊されていった。病室には放射線防護服を着た人が動き回っていた。リトビネンコ氏は政治的な声明というより個人的な感情を、愛するマリーナさんに言い残した。
◆「核のボタンを押せるのは気の狂った人間だけ」:旧ソ連時代の1978年、ブルガリア出身の作家兼ジャーナリストのゲオルギー・マルコフが足に毒物「リシン」入りペレットを打ち込まれ、暗殺された。KGB(ソ連国家保安委員会)は暗殺兵器を用意したものの、実際に手を下したのはブルガリアの情報機関だった。アメリカに外交上の攻撃材料を与える暗殺にKGBは乗り気ではなかったとされる。
市民社会の中で放射能兵器を使って英国籍を取得していたリトビネンコ氏を暗殺する命令を下した疑いが持たれるプーチンはこの時すでに一線を越えていた。核戦力を「特別警戒態勢」に移行させたプーチンが「核のボタン」を押すかどうか。マリーナさんは筆者にこう語った。
「気の狂った人間だけが核兵器を使用することができる。もしプーチンが狂っているなら核のボタンを押せるだろう。しかしプーチン1人でそれができるわけではない。何人かがそのプロセスに関わるだろう。
少なくとも2人、3人の人間が行動を起こす必要がある。プーチンの周りの人間が彼と同じほど狂っていないことを祈るのみだ。プーチンはそれをやりたがっているが、彼の周りにいる全員が喜んでやるとは思えない」
ロシアマネーと原油・天然ガス欲しさに、西側はプーチンの暴走に目をつぶり続けてきた。プーチン批判の急先鋒だったロシア人ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤさん殺害、リトビネンコ氏暗殺、2008年のグルジア(現ジョージア)紛争、14年のクリミア併合とウクライナ東部紛争、18年の市民が巻き添え死した元二重スパイ父娘暗殺未遂事件でも西側はプーチンを追い詰めるような制裁は控えてきた。
マリーナさんは「プーチンは以前からレッドラインを越えていたと思う。しかし西側はプーチンの攻撃を恐れていたため協力しようとしてきた。彼がどんなひどいことをしてもロシアとのビジネスは通常通り行われてきた」と批判する。
「プーチンは西側が弱く、団結してロシアに対抗できないと思い込んできた。彼は自分のしたいようにできると判断した。しかし今回は違う。そんな時代は終わったのだ。彼は大きな間違いを犯した。
今、西側はやるべきことをすべてやっているが、以前に行うことができたはずだ。何度もチャンスを逃してきた。クリミア併合、ウクライナ東部紛争に対する制裁も十分ではなかった。もっと断固とした措置をとっていればウクライナで今起こっているような事態は回避できたかもしれない」
◆一斉に戦争反対の声を挙げるオリガルヒ:プーチンに近く「アルミ王」と呼ばれるオレグ・デリパスカは「いったい誰がこのパーティーの代金を支払うのか。戦争を終わらせるための話し合いをできるだけ早く開始すべきだ」とSNSに書き込んだ。これまでプーチンを批判したことがないオリガルヒ(新興財閥)が一斉に戦争反対の声を上げた。
マリーナさんは「この20年間、オリガルヒがプーチン政権からいかに利益を得てきたかを私たちは見てきた。彼らは一段と裕福になり、サッカーの名門クラブ、不動産やヨットなどありとあらゆるものを購入した」と言う。
「しかし今、彼らはすべてを失いそうになっている。プーチンがやっていることを支持するのか、それとも自分たちが持っているものを守るためプーチンに反対するのか。彼らにとって重大な決断の時を迎えている。デリパスカなどクレムリンに近いオリガルヒがプーチンに反対することはなかった。それが説教をするようになった。プーチンの家族、親戚、娘が彼を止めるかもしれない」
「この戦争はロシアにとって最悪のシナリオだ。間違いなくプーチンの終わりが始まった」というマリーナさんだが、ロシア国内は西洋化したリベラルな若者とプーチン支持層の二つに分かれているという。
「西洋化され、海外旅行したり、いろいろな映画を観たりすることが好きな若い世代はウクライナで起きたことを理解している。そしてモスクワや他の都市で反戦デモに参加して拘束されている。
しかしロシアの大半は違う。お年寄りはプーチンに洗脳されている。情報統制下に置かれ、ウクライナで起きている真実は何も見ることができない。ロシア人の多くはウクライナがロシアと戦争をしたがっていると信じている。プーチンのプロパガンダを信じている」
◆プーチンを支える特権層と貧困層:マリーナさんによると、プーチンの支持層は2つのカテゴリーに分けられる。一つがプーチン政権から利益を得ている富裕層。オリガルヒだけでなく、メディア関係者や一部のセレブリティがプーチンとつながり、何らかの利益を得ている。そしてもう一つが非常に貧しい人々だという。
「50代以上の人たちはソ連が崩壊した大変な時期をみんな覚えている。数年間は食べ物さえも十分ではなかった。犯罪も多発していた。それに比べると今は安定しているように見える。しかしそれはプーチンのおかげではなく原油・天然ガスの価格が上昇したからだ」
「今のような状態では国の発展はなく、未来もない。ウクライナ侵攻でモスクワや他の都市では生活がずっと悪くなっている。ロシアはすべての世界から完全に孤立していることが分かった」
プーチンは、ウクライナ侵攻に関する虚偽の情報を流したと判断すれば厳罰を下せるよう処罰を強化した。リベラルなメディアをオンラインから遮断し、ロシアが管理していないSNSへの国内からのアクセスを制限した。
「ロシア人は非常にクリエイティブで、どうすれば接続を復元し、見たいものを見られるようになるか、みんな工夫している。あんなに強くてパワフルで危険に見えたソ連が崩壊するとは誰も思わなかったが、アッという間に崩壊した」
「今のロシアはもっと強力で危険に見える。それはプーチンがそう見せることに成功しているからだ。しかし私たちはウクライナ情勢がプーチンの思うように進んでいないことを目の当たりにしている。普通の人々がプーチン政権をひっくり返すことは可能だと思う」とマリーナさんは話した>
ヨーロッパの頑固な、暴力も辞さない、自称リベラルやアカまでが「プーチン・ロシアに反旗を!」と叫び出した。ソ連崩壊の1991~92年あたりに西側諸国は大喜びしたが、今思えば「自由民主正露丸」と食糧人道支援をしておけばロシアはそこそこまともな国になっていたかもしれない。今となっては再び「鉄のカーテン」でロシアを包囲するしかないが、ロシアの盟友である習近平・中共も同時に包囲しないと穴だらけになってしまうので、西側諸国が余程の覚悟と結束がないと包囲戦の効果は十分発揮できないだろう。
「露中 VS 自由陣営」にならぬように、インド洋、南・東シナ海、太平洋、日本海などで中共を手一杯にさせておく必要があるのではないか。いずこの国も「二正面作戦」は難しいと言われている。中共がアジア・太平洋から離れられなくすることが、欧米の対露戦を支援することになるはずだ。米日台豪印を核とする反中アジア同盟軍がしっかり守りを固めれば、習近平・中共は動けない。それは欧州同盟軍の対露戦を有利にする。
プーチンは排除したい、でも中共とはWinWin で商売を続けたい・・・そんなうまい話はない。習近平は明日のプーチンである。核兵器を放棄したウクライナはプーチンの核恫喝を受けている。アジア同盟国はまず核兵器を備えるべきだ。核放棄、核拒絶は自殺である。“戦狼”露中への備えなけれ国家は滅亡する。天は自ら助くる者を助く。
・・・・・・・・・・・・・・
目安箱:ishiifam@minos.ocn.ne.jp
https://blog.goo.ne.jp/annegoftotopapa4646
まぐまぐID 0001690154「必殺クロスカウンター」
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます