トランプ暗殺未遂に見る米国
“シーチン”修一
【雀庵の「大戦序章」311/通算742 2024(令和6)年7/16/火】トランプ前米大統領への暗殺未遂事件が起きた7月13日(日本時間14日)、氏は銃撃を危機一髪で免れ右耳を裂傷しただけで済んだのは幸いだった。小生にとってアメリカという国、とりわけ民主党政権下のアメリカは日本占領時のマッカーサーの兵士による蛮行で父母が嫌な思いをした、その影響もあって仲良くしたいなどとは思ったことはない。米国を取材して一番感激したのは周囲360度すべて地平線の砂漠で、小生は思わず寝転んで砂漠以外何もない大地と広大な青空を満喫したものだ。以下は、トランプ暗殺未遂に刺激を受けてまとめてみた小生の米国論である。
・・・・・・・・・
我にも正義、彼にも正義、この世は正義と正義のぶつかり合い、と小生は思っている。「良い戦争、悪い戦争」「良い独裁、悪い独裁」「良い殺人、悪い殺人」「良い処刑、悪い処刑」「良い政治、悪い政治」「良い金儲け、悪い金儲け」「良い宗教、悪い宗教」「良い節税、悪い節税」「良い蓄財、悪い蓄財」・・・キリがない。良い人も悪い人も「俺が正義だ、文句があるなら決着を付けよう」となる。世に戦争の種は尽きまじ。
歴史は勝者が創るという。勝者は「正義」となって意気軒高だが、敗者は悪者にされ、口惜しいし、情けない気分になる。普通の健康な人は「臥薪嘗胆、次の戦争では絶対勝ってやる!」と思うのだが、酷い目に遭った上、洗脳により“去勢”までされたため「二度と戦争は御免だ」と言う人もいる。米国の51番目の州にされてしまった日本人にはこのような「戦争ダメ、絶対!」の人が少なくない。
United States of America、略称USA。 Americaの名称は新大陸を発見したイタリアの探検家・地理学者アメリゴ・ヴェスプッチに由来するという。米国を日本では「アメリカ合衆国」と言う。小生なら「アメリカ連邦国」と訳すが・・・「衆」は「多くの人」の意だから「アメリカ人民共和国」でも良かったかもしれない。
米国は「主に欧州からの衆(白人)が寄せ集まって創った国」ゆえに、1776年の建国の頃でも人種、宗教、言語、倫理、風習などは色々だったろう。共通の理念、価値観は「チャレンジ精神」「金儲けが大好き」「新しいモノ好き」「法治の範囲で自由尊重、自己責任で何をしても良い」などのよう。これが良しにつけ悪しきにつけアメリカの強み(タフ、強引、アバウト、進取、合理主義、えげつなさ)の源泉ではないか。「生き馬の目を抜く」ようで、「穏やかでお上品な国」などとは冗談でもとても言えない。
彼ら、主に北米で多数派を占める白人は英国ルーツを引きついでいるのかWASP(ホワイト、アングロ・サクソン、プロテスタント)という出自を重視、「我こそ正義、優秀で、WASP以外は外道、暗愚であり、逆らうものは駆除すべし」と誇り高かったようだ。武力を持って脅せば蛮族も従う、従わない蛮族は容赦なくつぶせ、というのが彼らの外交だった。
この米国から見れば江戸時代の我が日本も蛮族で、ペルー提督率いる米艦隊は軍事力を背景に強引に開国を迫った。「泰平の眠りを覚ます上喜撰(蒸気船)たった四杯で夜も寝られず」・・・日本は艱難辛苦を乗り越え辛うじて植民地や属国に陥らずに済んだ。
一事が万事、米国は建国から100~150年ほどで先住民族の多くは絶滅に追いやられた。1995年頃、懇意にしていた高橋順一・桜美林大学教授が、「生活保護」という名のカネで先住民族がアル中になって“殺されていく”模様をレポートしていた(知人に貸したらそれっきり、今は絶版のよう)。
米国には「邪魔者は殺せ」というDNAがあるのではないか。「米国 テロにあった大統領」で検索したら、リンカーン(16代、共和党、1865年暗殺)、ガーフィールド(20代、共和党、1881年暗殺)、マッキンリー(25代、共和党、1901年暗殺)、ケネディ(35代、民主党、1963年暗殺)。
死に至らないものの襲撃されて負傷した大統領も結構多そうだ。1981年にはレーガン大統領(共和党)がワシントンD.C.で銃撃され九死に一生を得た。警官、護衛担当も大怪我をしたが、ブレイディ大統領報道官は頭部に弾丸を受けたために障害が残り、2014年に死亡した際は、その時の傷が原因という。
<しかし犯人のヒンクリーは裁判では13の容疑で起訴されたが、精神異常を理由に無罪となり、病院で拘束された。その後ヒンクリーは両親の監督下に1999年に退院を許可され、2000年には監督なしでの釈放が許可された。これらの権利はヒンクリーの素行不良が判明し無効となったが、2016年7月釈放が許可され、2022年にはヒンクリーの全ての行動制限措置が解除された>(WIKI)
酷い目に遭った被害者より加害者に寄り添っているような米国。蛮族は皆殺ししてもOK、その一方で精神疾患の犯罪者に対しては何人殺そうが「人を憎まず、病気を憎む」と優しく見守る・・・WASP的な宗教に淫したかのよう。
米国の白人は少子高齢化もあって年々少なくなっているが、子孫を産み育てるよりカネ儲け=ビジネスに精を出しているのだろう。まるで銭ゲバだが、被害者に寄り添ってもカネにはならない、加害者を死刑にしたところでこれまたカネにはならない・・・カネにならないことに米国人はどんどん関心を持たなくなっているのかも知れない。WASP教から拝金教へ宗旨替え?
国民がそうであれば、票で選ばれる政治家もそれに倣わざるを得ない。その影響だろう、トランプの共和党もバイデンの民主党も何やら内向きで、中露北+イランに対して「断固として制裁を加える」という覇気が全く感じられない。
かつて米欧日などの自由陣営は世界革命を目指す戦狼のソ連、その子分の中共を「冷戦」で締め上げ、ソ連は自滅崩壊、ソ連の子分の中共はトウ小平の努力で共産主義から国家資本主義への転換に成功した。しかし共産主義思想は邪教とそっくりで「一度アカ、一生アカ」が普通である。アカ抜けしないプーチン・ロシア帝国、習近平・中共帝国は今や共産主義独裁体制復活を露骨に進めるようになった。“習プーチン”は「金儲けしたい? エネルギー資源を欲しい? それなら俺の子分になれ」とえげつないほど露骨である。
今の米国は「儲かれば良い」という金銭亡者的な感じがする。商売優先で軟弱になった米国は中露北+イランとの熱戦に本気で立ち向かう覚悟があるのかどうか・・・すこぶる怪しいものだと小生は思う。古人曰く「天は自ら助くる者を助く」、米国に国防を依存する、依存できる、という時代ではなくなった、他力本願ではなく自らしっかり戦争に備えよ、ということだ。
7/13に藤谷昌敏氏の「衰退するアメリカ、その分断の歴史、日本の対応は」を転載したが、中露北による侵略に備えて日本は「自国民ファーストになることなく、複数の国や民族の多様性を受け入れる姿勢を持ち、対話と理解を重視して、共通の目標に向けて協力することが重要」という氏の論に対して、大手紙の記者だった先輩からメールを頂いた。
先輩曰く「複数の国や民族の多様性を受け入れる姿勢を持ち」は、具体的にどうすべきか、あまりにも抽象的。敵意を隠さず出鱈目な捏造の歴史観を押し付ける韓国をも受け入れるのか? 有事には、中共の指令で破壊工作予備軍となる中国人の入国を受け入れるのか? イスラム教の習俗を日本でも強引に押し通そうとする連中も受け入れるのか? 肝心なところをきちんと書かないと、記事自体が画竜点睛を欠くことになりますね」。
冷戦から熱戦の時代へ・・・我々が学び、かつ備えるべきことは五万とある。難しいことはプロの専門家に任せ、小生は天命により置かれた場所で狼少年の如く警報を発する、「みんな気を付けて!」。高校では応援団、大学ではアジテーター、現役時代はマーケティング、そして晩年の仕事は「吠えまくる戦狼老人」・・・一応筋が通っているが、なんか変な感じ・・・ではあるなあ。
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渡部亮次郎 「頂門の一針」<ryochan@polka.plala.or.jp>
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“シーチン”修一
【雀庵の「大戦序章」311/通算742 2024(令和6)年7/16/火】トランプ前米大統領への暗殺未遂事件が起きた7月13日(日本時間14日)、氏は銃撃を危機一髪で免れ右耳を裂傷しただけで済んだのは幸いだった。小生にとってアメリカという国、とりわけ民主党政権下のアメリカは日本占領時のマッカーサーの兵士による蛮行で父母が嫌な思いをした、その影響もあって仲良くしたいなどとは思ったことはない。米国を取材して一番感激したのは周囲360度すべて地平線の砂漠で、小生は思わず寝転んで砂漠以外何もない大地と広大な青空を満喫したものだ。以下は、トランプ暗殺未遂に刺激を受けてまとめてみた小生の米国論である。
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我にも正義、彼にも正義、この世は正義と正義のぶつかり合い、と小生は思っている。「良い戦争、悪い戦争」「良い独裁、悪い独裁」「良い殺人、悪い殺人」「良い処刑、悪い処刑」「良い政治、悪い政治」「良い金儲け、悪い金儲け」「良い宗教、悪い宗教」「良い節税、悪い節税」「良い蓄財、悪い蓄財」・・・キリがない。良い人も悪い人も「俺が正義だ、文句があるなら決着を付けよう」となる。世に戦争の種は尽きまじ。
歴史は勝者が創るという。勝者は「正義」となって意気軒高だが、敗者は悪者にされ、口惜しいし、情けない気分になる。普通の健康な人は「臥薪嘗胆、次の戦争では絶対勝ってやる!」と思うのだが、酷い目に遭った上、洗脳により“去勢”までされたため「二度と戦争は御免だ」と言う人もいる。米国の51番目の州にされてしまった日本人にはこのような「戦争ダメ、絶対!」の人が少なくない。
United States of America、略称USA。 Americaの名称は新大陸を発見したイタリアの探検家・地理学者アメリゴ・ヴェスプッチに由来するという。米国を日本では「アメリカ合衆国」と言う。小生なら「アメリカ連邦国」と訳すが・・・「衆」は「多くの人」の意だから「アメリカ人民共和国」でも良かったかもしれない。
米国は「主に欧州からの衆(白人)が寄せ集まって創った国」ゆえに、1776年の建国の頃でも人種、宗教、言語、倫理、風習などは色々だったろう。共通の理念、価値観は「チャレンジ精神」「金儲けが大好き」「新しいモノ好き」「法治の範囲で自由尊重、自己責任で何をしても良い」などのよう。これが良しにつけ悪しきにつけアメリカの強み(タフ、強引、アバウト、進取、合理主義、えげつなさ)の源泉ではないか。「生き馬の目を抜く」ようで、「穏やかでお上品な国」などとは冗談でもとても言えない。
彼ら、主に北米で多数派を占める白人は英国ルーツを引きついでいるのかWASP(ホワイト、アングロ・サクソン、プロテスタント)という出自を重視、「我こそ正義、優秀で、WASP以外は外道、暗愚であり、逆らうものは駆除すべし」と誇り高かったようだ。武力を持って脅せば蛮族も従う、従わない蛮族は容赦なくつぶせ、というのが彼らの外交だった。
この米国から見れば江戸時代の我が日本も蛮族で、ペルー提督率いる米艦隊は軍事力を背景に強引に開国を迫った。「泰平の眠りを覚ます上喜撰(蒸気船)たった四杯で夜も寝られず」・・・日本は艱難辛苦を乗り越え辛うじて植民地や属国に陥らずに済んだ。
一事が万事、米国は建国から100~150年ほどで先住民族の多くは絶滅に追いやられた。1995年頃、懇意にしていた高橋順一・桜美林大学教授が、「生活保護」という名のカネで先住民族がアル中になって“殺されていく”模様をレポートしていた(知人に貸したらそれっきり、今は絶版のよう)。
米国には「邪魔者は殺せ」というDNAがあるのではないか。「米国 テロにあった大統領」で検索したら、リンカーン(16代、共和党、1865年暗殺)、ガーフィールド(20代、共和党、1881年暗殺)、マッキンリー(25代、共和党、1901年暗殺)、ケネディ(35代、民主党、1963年暗殺)。
死に至らないものの襲撃されて負傷した大統領も結構多そうだ。1981年にはレーガン大統領(共和党)がワシントンD.C.で銃撃され九死に一生を得た。警官、護衛担当も大怪我をしたが、ブレイディ大統領報道官は頭部に弾丸を受けたために障害が残り、2014年に死亡した際は、その時の傷が原因という。
<しかし犯人のヒンクリーは裁判では13の容疑で起訴されたが、精神異常を理由に無罪となり、病院で拘束された。その後ヒンクリーは両親の監督下に1999年に退院を許可され、2000年には監督なしでの釈放が許可された。これらの権利はヒンクリーの素行不良が判明し無効となったが、2016年7月釈放が許可され、2022年にはヒンクリーの全ての行動制限措置が解除された>(WIKI)
酷い目に遭った被害者より加害者に寄り添っているような米国。蛮族は皆殺ししてもOK、その一方で精神疾患の犯罪者に対しては何人殺そうが「人を憎まず、病気を憎む」と優しく見守る・・・WASP的な宗教に淫したかのよう。
米国の白人は少子高齢化もあって年々少なくなっているが、子孫を産み育てるよりカネ儲け=ビジネスに精を出しているのだろう。まるで銭ゲバだが、被害者に寄り添ってもカネにはならない、加害者を死刑にしたところでこれまたカネにはならない・・・カネにならないことに米国人はどんどん関心を持たなくなっているのかも知れない。WASP教から拝金教へ宗旨替え?
国民がそうであれば、票で選ばれる政治家もそれに倣わざるを得ない。その影響だろう、トランプの共和党もバイデンの民主党も何やら内向きで、中露北+イランに対して「断固として制裁を加える」という覇気が全く感じられない。
かつて米欧日などの自由陣営は世界革命を目指す戦狼のソ連、その子分の中共を「冷戦」で締め上げ、ソ連は自滅崩壊、ソ連の子分の中共はトウ小平の努力で共産主義から国家資本主義への転換に成功した。しかし共産主義思想は邪教とそっくりで「一度アカ、一生アカ」が普通である。アカ抜けしないプーチン・ロシア帝国、習近平・中共帝国は今や共産主義独裁体制復活を露骨に進めるようになった。“習プーチン”は「金儲けしたい? エネルギー資源を欲しい? それなら俺の子分になれ」とえげつないほど露骨である。
今の米国は「儲かれば良い」という金銭亡者的な感じがする。商売優先で軟弱になった米国は中露北+イランとの熱戦に本気で立ち向かう覚悟があるのかどうか・・・すこぶる怪しいものだと小生は思う。古人曰く「天は自ら助くる者を助く」、米国に国防を依存する、依存できる、という時代ではなくなった、他力本願ではなく自らしっかり戦争に備えよ、ということだ。
7/13に藤谷昌敏氏の「衰退するアメリカ、その分断の歴史、日本の対応は」を転載したが、中露北による侵略に備えて日本は「自国民ファーストになることなく、複数の国や民族の多様性を受け入れる姿勢を持ち、対話と理解を重視して、共通の目標に向けて協力することが重要」という氏の論に対して、大手紙の記者だった先輩からメールを頂いた。
先輩曰く「複数の国や民族の多様性を受け入れる姿勢を持ち」は、具体的にどうすべきか、あまりにも抽象的。敵意を隠さず出鱈目な捏造の歴史観を押し付ける韓国をも受け入れるのか? 有事には、中共の指令で破壊工作予備軍となる中国人の入国を受け入れるのか? イスラム教の習俗を日本でも強引に押し通そうとする連中も受け入れるのか? 肝心なところをきちんと書かないと、記事自体が画竜点睛を欠くことになりますね」。
冷戦から熱戦の時代へ・・・我々が学び、かつ備えるべきことは五万とある。難しいことはプロの専門家に任せ、小生は天命により置かれた場所で狼少年の如く警報を発する、「みんな気を付けて!」。高校では応援団、大学ではアジテーター、現役時代はマーケティング、そして晩年の仕事は「吠えまくる戦狼老人」・・・一応筋が通っているが、なんか変な感じ・・・ではあるなあ。
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渡部亮次郎 「頂門の一針」<ryochan@polka.plala.or.jp>
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